ジェームズ・ガン製作総指揮のDCドラマ『ピースメイカー』シーズン2がU-NEXTにて独占配信中。レオタ・アデバヨ役のダニエル・ブルックスとヴィジランテ/エイドリアン・チェイス役のフレディ・ストローマに、シーズン2での新たな展開やキャラクターの成長について話を聞いた。
(本記事には、『ピースメイカー』シーズン2第5話までのネタバレが含まれます)
『ピースメイカー』ダニエル・ブルックス、フレディ・ストローマ【インタビュー】
――今シーズンはシーズン1から何を維持し、今回新たにどんな要素が加わったと思いますか?
ダニエル:ユーモアは確実に維持しているね。ドラマティックな要素が少し強調されて、アクションはますます増え続ける。新しいキャラクター、新しいグループが加わるので、既存キャラクターも関係性がダイナミックに変わっていると思う。
フレディ:新しいキャストが全く異なる新鮮さをもたらすけど、ジェームズが手掛けているのは変わらないので、素晴らしいユーモアと心温まる要素もたっぷりある。シーズン1より少し多いかもしれない。
そして、もう一つのユニバースが登場するんだ。シーズン2で一番好きなのは、二つのユニバースを見られること! 僕のお気に入りの要素の一つだよ。
――シーズン2で、演じるキャラクターの新しい側面で最も驚いたのはどの部分でしたか?
フレディ:エイドリアンはそれほど変わっていないと思うので、特に違う点はないかな。クリス(ピースメイカー)をどれだけ大切に思っているかはより伝わってくるけど、それはもうみんな知っていることだし。
ダニエル:アデバヨに関しては、自ら進んで危険な状況に飛び込んでいく覚悟があるね。文字通り11thストリート・キッズのために。
――『ピースメイカー』の魅力の一つは、キャラクターが特別な超能力で定義されていないことです。シーズン2でキャラクターはどう進化し、どのように親しみやすく、シーズン1からどう成長しますか?
フレディ:エイドリアンはあまり成長しないから、変化もあまりない。ただ、彼の関心がエコノモスに向く様子は見られるよ。感情的になる場面もあるし。でも本質的には、シーズン1から2にかけて大きな変化はないんだ。
ダニエル:アデバヨが親しみやすいのは、多くの人が共感できるポイントがあるから。望もうが望むまいが、親が人生に大きな影響を与える。家族とうまく関係を築いていくのは本当に難しいことだよね。だからこそ、彼女とピースメイカーに視聴者は共感できると思う。自分の道を歩み、直感に従おうとする時って、大きな代償が伴うんだ。特にこの物語ではね。
変化としては、今シーズンでは彼女に大きな自信がついたこと。メンバーにとって、ある種の指針的存在になったと思う。多くの人が彼女にアドバイスを求めるし、実際彼女は適切な答えを出している。そこがシーズン1とは少し違うかもしれないね。
――ヴィジランテとアデバヨはシーズン2でも一緒にいるシーンが多いですよね。一緒に演じて楽しんだお気に入りのシーンを教えてください。
フレディ:特に好きなのは、第5話で森の中にある家の玄関ポーチに座っていて、彼女が初めての依頼人からの電話を受けるシーン。だって彼女が電話で演技するのをただ座って見られてさ。相手は明らかに誰もいないのに、徐々に混乱しながらも電話の相手を喜ばせようとする姿を、ダニエルが完璧に演じてたからね。それがたぶん一番のお気に入りかな。
ダニエル:フレディとの共演は本当に楽しい。特にクモの話は最高に面白かった! 一番笑ったのは、第1話の屋上で彼とエコノモス役のスティーヴ・エイジーがビールを渡すシーン。あれは本当にお腹が痛くなるほど笑った。
――第5話ラストでは、クリスが11thストリート・キッズに残した手紙をアデバヨが代読する感動的なシーンで締めくくられましたが、撮影はどのような感じでしたか?
フレディ:個人的には、ああいうシーンの撮影が一番苦手なんだ。いつもできる限り地に足ついてリアルに演じようとしてるから、ああいう悲しい暗い場所に自分を追い込むのは好きじゃない。
でも、みんなが本当に素晴らしかったから助かったよ。だって、実際に音楽を聴きながら撮影できたし、ダニエルは相変わらず最高だったからね。あの瞬間を共有できたのは、ある意味カタルシスを感じた。だっていつもはバカみたいなことばかりやってるから、そういう感情を味わえるのは良かったな。
ダニエル:フレディが苦手と言った時、私は「私は好き」って思った。泣くこと自体を楽しんでいるわけじゃなくて、視聴者にキャラクターと私自身の弱さを見せられる瞬間が好きなの。全体的なポイントは泣くことではなく、涙と戦うこと。俳優が涙と戦って、一滴も落とさないかもしれないのを見るのが好き。内面の葛藤が全て表に出るから、他の俳優とそういう瞬間を共有できるのは本当に素晴らしいことだと思う。
――ダニエルにお聞きします。アデバヨはシーズン1の終わりで母親アマンダ・ウォラーとA.R.G.U.S.の秘密を暴露し、全てを失いました。それでも彼女はポジティブで、いつも真っ先に友人を助けますが、彼女はグループの原動力だと思いますか?
