【ネタバレ】『NCIS ~ネイビー犯罪捜査班』ファンが驚いたあの人の死、製作陣の意図とは?

大ヒット犯罪捜査ドラマ『NCIS ~ネイビー犯罪捜査班』では、長寿シリーズの宿命とも言える数多くのキャラクターたちの悲劇が描かれてきた。しかしながら、主任検視官ジミー・パーマーの最愛の妻であるブリーナ・パーマーの死ほど、悲劇的なものはなかったと言えるだろう。米Screen Rantがブリーナの死の真相を紹介している。

 

現実とリンクさせたかった

シーズン7で初登場を飾ったミシェル・ピアース(『デスパレートな妻たち』)演じるブリーナは、その優しい性格と夫への愛情あふれる姿から、すぐに視聴者の心を掴んだ。そんな愛すべきキャラクターとの別れの日は突然訪れることとなった。しかも、ブリーナの死は劇中で描かれることはなく、ひっそりと言及されるにとどまり、視聴者だけに限らず、登場人物たちにでさえも大きな衝撃を与えたのだ。だが、それは同時に現実世界で身近に起きていることでもある。

シーズン18第7話「初日」において、ジミー・パーマーの妻であるブリーナが、2020年12月にコロナウィルスによってこの世を去っていたことを知らされ、大きな衝撃を受けたというファンも少なくないだろう。ブリーナの死は、それまでに一度も触れられることがなかったため、完全に画面の外で起こった出来事だったのだ。彼女の死後、ジミーは喪失感と戦いながら、仕事に熱中することになるのだが、一体なぜ、このような描写を選んだのだろうか?

ジミー役を演じるブライアン・ディーツェンは、プロデューサーから事前にブリーナの死を伝えられていたと話す。「プロデューサーたちの望みはコロナウィルスの出現がチームにもたらす打撃だった。それでも僕らはこれ以上仲間を失いたくはなかった」と、ブリーナの死をストーリーに組み込むことで、現実世界におけるコロナウィルスパンデミックがもたらした影響を反映させようという製作陣の意識的な取り組みだったことを説明した。

その結果、「NCIS」はブリーナの深刻な病気の詳細を描くことなく、パンデミックの恐怖を描写することに成功。製作陣の意図した通り、コロナウィルスが世界にもたらした打撃と同様の打撃がNCISチームを襲うことになった。

ジミーがブリーナの最期の瞬間(とき)にそばにいられなかったことは、パンデミック中に愛する人たちをそばにいられないまま失ってしまった多くの人々の体験を映し出す鏡のような役割を果たしており、同じような経験をした視聴者からの共感を大いに呼んだことは言うまでもない。

ちなみにブリーナは、視聴者が期待していたような形ではないものの、シーズン19第13話「救いの手」にてカムバックを果たしている。

『NCIS ~ネイビー犯罪捜査班』はHuluにてシーズン1~21が配信中。Dlifeにてシーズン22が日本初放送中。(海外ドラマNAVI)

Photo:Instagramアカウント@ncisverseより