Netflixの人気ドラマ『ヴァージンリバー』のジャック役や『グレイズ・アナトミー』のネイサン・リッグス役で知られるマーティン・ヘンダーソンと、2年間にわたり交際していると信じていた女性が、彼の出身地であるニュージーランドに移住し、375,000ドル（約5,700万円）を騙し取られていたことが明らかになった。
AIを駆使した巧妙な手口
ロビン・カーによる同名小説を映像化した『ヴァージンリバー』は、ロサンゼルスからカリフォルニア州の田舎町ヴァージンリバーに引っ越してきた看護師メルを主人公に、彼女がつらい過去を乗り越えて、人生をやり直そうと奮闘する物語。マーティンは本作にシーズン1からレギュラー出演。元海兵隊員であり、現在はレストラン/バーのオーナーであるジャックを演じている。
New Zealand Heraldの報道によると、被害者のリア（仮名）は『ヴァージンリバー』のファンページに投稿した後、マーティンのエージェントを名乗る人物から連絡を受けた。そこから"マーティン本人"とつながり、2年間の長距離恋愛がスタート。しかし、その正体はAIを駆使した詐欺師だった。
リアは毎日"マーティン"と会話し、「好きな食べ物や趣味の話で意気投合した」と振り返る。しかし、詐欺師はAIによるボイスメッセージを駆使しながら、次々と金銭を要求。彼女は以下のような名目で多額の資金を提供したという。
| 支払い項目 | 金額 |
|---|---|
| 刑務所からの保釈金 | 10,000ドル |
| ビットコイン投資 | 5,000ドル |
| 貴重品輸送の偽請求書 | 56,000ドル |
| プライベートジェットのチャーター（南アフリカ→NZ） | 30,000ドル |
マーティン・ヘンダーソンとの恋愛が嘘だと気づいたのは…
リアが詐欺だと気づいたのは、彼女の友人が送ったニュース記事。その記事には、マーティンがニュージーランドでバイクラリーに参加している写真が掲載されていた。しかし、その時点で"マーティン"は南アフリカで心臓発作を起こし、病院のベッドにいると彼女に伝えていた。「その瞬間、すべてが嘘だったと気づきました」とリアは語っている。
有名俳優を名乗るロマンス詐欺、世界で急増
有名俳優を名乗る国際ロマンス詐欺は近年急増しており、今年1月には、フランス人女性が俳優のブラッド・ピットを装う詐欺師に850,000ドル（約1億3,000万円）を騙し取られた事件も報じられた。さらにスペインでは、ブラッドになりすまし35万ドルを詐取した詐欺グループが逮捕されるなど、同様の手口が横行している。
「詐欺師はファンと有名人のつながりを悪用します。個人のSNSで情報を発信していない俳優をを名乗る人物からのアプローチには十分警戒すべき」と、ブラッドの代理人も注意を呼びかけている。SNSが普及する中、有名人を装った詐欺はますます巧妙化している。ファンを狙った甘い言葉には、決して惑わされないようにしたい。
『ヴァージンリバー』シーズン1～6はNetflixで独占配信中。（海外ドラマNAVI）
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Photo:『ヴァージンリバー』はNetflixで独占配信中。