ダニエル:うーん、原動力とは言えないと思う。みんなグループの中でそれぞれの強みがあるから。アデバヨは確実にシーズン2でみんなの感情的な支えになった。皆が心の傷を癒し、感情的な苦境を乗り越える手助けができる存在といえるかな。
だって、50人と戦えと言われても、それは彼女の得意分野ではないから。だからグループ内の全員がそれぞれのリーダーシップ役割を担っていると思うし、彼女には彼女の役割があるんだと思う。
――次にフレディへ。エイドリアンは自閉症に見えますが、そのようなキャラクターを演じる意義について聞かせてください。また、彼は常にクリスを助けていますが、ワッシーとエイドリアン、どちらがピースメイカーの真のサイドキックだと思いますか?
フレディ:ジェームズはエイドリアンが自閉症だと明言していないので、はっきりそうとは言えないんだけど…彼は面白いよね。道徳観がちょっと歪んでいて、自分のことがわかってない。彼は情報を聞くとそのまま受け取る。全て白か黒かで区別するんだ。
彼の考え方は一貫性がないけど、ピースメイカーへの愛とスーパーヒーローであることへの情熱が、彼をかなり優秀な相棒にしているんだ。正直、ワッシーのほうがサイドキックとしては上かもしれない。彼は恐れを知らず、何でもできるからね。だからそうだな…彼を例えるなら、バットマンにとってのロビンの不安定版みたいな存在だと思う。
――『ピースメイカー』での経験を経て、スーパーヒーローとヴィランでは、どちらを演じるほうがお好みでしょうか?
ダニエル:ヴィランを演じたいね。アデバヨが悪役に転身したら最高だな。つい最近アニメ映画でヴィランを演じたんだけど、本当に楽しかった。だからまたやりたいよ。
フレディ:うん、ヴィランってすごく楽しいと思う。ヴィランを演じてみたいけど、僕らは一種のアンチヒーローみたいなもので、完璧じゃない。だから時々「こいつら、ちょっと怪しいことしてるな」って瞬間があって、そういう味わいを少し味わえるんだ。
――ピースメイカー役のジョン・シナは、一つのシーンで涙と笑いを同時に引き出す力を持っていますよね。チームの雰囲気を決定づける存在かと思いますが、彼との共演について教えてください。
フレディ:ジョンと初めて仕事をした日はシーズン1の初日で、少し遅れて参加したことを覚えている。最初のシーンは車の中でジョンと二人きりだったんだ。そこで彼のアドリブのスキルを目の当たりにして、僕はただ「ああ、これが僕たちのやることなんだ」と思った。
ジョンは優秀で速く、思考が超速いんだ。シーズン1で彼が名前を連呼するシーンがあるけど、「できるだけ多くの名前を言って」って指示だけだったんだよ。彼についていくのは本当に大変で、彼が確実に全員をそのレベルに引き上げる雰囲気を作ってる。
ダニエル:今シーズンの彼の感情的な深さと、ピースメイカーを演じる際の誠実さには、本当に感銘を受けた。彼の演技は本当に美しいと思う。
フレディ:自分ももっと良い俳優になりたいと思わせてくれるよね。
ダニエル:それだけじゃなくて、彼は超プロフェッショナルで温かみがある。彼と仕事ができて本当に楽しかった。
――ジェームズ・ガンと働くのはどのような感じですか?
フレディ:本当に素晴らしいよ。俳優として監督を信頼する必要があるけれど、ジェームズは100%信頼できる人物なんだ。シーズン1で「最も恥ずかしい顔をして」と言われた時も、彼なら大丈夫って信じてた。
彼はめちゃくちゃ面白くてアドリブも上手いから、台本に書いてある笑えるセリフを言うだけでも楽しいのに、彼がさらに面白いセリフを思いつく時があるんだ。時にはそれ以上に笑えるセリフを。本当に、撮影現場は最高に楽しいんだよ。ああ、最も馬鹿げたアドリブをやる時ほど幸せな瞬間はないね。
ダニエル:彼は俳優を家族のように扱ってくれる。仲間意識と絆を大切にしているので、ディナーをよく一緒にするし、私とフレディは焼き菓子を作ったりもしたよね。ジェームズに「アンクル・ジェームズ、どのデザートが一番好き?」なんて言ったりして(笑)
たしかジェームズのパートナーのジェニファー(・ホランド)がカップケーキを持ってきて配っていて、それで私も手作りのお菓子を持ってくるようになって。セットでたくさんのお菓子を作った。彼がセットで許してくれるのはそういうことなんだよね。小さな家族みたいな感じでいられること。だから、本当に感謝してる。彼は天才だと思うし、一緒に仕事できて楽しかった。これからも一緒に働けるといいな。
『ピースメイカー』配信情報
『ピースメイカー』はU-NEXTで独占配信中。シーズン2は、毎週金曜日に最新エピソードが更新中。
(海外ドラマNAVI)