
米テレビ史に名を刻む傑作ドラマ『ブレイキング・バッド』と、その前日譚である『ベター・コール・ソウル』。いずれも緻密な脚本と濃密なキャラクター描写で、世界中のファンを魅了してきた。
両シリーズは2019年の映画『エルカミーノ:ブレイキング・バッド THE MOVIE』を含め、ひとまず物語の幕を下ろしたものの、登場人物たちの過去やその後を描くスピンオフには、いまだ大きな可能性が秘められている。
ここでは、そんな『ブレイキング・バッド』ユニバースの中から、スピンオフの主人公として強く望まれるキャラクター5人を紹介する。
目次
『ブレイキング・バッド』スピンオフの主役になるべきキャラクター
ガス・フリング(ジャンカルロ・エスポジート)
冷静沈着かつ知略に長けた麻薬王ガス・フリングは、スピンオフの主役にうってつけの存在だ。フライドチキンの店「ロス・ポジョス」の経営者としての顔の裏に、冷酷非情な一面を隠し持つ彼は、ファンの間でも圧倒的な人気を誇る。
スピンオフでは、彼がどのようにして南米からやって来て、カルテルと対峙しながら帝国を築いたのか、その軌跡を描くことができるだろう。また、ラボやロス・ポジョスといった象徴的な舞台が再登場すれば、視覚的にもファン垂涎のシリーズとなるに違いない。
マイク・エルマントラウト(ジョナサン・バンクス)
沈黙の中に信念を宿す男、マイク・エルマントラウト。その寡黙さと実直さは、多くの視聴者の心を掴んできた。元フィラデルフィア警察の彼には、まだ描かれていない過去が多く存在する。
スピンオフでは、家族のために汚れ仕事に手を染めるようになった経緯や、孫娘との絆を軸にした人間ドラマが描かれるだろう。重厚なストーリーと心理描写を組み合わせた、骨太なクライム・スリラー作品になる可能性を秘めている。
ヘクター・サラマンカ(マーク・マーゴリス)
車椅子に座り、呼び鈴だけで意思を伝える印象的な姿で知られるヘクター・サラマンカ。だが彼もまた、若き日は恐れられるカルテルの幹部だった。
前日譚スピンオフであれば、冷酷で野心に満ちた彼の若かりし頃を描くことができる。特にガス・フリングとの確執がどのように始まり、あの壮絶な結末へと繋がったのかを掘り下げることで、シリーズ全体にさらなる深みを与えるだろう。
キム・ウェクスラー(レイ・シーホーン)
『ベター・コール・ソウル』のもう一人の主役、キム・ウェクスラー。正義感とリスクへの嗜好の間で揺れる彼女の姿に、多くのファンが魅了された。スピンオフでは、彼女の生い立ちや法律家としてのキャリアの道のり、さらにはジミーと別れた後の人生に焦点を当てることができる。
罪悪感と向き合いながら再出発を図る彼女の物語は、感情豊かで人間味あふれるドラマとなるだろう。道徳的ジレンマをテーマにした作品として、新たな名作が生まれるかもしれない。
トッド・アルキスト(ジェシー・プレモンス)
礼儀正しく穏やかな印象とは裏腹に、凶悪な犯罪に手を染める若者トッド・アルクイスト。彼の存在は『ブレイキング・バッド』の中でもひときわ異質で、観る者に強い不快感と興味を抱かせた。
スピンオフでは、彼がどのようにして冷酷な殺人者となったのか、叔父との関係やネオナチ・グループとの関わりを中心に描くことができる。精神的に不安定で倫理観の欠如した人物の視点から語られる物語は、観る者に衝撃を与える作品となるだろう。
(海外ドラマNAVI)
『ブレイキング・バッド』と『ベター・コール・ソウル』の全シーズンは、Netflixにて配信中
Photo:『ブレイキング・バッド』©︎2008-2013 Sony Pictures Television Inc. All Rights Reserved. /『ベター・コール・ソウル』© 2018 Sony Pictures Television Inc. All Rights Reserved.