先日、映画『ダーク・シャドウ』のPRで、ジョニー・デップと共に来日したティム・バートン監督。その際、「監督が日本のとあるヴァンパイアに注目しているそうだ」「どうやらその人が大好きらしい」「プライベートパーティーに招待したようだ」「秋田のヴァンパイアだって?」...などなど、気になる噂を耳にしたNAVI編集部。
噂の主はヴィジュアル系ロックバンド「D」のボーカル、ASAGIという方だとか。
そこで今回、特集『トゥルーブラッド』の企画として、「ティム・バートンが認めるヴァンパイアと話がしたい!」と考え、迷わず突撃してきました。(正しくはASAGIさんが編集部に足を運んでくださったのですが)その模様をお伝えします。
――そもそも、ティム・バートン監督とは、どのようなきっかけで知り合ったんですか?
去年、「D」でロンドン公演をした時、監督の友達がライブを観にきていたことがはじまりなんです。その方が僕らのことを気にいって、DのMusic Videoを監督に見せてくれたみたいで。そうしたら監督も凄く気にいってくれて...。監督が「今度、映画のPRで日本に行くんだけど、会えないか?」と誘ってくれて...先日初めて会ったんです!それまでは僕宛にサインやビデオレターなどは送ってくれたんですが、初めて会ったのは先日の『ダーク・シャドウ』のプレミアイベントなんですよ。
――すごいきっかけですね!監督はASAGIさんや「D」のことをどう語っているんですか?
監督は、他のバンドは似たり寄ったりに見えるけど、「D」だけは特別な存在だ、って言ってくれるんです。「アメイジングだ!」とか「個性が光っている!」とか。嬉しいですよね。バンドをやり続けてよかったなって本当に思います。
――実はASAGIさんの存在を教えてくれたのが「D」のファンの方なのです。その方いわく「ASAGIさんは秋田のヴァンパイア」だそうで。これって「自称」なんですか?
自称じゃないですよ(笑)自分で言ったことはないです。以前、ニコニコ動画の生中継に出演したことがあって、そのときに画面上に「秋田のヴァンパイア」って文字が流れてきて...その時に「僕ってそう呼ばれているんだ!」と初めて知ったんです(笑)。「秋田のヴァンパイア」と呼ばれ、監督からは「日本のヴァンパイアに会いたい!」って言われてて、先日会ったときに「スペース・ヴァンパイア!」って呼ばれて...秋田から日本、そして宇宙って、だんだん規模が大きくなってます(笑)
――そんな規模の大きい(!?)ヴァンパイア、ASAGIさんですが、そのヴァンパイアのコンセプトは「D」結成のときからなのでしょうか?
「D」を結成しようと思っていた頃に作ったのが、Vampireをテーマにした楽曲でした。ヴァンパイアの王が人間を愛してしまい、そして愛した相手を失ってしまい、絶望した王が自ら太陽に焼かれてしまう...というストーリーで。ヴァンパイアストーリーの楽曲はそこからどんどん広がっていったように思います。
――今回、取材のお願いをした際、ASAGIさんがすでに『トゥルーブラッド』をご覧になっていると聞いて思わず編集部が大騒ぎになったんですよ。「それは話が早い!」って(笑)
そうなんですか(笑)。『トゥルーブラッド』はシーズン1も2も観てましたよ!
――これまでに世に出たヴァンパイア作品もかなりご覧になっているんですか?
ほとんど観ていると思います。映画『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』、続編の『クイーン・オブ・ヴァンパイア』、『ブレイド』『ドラキュラ』『アンダーワールド』『トワイライト』...などなど他にもたくさん観てますね。
――ちなみに特に好きなヴァンパイアっていますか?
