米AMCの大人気パニック・サバイバルドラマ『ウォーキング・デッド』。スティーヴン・ユァン演じるグレン・リーの死は、今なお最も残酷で衝撃的な展開として語り継がれている。そんなグレンの死について、米ScreenRantは「本来はもう1シーズン早く描かれるべきだった」と指摘している。
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最悪の“死の偽装”?
グレンの最期は、何度観ても吐き気を覚えるほど酷いものだった。実際、彼の死後に視聴率が大きく下落したことからも、その衝撃の大きさがうかがえる。だが、この見苦しい死の光景をさらに腹立たしくさせたのは、本来グレンは前シーズンの早い段階で死ぬはずだったという事実である。
シーズン6第3話「逃げ場のない道」では、グレンはウォーカーに囲まれたゴミ収集車の上から落下し、そのまま瞬く間に食い尽くされたように描かれた。生存の可能性は限りなくゼロに見え、視聴者はシーズン1からメイングループを支えてきた人気キャラクターを失ったことを受け入れるしかなかった。
しかしその数話後、シリーズ史上最も物議を醸したシーンが訪れる。シーズン6第7話「生かされる命」の冒頭で、グレンの“死んだと思われた場面”が再び描かれ、彼が実はウォーカーに食われるのをどうにか回避し、ゴミ箱の下に潜り込んで生き延びていたことが明かされたのだ。これは『ウォーキング・デッド』史上最悪の“死の偽装”とも言える展開である。
もちろん、誰もグレンの死を望んでいなかった。しかし、この状況での生存は全く理にかなっておらず、作品に没入するうえで不可欠な“サスペンスの維持”を損なってしまった。キャラクター人気や意外性のために、作品内部の論理が犠牲にされるべきではない。この瞬間、『ウォーキング・デッド』は一流サバイバルドラマとしての評価を大きく落とし、修復不能なダメージを受けたと言ってよい。
そう考えると、本来グレンの死は、あのシーズン6の時点で描かれていたほうが作品としては良かったのかもしれない。
『ウォーキング・デッド』シーズン1~11はU-NEXTなどで配信中。(海外ドラマNAVI)





