1987年に出版され、第1回山本周五郎賞を受賞、日本を代表する名脚本家・作家である山田太一作の長編小説「異人たちとの夏」(新潮社刊)を、『荒野にて』(17)、『さざなみ』(15)など数々の賞に輝き、世界で絶賛された作品を送り続ける監督/脚本家アンドリュー・ヘイの手により再映画化した『異人たち』が4月19日(金)に公開される。
この度、本作の特別映像が解禁!
映画『異人たち』
2023年11月29 日に惜しくも逝去された山田太一さんの原作による本作は、英国インディペンデント映画賞で作品賞・監督賞・脚本賞・助演男優賞(ポール・メスカル)・撮影賞・編集賞・音楽監修賞等、主要部門を独占する最多7冠に輝き、第77回英国アカデミー賞では作品賞・監督賞・助演男優賞・助演女優賞・脚色賞・キャスティング賞にノミネート。
さらに、第81回ゴールデングローブ賞において、主演男優賞(ドラマ部門)にアンドリュー・スコットがノミネートされるなど、賞レースでも注目を集めている。本国イギリスでは、大作・競合ひしめく中、2位で初登場。引き続き、4週連続トップ10を維持するスマッシュヒットとなり、山田氏のオリジナリティ溢れたストーリーに、ヘイ監督ならではの感性あふれる脚色と演出が加えられたことで、時代を超えて多くの人々の心に残り続ける新たな傑作が誕生した。
特別映像が解禁!
子供の頃の記憶をたどって懐かしい故郷を訪れた主人公のアダムが、まるでタイムスリップしたかのように、死別した両親との再会を果たす。山田太一が創作したこのユニークな幻想譚に魅了されたアンドリュー・ヘイ監督は、本作の再映画化にあたり、自らのプライベートな要素を織り交ぜ、愛と孤独、喪失と再生、家族の絆といった普遍的なテーマを探求した。子供の頃に両親を交通事故で失う。30年前に負ったそのトラウマゆえに誰かを愛することさえ忘れていたアダムが、思いがけない両親との交流によって子供時代に回帰していく様、そして、30年前の当時の姿のまま、大人になったアダムと想いを通わせる両親の姿が、美しく、幻想的な映像と相まってエモーショナルに描かれていく。
今回解禁となった映像でも、アダムが両親と再会を果たすその瞬間や、郷愁の眼差しで両親を見つめるアダムの姿、そして、かつて互いに抱えていた苦悩や葛藤を吐露し、家族の絆と愛を再びつなぎとめる描写が映し出される。「親なら失敗したくないが、失敗は付き物だ。アダムの場合、幸いにも親が耳を傾け息子を尊重する。彼を解放するんだ。」そう明かすジェイミー・ベルが演じる父親は、“部屋で泣いているのは知ってた。イジメられてた?”と大人になったアダムに投げかける。
そして、かつての自分を悔いるかのように“部屋に入らなくて悪かった”と心の底に抱いていた想いを伝えるのだ。辛い想いを抱えていた当時のアダムに手を差し伸べることができなかった父の葛藤を知ったアダムは、まさに解放されたように涙を流し、父の想いを受け入れる。二度と会うことも、話すことも出来ないと思っていた父や母との、時空を越えた邂逅とそこに描かれる深い愛に、観る者は胸を打たれること必至だ。
セクシュアリティを現代的な視点で掘り下げる
さらに、ヘイ監督はアダムを同性愛者として描き、彼が一貫して関心を抱いてきたセクシュアリティという主題も現代的な視点で掘り下げている。自身のパーソナルな記憶と想いを山田太一原作の物語に付与することで、今を生きる人々の心に突き刺さる愛と喪失の物語へと昇華させた。
映像では、アダムが母親へ向けて、自身がゲイだと告白するシーンも描かれており、アダムを演じたアンドリュー・スコットは、「グッとくるよ。個人的にすごく気持ちが分かる。僕もゲイだからね。温かい反応を祈りながら家族に打ち明けた経験もある。みんな家族の絆を感じたい。」と自身の経験を踏まえた想いを明かす。
ヘイ監督はスコットについて、「アンドリュー・スコットのことは最初から頭にありました。私は長い間、彼を俳優として尊敬していました。そして、すべてのクィア役がそうであるわけではありませんが、主役が役柄と同じセクシュアリティを共有していることは私にとって重要でした。この映画のクィアネスの探求には多くのニュアンスがあり、それを深いレベルで理解できる人が必要だったのです。」とその起用理由を語り、本作でみせるスコットの演技を絶賛している。
「大抵の人には親や子がいて親子関係の複雑さを知ってる。だから、この映画がどんな人にも響くといいね。」そう明かすヘイ監督の言葉通り、多くの人の根源にある“愛”がテーマとして深く描写される本作。観る人の心に残る新たな傑作が4月19日(金)より公開予定。ぜひ、ご期待ください!
(海外ドラマNAVI)
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