米国TV界の最高峰となるエミー賞では、ファンと批評家から絶大なる支持と評価を得ていても、栄光を手にすることなくシリーズが終了してしまう作品がある。そんな、残念ながら受賞が叶わなかった名作ドラマを米Colliderがピックアップしているので、そのうち5作品を紹介したい。
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エミー賞を受賞すべきだった名作
『Parks and Recreation(原題)』
インディアナ州の架空の町が舞台となる本シリーズは、公園緑地課に勤めるレズリー・ノープを中心に、彼女を取り巻く風変わりな人々が繰り広げる人間模様や騒動をコメディタッチで描く作品。米NBCで2015年より7シーズにわたって放送され、『ジ・オフィス』や『ブル~ス一家は大暴走!』など、当時人気のあった他のホームコメディと比べられながらも独自の地位を築き、ファンと批評家から大きな人気を博した。しかし、本シリーズはエミー賞で14部門にノミネートされたにもかかわらず、1回も受賞できなかった。
『スター・トレック/宇宙大作戦』
1966年に放送開始された『スター・トレック/宇宙大作戦』は、SFドラマシリーズの金字塔。ジェームズ・T・カーク船長やスポックといった、おなじみのキャラクターがエンタープライズ号に乗り込み、宇宙で壮大な冒険を繰り広げる。その活気に満ちた物語は、今も続く壮大なフランチャイズを生み出しただけでなく、ポップカルチャーに与えた影響も計り知れない。しかし、その革新性と重要性は正当に評価されず、エミー賞で13部門にノミネートされたが、一度も受賞には至らなかった。残念ながら、放送現役時代に栄誉にあずかることはなかったものの、その功績を称えられ、2018年のエミー賞で米国TV芸術科学アカデミーの理事(ガバナー)が決定するガバナー賞に輝いた。
『フィラデルフィアは今日も晴れ』
2005年より16シーズンにわたって続いていて、米シットコムシリーズ史上最長となるコメディドラマ。ペンシルベニア州フィラデルフィアを舞台に、アイリッシュバーを経営する自己チューな5人組のおかしな日常が描かれる。開き直ったかのようなキャラクターのクズでおバカなノリが支持を得た本作は、すでにシーズン18まで更新され、Rotten Tomatoesの批評家支持率は94%、IMDbは10点満点中☆8.8点と高い人気と評価を獲得しながらも、エミー賞にノミネートされたのは僅か3回のみ…。しかし、あと少なくとも2シーズンは製作されるため、番組が終了するまでに賞を獲得できるかもしれない。
『THE WIRE/ザ・ワイヤー』
米HBOの硬派な刑事ドラマ『THE WIRE/ザ・ワイヤー』は、2002年より5シーズンにわたって放送されたシリーズ。メリーランド州ボルチモアを舞台に、麻薬組織を追う刑事たちの活躍がハードボイルドなタッチで描かれる。緻密な脚本とキャストによる素晴らしい演技、そして息を呑むようなシネマトグラフィーといい、多くの批評家が「史上最高のドラマシリーズ」に選出するほどの傑作だ。ところが、これほど高いクオリティを誇っていながら、放送当時に本シリーズがエミー賞にノミネートされたのはたった2回で、受賞も逃している。もしかしたら、このシリーズは時代を先取りしすぎていたのかもしれない。
『ベター・コール・ソウル』
『ブレイキング・バッド』の前日譚スピンオフとなる『ベター・コール・ソウル』は、悪徳弁護士ソウル・グッドマンが、本名ジミー・マッギルを名乗っていた時代が描かれるシリーズ。本家を凌ぐ、予想のつかないキャレクター展開や、何層にも伏線が張られて練りに練られた脚本、演技派のキャストなど、素晴らしい作品を生み出す才能と素材に恵まれた番組は、ファイナルとなるシーズン6までトップクラスのクオリティを維持した。そういった点が評価され、エミー賞でのノミネート数は54回に達するも、なんと一度も受賞には至らず、メディアは「ドラマ史上で最も冷遇された番組」と称している。
(海外ドラマNAVI)
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