
ハリウッドを代表するビッグスター、トム・クルーズ。1962年生まれの彼は20代になったばかりの1983年に『卒業白書』で初主演を果たすと、60代の今も出演作が世界的なヒットを飛ばし続けている。大ヒットシリーズ最新作『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』が公開中だが、J:COM STREAMで配信中の過去7作品は全世界での興行収入が41億ドル(約6000億円)を超える。新たなスターがどんどん生まれ、時代も様変わりする中で、トムがおよそ40年にわたり第一線を走り続けている理由について、5つのポイントから解説しよう。
トム・クルーズのココが凄い!業界の評判や唯一無二の記録とは?
マネーメイキングスター:スピルバーグ「ハリウッドを救った」
トム=マネーメイキングスターというイメージが最初に生まれたのは1990年代。1992年の『ア・フュー・グッドメン』を皮切りに、5本の出演映画(残る4本は『ザ・ファーム/法律事務所』『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』『ミッション:インポッシブル』『ザ・エージェント』)が続けて、いずれも全米興行収入1億ドル(約146億円)を突破した初の俳優となったのだ。そこには彼のスターとしての吸引力はもちろん、優れた脚本を見抜く力なども関係しているだろう。最近のヒット作と異なり、これら5作品がすべて人気シリーズの続編といったものではなかったことを考えると、トムのスターパワーの強さが分かる。
トムの凄さは、パンデミックにより映画界が大打撃を受けた際にも改めて証明された。映画館に行く人が大幅に減る中、2022年公開の『トップガン マーヴェリック』は15億ドル(約2200億円)近くを稼ぎ出し、旧友スティーヴン・スピルバーグに「ハリウッドを救った」と称賛されている。同作は日本では一年以上にわたって公開され続け、同国においてトム最大のヒット作となった。
「ハリウッドの顔」という立場をトムも自覚しており、自身の出演作に限らず様々な映画についてSNSで言及。映画館でその作品のチケットやポップコーンを手にした自身の画像を投稿し、映画館へ行こうとファンに呼びかけている。また、2024年のパリ・オリンピック閉会式にサプライズで登場して次のロサンゼルス大会へと繋げたり、フランスにある世界最古の航空クラブやイギリスの映画協会から表彰されたりと、その活躍ぶりはアメリカ国内に留まらない。
演技力:英国の名優ケネス・ブラナーやマイケル・ケインも称賛
アカデミー賞作品賞の受賞やノミネートを果たすような評価の高い作品にも多数出演してきたトムは、自身も俳優として3度アカデミー賞候補になっている(『7月4日に生まれて』『ザ・エージェント』『マグノリア』)。しかし、彼を知る俳優仲間はもっと評価されるべきだと語る。
その一人が『ワルキューレ』で共演したケネス・ブラナー。トムは映画スターと見なされるあまり、「俳優としては過小評価されているが、これから演技における黄金時代を迎えるだろう」と述べた。また、ケネスと同じく英国出身でアカデミー賞に2度輝くマイケル・ケインは、『レインマン』でのトムの演技がお気に入り。この作品では自閉症のキャラクター、レイモンドを演じたダスティン・ホフマンが注目されたが、その弟役を務めたトムは感情移入しにくいレイモンドの視点に観客を引き込むという大きな規律と責任を求められる中で「美しい演技を見せた」とマイケルは称える。
