
映画監督デヴィッド・リンチが2025年1月15日に78歳で逝去し、多くのファンや関係者が彼の功績を称え続ける中で、彼の代表作品の一つ『ツイン・ピークス』に登場したある名セリフが再び注目を集めている。
そのセリフについてデヴィッド・ドゥカヴニーが当時の想いを明かした。Deadlineが報じている。
「Fix Your Hearts or Die」は時代を超える名言
『ツイン・ピークス』で女装癖あるDEA(麻薬取締局)捜査官、デニス・“デニース”・ブライソンを演じたデヴィッド・ドゥカヴニーが、そのセリフについて語った。「Fix your hearts or die(心を正せ、さもなくば死ね)」という言葉は、リンチ演じるFBI捜査官ゴードン・コールがデニースに向けて言ったものだった。
デヴィッドは最近のインタビューで、「そのセリフがまた話題になっているとは知らなかったが、最初に台本で見たときに“これは史上最高のセリフのひとつだ”と思った。だからこそ、人々の記憶に残るのも納得だ」と語っている。
デニース・ブライソンは『ツイン・ピークス』で、捜査のために女性の服を着て潜入したことがきっかけで女装に目覚め、捜査の必要に応じて服装を使い分け、女装をする際は“デニース”を名乗るキャラクターだった。当時デニースのようなキャラクターが登場するのは珍しく、物議を醸すこともあったが、彼女の描かれ方は多くの視聴者に受け入れられた。
2017年、リバイバル版『ツイン・ピークス:ザ・リターン』でデヴィッドは再びデニースを演じることになった。その中でゴードンは、デニースに苦言を呈した彼女の同僚たちに、「Fix your hearts or die」と伝えたことを回想するシーンが登場した。
デヴィッドは「デヴィッド(・リンチ)と仕事をすることは一生に一度の体験だった。彼は完全に唯一無二の存在であり、映画監督としてもアーティストとしても独自のビジョンを持っていた」と振り返る。また、「1980年代後半にオーディションを受けて、30年後にもまた同じキャラクターを演じられたのは幸運だった」とも語った。
「オーディションを受けた当時は、なんの番組かすらよく分かっていなくて、最終的にそれが特別な作品になるとは、想像もしていなかった」とデヴィッドは語る。『ツイン・ピークス』は単なるミステリードラマの枠を超え、カルト的な人気を誇る作品となった。
デヴィッド・リンチには独特の世界観とメッセージが込められており、その影響力は計り知れない。特に「Fix your hearts or die」という言葉は、単なるドラマのセリフにとどまらず、多くの人にとっての人生の指針となるような力を持っている。デヴィッド・リンチの作品と精神は、これからも長く語り継がれていくだろう。
『ツイン・ピークス』は、Prime Videoにて配信中。(海外ドラマNAVI)
Photo:『ツイン・ピークス The Return』“TWIN PEAKS”: ©Twin Peaks Productions, Inc. All Rights Reserved.