英人気ドラマ『SHERLOCK』の主演で知られるベネディクト・カンバーバッチが、チャリティ・イベント「Letters Live」（以下、レターズ・ライブ）で初めて手紙を朗読した時のことを振り返っている。
イギリスのチャリティ・イベント「Letters Live」とは
2013年に初めて開催された「レターズ・ライブ」は、出版社CanongateでCEOを務めるジェイミー・ビングが、ロンドンの廃教会ユニオン・チャペルで著名人を集め、観衆の前で手紙を朗読するチャリティ・イベントだ。
記念すべき第1回でベネディクトは、2014年公開の『イミテーション・ゲーム／エニグマと天才数学者の秘密』で演じた実在の天才数学者、アラン・チューリングの手紙を朗読。それは、チューリングが同性愛の裁判を待っていた人生のどん底期に書いた手紙であり、ベネディクトは、その朗読に「慎重になっていた」と、米Varietyに語った。
『イミテーション・ゲーム』の撮影を終えたばかりだったベネディクトは、チューリングに対して過保護な気持ちになっており、「自分が演じて成り切っていた範囲外で、彼を見せたくなかった」と述べ、手紙を声に出して読むことに気まずさも感じていたという。
最初は、「彼に成り切る必要があるのか？ それとも自分の声で読むべきなのだろうか？」と悩んだそうだが、最終的にチューリングの方言や声調で朗読し、彼の特徴に敬意を示すことにしたと明かしている。
そして朗読が終わる頃には、チューリングの手紙を読む気まずさから完全に開放されたとのこと。「すごく興奮しました。違う形でチューリングを称える、非常に美しくて深い方法でした」と回顧したベネディクトは、あまりに感動的な体験だったため、主催者のビングとともに共同プロデューサーとしてイベントに参加することになったという。
それ以来、毎年恒例のイベントとなった「レターズ・ライブ」は、モンブランがスポンサーを務める豪華な祭典に成長し、今年はロンドンのロイヤル・アルバート・ホールにて11月16日（木）に開催された。
イベントの様子は「レターズ・ライブ」の公式YouTube等で見ることができる。以下は、著名な劇作家で評論家のジョージ・バーナード・ショーが1905年7月にコヴェント・ガーデンのロイヤル・オペラ・ハウスで上演された『ドン・ジョヴァンニ』を観劇した後に「タイムズ」紙にあてた苦情の手紙を朗読する朗読するベネディクト。
ベネディクトのほか、『女王陛下のお気に入り』でアカデミー賞主演女優賞に輝いたオリヴィア・コールマン、『ハリー・ポッター』シリーズのハーマイオニー役で知られるエマ・ワトソン、『ファンタスティック・ビースト』シリーズの若きダンブルドア役のジュード・ロウ、『HEARTSTOPPER ハートストッパー』のスティーヴン・フライら錚々たるメンバーが参加した。
（海外ドラマNAVI）
Photo:Instagram@letterslive より