さらにトムは若い頃から多くの巨匠と仕事をしており、オリヴァー・ストーン(『7月4日に生まれて』)、マーティン・スコセッシ(『ハスラー2』)、スタンリー・キューブリック(『アイズ ワイド シャット』)、スティーヴン・スピルバーグ(『マイノリティ・リポート』『宇宙戦争』)という4人の名監督と組んだ唯一の俳優だ。そのほかにも、フランシス・フォード・コッポラ(『アウトサイダー』)、リドリー・スコット(『レジェンド/光と闇の伝説』)、トニー・スコット(『トップガン』『デイズ・オブ・サンダー』)、ロン・ハワード(『遥かなる大地へ』)、ブライアン・デ・パルマ(『ミッション:インポッシブル』)、ポール・トーマス・アンダーソン(『マグノリア』)、マイケル・マン(『コラテラル』)といった監督とタッグを組んでいる。
『ワルキューレ』から最新作『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』まで、監督あるいは脚本、製作という形で10回トムと組んできたクリストファー・マッカリーを含め、何人もの監督と複数回仕事をしているところも、トムの業界における評判の高さを証明している。
敏腕プロデューサー:1作目から大ヒット!昨今のトレンドの先駆け
今ではブラッド・ピット、ジョージ・クルーニーなど、俳優業に加えてプロデュースも担うビッグスターは珍しくないが、1996年の『ミッション:インポッシブル』シリーズ1作目で初めて製作も務めるようになったトムは、その先駆けと言える。
ちなみに、1960年代から1970代にかけて続いたドラマ『スパイ大作戦』をもとにする『ミッション:インポッシブル』はかなり前から映画化が進められていたが、当初スタジオ側はあまり乗り気ではなかったという。そこに、ドラマのテーマソングが好きだったトムが加わり、アクションとサスペンス要素たっぷりの映画が完成。トムの判断でスケールを大きくしたことから制作費は当初の想定の倍近い8000万ドル(約117億円)に達したが、その5倍以上の興行収入を稼ぎ出した。
こうして最初のプロデュース作品で大成功を収めたトムはその後、出演作の多くをプロデュースするとともに、当時の妻ニコール・キッドマン主演のホラー映画『アザーズ』や実話をもとにした社会派映画『ニュースの天才』のように自分の出ていない作品も手掛けている。そして2023年には、『トップガン マーヴェリック』のプロデューサーの一人として、アカデミー賞作品賞ノミネートを果たした。
とはいえ、作品に深く関わるようになったのはプロデューサーという職に就いたからというわけでもないようだ。1986年の『トップガン』の頃にはすでに、出演を渋っていたアイスマン役のヴァル・キルマーを口説き落とすため、監督と一緒に説得に動いていたという。
プロフェッショナリズム:スタント中に失神しても問題なし!?
トムといえば、プロフェッショナリズムの高さも抜きん出ている。それを象徴する一つがスタント。学生時代にレスリング選手だった通り、もともと運動神経は良いとはいえ、『ミッション:インポッシブル』シリーズのスタントのほぼすべてを自らやっているのは凄まじい。作品を重ねるごとにどんどん難易度は上がり、8作目の『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』では高度3000m以上を飛ぶ飛行機にぶら下がるという離れ業を披露。うまく空気が吸えずに何度か失神したというほど危険なスタントをこなしているのだから驚きだ。
そんな彼のプロ意識を、共演者たちも口を揃えて称賛する。『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』からシリーズに参加するイルサ・ファウスト役のレベッカ・ファーガソンも、「トムはプロフェッショナルな映画スター。親切で素晴らしく、情熱的。彼はすべての人に最高を求めるからこそ、現場に最初に来て、最後に去る。みんなにベストを尽くすよう求めるなら、自分もそれを実践しなければならないから」と、トムの模範的な行動を称える。
トムの活躍は俳優、プロデューサーとしてのものに留まらない。およそ40年間の活動を通して名立たる俳優や監督から多くを学んできたと語る彼は、カメラ撮影のような裏方の仕事も勉強し、いい映画を作るために様々な視点や技術を磨いてきた。
