『ロッカビー:パンナム103便爆破事件』コリン・ファース、“自分に英雄役は力不足だと思った”

アカデミー賞受賞俳優のコリン・ファースが主演を務めるリミテッドシリーズ『ロッカビー:パンナム103便爆破事件』(原題:Lockerbie: A Search for Truth)で、実在の人物で、娘を失った医師のジム・スワイアを演じるにあたり、「自分には力不足に感じた」と胸中を告白した。

 

実在の人物と“信頼”を築くために面会していたコリン・ファース

1988年12月、英国の空港を飛び立ったパンナム航空103便は、爆弾の爆発によって空中分解。乗員乗客全員に当たる259人が死亡、機体が落ちた地上でも11人の市民が命を落とし、英国の航空機墜落関連で最大の悲劇となった。この惨事、通称“ロッカビー事件”で愛するわが子を失ったジム・スワイアが真実を追い求める姿を描く。

コリンは役作りの一環として、スワイア夫妻の自宅を訪問。「リサーチのためというよりも、互いを知り、少しでも信頼関係を築ければという思いで訪れました」と振り返る。「彼らに会えば、誰でもその温かさと誠実さに心を打たれます。同時に、この役を担う重みを改めて実感しました。どんな役にも最初は不安がつきものですが、今回は本当に“自分の力では及ばない”と感じました」

スワイアの「勇気、誠実さ、真実への献身、そして過去の理解と矛盾していても新たな情報を受け入れる姿勢」に深い尊敬を寄せている。「情熱を持っているものほど、その信念を守りたくなるのが人間です。スワイア博士はそうではなかった。事実に耳を傾け、時には大きな方向転換も受け入れてきた。その姿勢が本当に印象に残りました」

数十年を演じるという挑戦、支えてくれた“環境”

スワイアの人生を数十年にわたり演じるという役柄に対し、コリンはセットやメイク、衣装の力を強調。

「時代考証の整った空間に足を踏み入れた瞬間、あまりのリアリティに圧倒され、自分を落ち着かせなければなりませんでした」と語り、「この作品は単なる仕事というより、心に響く体験であり、大きな想像の飛躍を求められる挑戦でした」と述べた。

メイクについても「年齢を忘れそうになったら、今朝増やされた(あるいは減らされた)シワを数えればいいんです」とユーモアを交えながら、「この仕事の8割は協力関係によって決まります」と強調している。

これはジム・スワイアの物語、しかし唯一の物語ではない

プロデューサーのギャレス・ニーム(『ダウントン・アビー』)は、スワイア博士の著書を読んで企画に惹かれたと語っている。

「あの夜のニュースは今でも鮮明に覚えています。直接の関係者ではありませんが、あの出来事はすべてを変えました。まさか数十年後にこの物語を語ることになるとは思ってもいませんでした」と当時を振り返った。

事件はこれまで報道やドキュメンタリーで語られてきたが、「ドラマという形式にすることで、新たな視点を視聴者に届けられる」とニームは確信している。

「270人いれば270通りの家族の物語がある。それぞれが異なる物語であり、その一つひとつにたどり着く道筋が必要だ」と語り、「この作品はジムの物語だが、それが唯一の真実ではない」と付け加えた。

『ロッカビー:パンナム103便爆破事件』放送・配信情報

『ロッカビー:パンナム103便爆破事件』(全5話)は、WOWOWプライムにて5月3日(土・祝)23:00スタート(※第1話無料放送)、WOWOWオンデマンドにて5月3日(土・祝)0:00より全5話一挙配信。(海外ドラマNAVI)

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Photo:(c) Carnival Film & Television Limited / Sky Studios Limited 2024.