大阪にある人気映画テーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の本家、USHことユニバーサル・スタジオ・ハリウッドの隣に立地するユニバーサル・ピクチャーズ。
NBCユニバーサルのスクリーニングはここのスタジオで行われた。
ユニバーサル・スタジオのウッディー・ウッドペッカーがお迎え。
前述のとおり、ユニバーサル・ピクチャーズは自社が運営するテーマパークのユニバーサル・スタジオ・ハリウッドの隣に位置する。
ここが境目。
一番新しい、この夏のイチオシ・アトラクションの『トランスフォーマー・ザ・ライド』がすぐそこ。
親会社のユニバーサル・ピクチャーズ側からであれば、すぐに入ることが出来る。
ユニバーサル・スタジオ・ハリウッドを含めた敷地が広大なため、至る所に移動用のカートが停まっている。
『デスパレートな妻たち』用のスタジオを見つけた。
上映作品は1時間ドラマ3本。
『CHICAGO FIRE』
『INFAMOUS』
『DO NO HARM』
このうち、「二重人格ドラマ」ということで印象に残った『DO NO HARM』を取り上げたい。
古い英語である。現代口語では『DO NOT HARM』となる。真ん中、NOT ではなく、NOになっている部分が古い。
わざと古い言い回しにしたのは、今更な「二重人格」という設定を持って来た製作陣の照れ隠しであろうか。
ちなみにこの『DO NO HARM』とは、現代医学の父と呼ばれるヒポクラテスが、医者の心得を説いた『ヒポクラテスの誓い』で一番最初に語ったとされる(本当はそんなこと言ってないとか諸説あるが)、「患者を決して傷つけてはいけない」という大変有名なフレーズである。
一見しただけでは分からないが、『DO NO HARM』というタイトルには中々な意味が含まれているのである。日本で放映されることになれば、一体どういった邦題になるのか、楽しみのひとつである。
本作は、タイトルから察するとおり、医療系ドラマである。
若くて優秀な精神外科医であり、人間としても一目を置かれているジェイソン・コール(スティーヴン・パスクール『レスキュー・ミー NYの英雄達』ショーン役)には誰も知らない恐ろしい一面があった。
ある日、ジェイソンはホテルで目が覚める。傍らには何人もの半裸の綺麗な女性が寝ている。そしてその女性達をジェイソンは知らない。自分がどうしてホテルにいて、この女性達と何をしたのか、分からない。大体は予想は付くだろうが。ふと自分の腕に落書きがしてあることに気が付く。「ハッピーバースデー」と大書されていた。その瞬間、ジェイソンは全てを悟るのだ。
ジェイソンは解離性同一性障害を持つ、つまり二重人格なのである。
そしてそのもうひとつの人格、イアン・プライスは暴力的で支配的。
更に悪いことに自分の人格を5年間抑え付けられていたという恨みをジェイソンに持つ。
ジェイソンの今まで築き上げて来たキャリア、生活を全て台無しにしてやろうとするイアンの人格。
そういうことは勝手にしてくれれば良いが、このドラマの設定が怖いところが、ジェイソンは手術もすることがある医師ということである。
もし自分が何かで手術されることになって、執刀医が二重人格で、医師で無い方の人格が手術することになって、医者のキャリアを潰すために自分の命が利用されたら・・・
ともすれば、「二重人格いいじゃん」と取られかねないところを、まともな方の職業を外科医にすることで、上手く恐怖を煽れる設定にしたところがニクい。
これで視聴者は、その被害の恐怖を自分や家族に置き換えることが容易だし、イアンの人格にNOの立場を取ることが出来るのだ。
『DO NO HARM』1時間、楽しんで観ることが出来た。