ハリウッドを牽引し続けるトム本人は、モチベーションを保つ方法について次のように説明する。「僕を動かすものは情熱と愛。仕事ではなくこれこそが自分だと思っているし、目標を常に持ち、チャレンジが大好きなんだ。難しいとか大変とかは構わない。とにかく何があっても諦めない。人生は冒険。人々を楽しませることが本当に好きで、自分がどれだけ光栄な立場にいるかを当たり前に思わないようにしている」
今後も国際宇宙ステーションで作られる初の長編映画が待機しており、誰もやったことがないものをやろうとするトムのチャレンジ精神は天井知らずだ。
人柄:元子役をサポートし続ける生粋の「いい人」
ショーン・ペン、チャーリー・シーンといった同世代の俳優たちと若手の頃から切磋琢磨してきたトムは、そうした旧友からも「本当にいい人」と評判だ。彼に対するいい話は枚挙に暇がなく、2005年の『宇宙戦争』で親子役を演じたダコタ・ファニングには、20年近く経った今も毎年誕生日プレゼントを贈っている。
また、『トップガン』シリーズで共演したヴァル・キルマーが今年4月に病死した際には、直後に登壇したイベントでファンとともに黙祷を捧げた。咽頭ガンによりうまく話せなくなったヴァルが『トップガン マーヴェリック』で言葉が必要ないくらいの存在感を放つのを目にした際には「涙を流した」と語り、親しい友の死を悼んでいる。
トムはファンへの対応も目を見張るものがある。神対応で知られる彼は、『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』を引っ提げて先日来日した際にも、雨の中、3時間かけてファンサービスを行っていた。
次々と不可能を可能にしてきたトムは、今後も映画を作り続けたいと考えており、「僕の目標には終わりがない」と語る。ライフワークとも言える『ミッション:インポッシブル』シリーズのほか、今後はミュージカルにも挑戦したいそうで、これからもハリウッドを引っ張っていってくれるはずだ。
5月配信開始!注目の海外ドラマ&CGアニメ映画
『NCIS:シドニー』シーズン2配信中
アメリカで2003年から20年以上続く大ヒット犯罪捜査ドラマ『NCIS:ネイビー犯罪特捜班』のフランチャイズ作品として2023年に誕生した『NCIS:シドニー』は、5月23日(金)からシーズン2がParamount+にて独占配信中。シリーズで初めてアメリカ国外、オーストラリアを舞台にしている。
オーストラリアの大都市シドニーを舞台に、アメリカ生まれのNCIS捜査官たちと地元オーストラリア連邦警察(AFP)が合同で捜査を行う。国が違うからこその外交問題や自然や珍しい生き物にあふれたシドニーらしい事件が起き、それぞれの国の言葉や文化の違いといった『NCIS』シリーズとしては目新しい要素も盛り込まれている。
その一方、捜査メンバーがいずれも個性的で魅力的というのは、ほかの『NCIS』シリーズとの共通点だ。リーダーのマッキーは、もともと海軍所属のパイロット。『NCIS:ハワイ』のジェーンに続いての女性リーダーだが、面倒見の良かったジェーンに比べるとやや取っつきにくく、決断力と行動力のあるところも含めて本家のギブスを彷彿とさせる。その相棒役となるJD(ジム・デンプシー)はAFP所属。元教師らしく観察眼に優れ、包容力のあるタイプだ。そのほかにも、時おり漫才コンビのようなやり取りを見せるジャクソンとエヴィー、オタクでコミュ障気味のブルー、寡黙だがいざという時に頼れる父親的な存在のロージーという面々が集う。
JDの息子誘拐という大きな事件の末にクリフハンガーで終わったシーズン1に続くシーズン2も、初っ端から目の離せない展開に。さらにスケールアップした事件と新たな陰謀がチームを待ち受けており、仲間との絆、正義への信念、そして任務への覚悟が試される…!
