減量し過ぎで止められていた!?『SHADOW/影武者』本編映像&メイキング独占解禁

9月6日(金)より公開されるチャン・イーモウ監督最新作『SHADOW/影武者』。それに先駆けて、「計画と実行の日」である9月5日(木)にピッタリの、主演ダン・チャオが一人二役で演じる、役作りの域を超越した本編とメイキングの映像が解禁となった。

時は戦国時代、沛(ペイ)国が領土を炎(イエン)国に奪われて20年。王は敵と休戦同盟を結び、平和だが屈辱的な日々に甘んじていた。その裏で領土奪還を願う男たちの燃え上がる闘志を束ねているのが、頭脳明晰で武芸の達人の重臣・都督(トトク)。都督は敵の将軍にして最強の戦士・楊蒼(ヤン・ツァン)に手合わせを申し込む。勝手な行動に王は憤激するが、実はその都督は影武者で、本物は自分の影に、自由と引き換えに敵地での大軍との戦いを命じていた。そして王もある作戦を秘めていた。果たして影武者を待つのは光か闇か、それとも...。

『HERO』(2002)、『LOVERS』(2004)のイーモウ監督と主要スタッフが再タッグを組み、「三国志」の〈荊州争奪戦〉をダイナミックにアレンジした本作。ダンが演じるのは、都督とその影武者だ。影武者はそもそも8歳の時に母親と生き別れになり、飢えて行き倒れていたところを都督の叔父に拾われ、密かに育てられた。物語の1年前、都督が刀傷から病になったことを隠すために、いよいよ影武者の登場となるのだが、境州の奪還計画を進める都督は影武者に「敵の将軍を殺せば自由の身だ」と約束する。そして、偽者と見破られないよう、都督は自身とまったく同じ傷を影武者に負わせる。今回解禁されたのは、この傷を負わせる一連のシーンだ。

「『影』だと見抜かれたら一大事だぞ。お前もわしも命はない」と警告し、「この一太刀、こらえるんだ」と自身の胸にある古傷と同じ傷を影武者の胸に刻む都督。影武者は声を上げずに堪えるものの、傷口をそっくりにさせる特殊な薬を塗られると、苦痛のあまり叫んでしまう。目的のために相手を傷つける都督と、それを受け入れる影武者の二人を演じたダンの演技は必見だ。同シーンについて、イーモウ監督は「これは我々にとって最初の見せ場だ。同じ画面に同一人物が二人。『影』とはこういう映画」と込められた真意を語る。

さらにこの本編の後には、ダン自身のインタビューも。「毎日のように『減量はもういい、もういい』と言われました。ものすごく危険なことですが、こういう芝居ができたことに大きな価値を感じます。これが役者の醍醐味です。演技のために努力を重ね、何度も試せる環境があるのは恵まれていると思います。あと半年とか一年あれば、もっともっとうまく演じられたと思います」と撮影を振り返る。一人二役を演じるだけでなく、周囲から心配されるほど減量にも熱心に取り組んだ彼の決意のほどが感じられるインタビューだ。

ダンは、「都督は影武者のことを愛していたと思います。まるで自分の作品を彫る彫刻家のように。都督にとって影武者は自分の肉体そのもの。だからその体を決して無駄に使いません。流す血だって最小限。この上ない貴重な素材を無駄なく使っているんです」と複雑な二人の関係を分析。さらに一人二役を演じることについて「僕は矛と盾を同時に演じているんです。外見もそうだし、内面もきちんと分けて二人を演じなければなりません」と説明する。続けて、「登場人物たちの生きる目的はそれぞれ違います。影武者は母親に再会するためだけに生きました。都督という一国の総大将に化け、何千何万の軍隊も率い、王とも戦ったのは、母親に会いたかったからです。一方の都督には自分に対する一定の基準があります。『都督(一国の総大将)』としての基準が。どれだけ肉体が弱っていても、彼には依然として気骨があります。多くの人を率い、敵国将軍との戦いも含めて沛国のために尽くしてきたので、皆から尊敬されています。そんな人物を演じるのだから、その基準に恥じないような演技をしないといけません」と並々ならぬ想いを語る。

イーモウ監督が構想から撮影開始までに3年半の歳月をかけ、「自分が本当に撮りたい物語と巡り合った」と語るように、母との再会を夢見て大軍が待つ敵地での無謀な任務遂行に挑む影武者の決死の覚悟を感じる行動や言葉一つひとつに、心揺さぶられること間違いなしの本作。ぜひ劇場でリアリティを追求した未体験の武侠アクションを体感してほしい。

『SHADOW/影武者』は9月6日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー。(海外ドラマNAVI)

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『SHADOW/影武者』
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