1月6日は、世界一有名な探偵シャーロック・ホームズの誕生日(諸説あり)。それに合わせて、ミステリーチャンネルでは人気の英国ミステリードラマ『シャーロック・ホームズの冒険』に関するアンケートを実施。10~80代、800人以上のファンが選んだ好きなエピソードのランキング結果が発表された。
初期の作品が半数を占める
アーサー・コナン・ドイルの原作小説を元に、ジェレミー・ブレット主演で映像化された『シャーロック・ホームズの冒険』は、英ITV系にて1984年4月に放送開始。主演のジェレミーが病に倒れて続けられなくなるまで、10年にわたって続いた(ジェレミーは1995年に61歳で永眠)。その放送開始40周年にちなんで行われた今回のアンケートで、全41エピソードの中から選ばれたトップ20をご紹介しよう。
第1位 赤髪連盟(第12話)
第2位 バスカビル家の犬(第26話)
第3位 まだらの紐(第6話)
第4位 ボヘミアの醜聞(第1話)
第5位 踊る人形(第2話)
第6位 空き家の怪事件(第14話)
第7位 青い紅玉(第7話)
第8位 マスグレーブ家の儀式書(第17話)
第9位 最後の事件(第13話)
第10位 六つのナポレオン(第20話)
第10位 四人の署名(第21話)
第12位 美しき自転車乗り(第4話)
第13位 犯人は二人(第33話)
第14位 曲がった男(第5話)
第15位 第二の血痕(第16話)
第16位 銀星号事件(第23話)
第16位 瀕死の探偵(第37話)
第18位 海軍条約事件(第3話)
第19位 ギリシャ語通訳(第9話)
第20位 マザランの宝石(第40話)
全41作品から3作品を選択して投票するというスタイルのためか、一編だけ、あるいは数話の短編集として紹介されたり、単発で映像化されることの多い有名タイトルが上位を形成。特にトップ3は、ミステリー好きではない人であっても、一度は題名を聞いたり、作品を見たり読んだりしたことがあるのではないだろうか。
堂々のトップを手にしたのは、奇抜な着想も含めて評価が高い「赤髪連盟」(第12話)。ホームズのところへ依頼に来る質屋の主人ウィルスンに対して披露する推理を含めたやり取りも、原作に忠実でありながら微笑ましいものになっている。見事な脚色によってホームズの宿敵モリアーティ教授の初登場回となっている点も評価されたようだ。
2位は、映像化されることが特に多いエピソードである「バスカビル家の犬」(第26話)。小説と同じく長編として制作されており、イギリスの荒涼とした湖沼地方を舞台に起きる不気味な事件をホームズとワトソンが追う。ロンドンでの仕事が忙しいホームズの代わりに現地へ派遣されたワトソンの登場シーンが多い点も人気の理由。小説では描かれなかった犯人の最期も印象的だ。
そして3位は「まだらの紐」(第6話)。初めて読んだホームズ作品がこれで、それをきっかけに好きになったという人も多い。ドラマでは悪役やその家の周辺も一風変わった様子も見事に映像化されており、ホームズのもとへやってきたロイロット博士との火掻き棒を使った力比べも原作通り。そうした小説そのままの完璧な世界観によって票を集めた。
そのほかにも、原作小説でも短編として記念すべき1作目でありホームズの失敗が描かれる「ボヘミアの醜聞」(第1話)、壁に描かれた人形の謎に迫る「踊る人形」(第2話)、ホームズがモリアーティ教授との闘いの末に滝つぼへと消えた「最後の事件」(第13話)、死んだはずのホームズが復活する「空き家の怪事件」(第14話)といった有名エピソードが上位にランクイン。なお、トップ20のうち半分の10本が、本国で1984年から1985年にかけて放送された「The Adventures of Sherlock Holmes」(第1話~第13話)からの作品と、初期シリーズの人気の高さが目立った。なお、ホームズの相棒であるワトソンは、最初の13話ではデヴィッド・バークが演じ、彼の降板を受けてエドワード・ハードウィックが後を継いでいる。
ランキングの詳しい解説記事や回答者のコメントはミステリーチャンネルのホームページ(https://www.mystery.co.jp/column/2j9oa75qoalrd7ro.html)でご確認を!
ヴィクトリア時代の暮らしがリアルに表現され、ジェレミー演じるホームズの佇まいの忠実さや制作陣の原作への敬意と深い愛情が感じられる通称“グラナダ版ホームズ”こと『シャーロック・ホームズの冒険』は、ミステリーチャンネルにて現在放送中。今回のランキング上位20位のエピソードは3月20日(水・祝)に特別編成で放送される。(海外ドラマNAVI)
Photo:『シャーロック・ホームズの冒険』© ITV PLC