『スクール・スピリッツ』シーズン2配信中
5月16日(金)からシーズン2がParamount+にて独占配信中なのは、青春ゴーストミステリー『スクール・スピリッツ』。『プリティ・リトル・ライアーズ』のプロデューサー、オリバー・ゴールドスティックが手掛けているだけあって、青春要素とミステリー要素がうまくブレンドされ、どんどん引き込まれる作品だ。すでにシーズン3更新が決まっている。
主人公は、ある日校内で何者かによって殺され、幽霊となって学校の敷地内から出られなくなってしまった高校生のマディ。自分が誰に、どのように殺されたかすら思い出せない彼女は、同じく校内で事故や殺人により命を落としたことから学校に閉じ込められている様々な年代の幽霊たちが集まる「死後の支援グループ」に参加。そのメンバーや、幽霊の自分と唯一話ができる親友サイモンの協力を得ながら、殺されていまだに死体が見つからない自分の事件の真相を追う。
シーズン1のラスト、死んだ日の自分の行動をついに思い出したマディだが、サイモンから信じられないものを見せられ、新たな謎が生まれる形で幕を閉じた。シーズン2では、新たな登場人物も加わり、マディの死の裏に隠された衝撃の事実が徐々に明らかになってゆく。
『トランスフォーマー/ONE』配信中
スティーヴン・スピルバーグ、マイケル・ベイというヒットメーカーたちがタッグを組んだ大ヒット映画『トランスフォーマー』シリーズの始まりの物語を描く3DCG映画『トランスフォーマー/ONE』も、5月23日(金)よりParamount+にて見放題配信中だ。
シリーズ前日譚となる本作は、トランスフォーマーたちの故郷であるサイバトロン星を舞台に、若かりし頃のトランスフォーマーたちの友情とトランスフォーム(変形)能力の起源を壮大なスケールで描き出す。1作目からの主要キャラクターであるオプティマスプライムとメガトロンそれぞれがヒーロー、ヴィランになる前のストーリーが綴られる。
トランスフォーマーたちに特化したこの物語は、実写版よりも幅広い表現が可能に。声の出演も魅力的で、英語版にはマーベルスターのクリス・ヘムズワースとスカーレット・ヨハンソン、日本語吹替版には中村悠一と木村昴といった面々が名を連ねる。
ロボット生命体トランスフォーマーが暮らすサイバトロン星の地下都市。変形能力を持たない労働ロボットのオプティマスプライム(オライオンパックス)とメガトロン(D-16)は固い友情で結ばれ、いつかヒーローになることを夢見ていた。ある日、謎のSOSメッセージを発見した二人は仲間のバンブルビー(B-127)やエリータ1とともに、侵入を禁じられている地上世界へ向かったことで恐ろしい陰謀の存在を知るのだが…。
Paramount+の独占配信作品も楽しめるJ:COM STREAM
動画配信サービスの「J:COM STREAM」は、話題の洋画、海外ドラマを続々リリースするParamount+の独占配信作品、韓国・中国ドラマも含めた多彩なコンテンツを揃える。さらに今年3月からは「TELASA(テラサ)」のコンテンツが追加料金なしで視聴可能! テレビ朝日の人気番組や「TELASA」限定のオリジナルコンテンツを提供する。(※ライブ配信および一部作品を除くTELASA見放題プランの作品が対象。配信日が一部異なる場合あり。特典の映画館クーポンおよびPontaポイント還元の適用なし)
「J:COM STREAM」と、厳選したおよそ40の専門チャンネルをセットにしたTVコースの「J:COM TV シン・スタンダード」もオススメ。こちらはWEBサイトあるいはカスタマーセンターからの申し込み・変更手続きが可能だ。
(海外ドラマNAVI)
Photo:『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』© 2018 Paramount Pictures./『ミッション:インポッシブル』1996 by Paramount Pictures. All Rights Reserved. MISSION: IMPOSSIBLE™ IS A TRADEMARK OF PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED./『NCIS:シドニー』シーズン2 © 2025 CBS Broadcasting Inc. All Rights Reserved./『スクール・スピリッツ』シーズン2 © 2022 AwesomenessTV Holdings, LLC. All Rights Reserved./『トランスフォーマー/ONE』© 2024 Paramount Animation. All Rights Reserved.