英国の人気長寿SFシリーズ『ドクター・フー』で11代目ドクターを演じたマット・スミスは、膨大な量の説明セリフを覚えるために前任の10代目ドクター、デヴィッド・テナントから重要なアドバイスをもらったという。
セリフを覚えるのに苦労した『ドクター・フー』
現在『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』に出演中のマットは、このほど米Varietyのインタビューに応じた。その中で、自身にキャリアにおいて最も印象的なセリフについて話が及ぶと、『ドクター・フー』での経験がどれほど大変なものであったかを振り返り、デヴィッドからもらった大切な助言について語った。
「出演が決まってデヴィッドに電話でアドバイスを求めたときに、本当に惜しむことなく答えてくれました。彼が教えてくれたのは、“セリフはすべて日曜日に覚える。そうしないと、いったりきたりすることになる”ということ。『ドクター・フー』は毎日10ページ分ほど撮影します。ドクターは説明的で、基本的に見たことすべてを口にしてしまいますから。それに、テレビでは映画のように視覚的に説明することができません。物語をテンポよく進めるために、視聴者に何が起きているのかを説明する必要があります。そのためのセリフ覚えには大変なものがありました」
数々の作品に出演してきたマットにとって特別印象に残るほど『ドクター・フー』は苦労が多かったようだが、彼の努力は形となり、歴代ドクターの中で最も愛されている一人という評価も得ている(デヴィッドの10代目が絶大に人気を誇っているのはもちろんのことだが)。
実は、マットが出演する『ザ・クラウン』や『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』でも、俳優たちにはセリフを通して世界観を築くことが求められており、今となっては、マットはこのスキルのエキスパートの一人。デヴィッドの教えは、ドクターにとってだけでなく、俳優人生を通して活かされる金言だったようだ。
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Photo:マット・スミス©NYPW/FAMOUS デヴィッド・テナント©James Warren/Famous