いちばんってすぐ決められないんだけど... バーナバス(『ダーク・シャドウ』)!この人を忘れたらいけませんね(笑)ジョニー・テップは大好きです。
あと、『クイーン・オブ・ヴァンパイア』のレスタト(スチュワート・タウンゼント)かな。彼、映画の中でバンドでヴォーカルをやってるんですよ。思わず見入っちゃいましたね。
――『トゥルーブラッド』に限らず、海外ドラマは普段からよくご覧になっているそうですが。
そうなんです。どちらかというとレンタル派ですね。休みの日に何本も借りて一気に見る派です。『トゥルーブラッド』も、今回シーズン3についての取材ときいて。事前に編集部から資料をいただいたんですが、続きが気になり、取材日まで我慢ができなくて...レンタルショップに駆け込んだら、ちょうど1本ずつ最後まで揃っていて、思わずガッツポーズしましたね(笑)。他の海外ドラマだと、『SUPERNATURAL スーパーナチュラル』は観ましたね!あと『LOST』『トゥルーコーリング』『ドールハウス』『メンタリスト』も。ハマりますよねー。
――ヴァンパイアものはもちろんですが、特殊な力を持つ人たちの話も好きなんですね。そうそう、『トゥルーブラッド』で特にお好きなキャラクターっていますか?
どれって言われると選べないですね。どの登場人物もキャラが際立ってるんで!今はエリックが好きなんです。というか、エリックを演じているアレキサンデル・スカルスガルドが好きなんです。彼は自分の誕生日にファンの方々からたくさんプレゼントをいただくそうですが、このことについて「自分へのプレゼントの代わりに慈善団体などに寄付してほしい」っておっしゃったそうで。その気持ちにすごい共感したんです。いい人だなって。僕のファンも、もし僕にプレゼントをくれようと思ってくれているなら、是非その分を寄付してくれたら嬉しいですね。手紙は勿論頂けるなら嬉しいですけど。
――他に男性キャラで気になる人は?
ビル(スティーブン・モイヤー)やエリックはもちろんなんですが、ジェイソン(ライアン・クワンテン)がおもしろくってね。でも、どのキャラも魅力的なので愛着がわきますね。シーズン3で登場したアルシード(ジョー・マンガニエロ)もまっすぐで誠実で...いかにもワーウルフですよね、男らしいところなんかも。
――『トゥルーブラッド』をご覧になって、印象に残っている場面ってありますか?
とにかく展開が速いのが印象に残りますね。シーズン3でいうならスーキーの謎が明かされていくところ。本当は○○の血が流れている...という話とか。あと、要所要所にユーモアが挟み込まれているじゃないですか。例えばスーキーがビルのマネをするところとか。ああいうのを観ると思わず笑っちゃいますね(笑)。
――『トゥルーブラッド』って男性より女性のほうがファンが多いそうなのですが、あえて男性目線でこの作品をオススメするならどうアピールしますか?
そうですねー。僕はやはりヴァンパイアという点、人間とヴァンパイアの愛という点で惹かれたんですが...物語全般にロマンティシズムを感じるので、男女問わず、愛を描いた作品にハマる系の人には是非オススメしたいですね。
――海外ドラマを観ることで、ご自身の楽曲作りに何かインスピレーションみたいなものを感じたりしますか?
楽曲はもちろん自身のオリジナルの世界ですが、海外ドラマを観ることで感性が刺激されて、想像の世界が広がることはありますね。
――「D」の中で同じく海外ドラマにハマっている方っていますか?
どうなんだろう?メンバーの中だと僕だけかな? 映画はみんな好きだと思いますよ。やはり僕が世界観を創り、歌詞を書いて歌うので、その分いろいろ観ては世界を広げるようにしていますね。
――もうすぐライブツアーだそうですが、ツアー中も海外ドラマをご覧になるんでしょうか?
逆に、ツアーが始まってしまうと観れなくなるんです。ライブに集中しているので。だからツアーが終わってお休みに入ると一気に観ちゃいますね。
――ツアー中だと2時間以上動きっぱなしですし疲れますよね?
大体2時間半はやりますね。衣装も重たいし暑いし。元バスケ部ですが身体は鍛えないと持たないですよ(笑)
――そんな今回のツアーでお披露目となるミニアルバム 「名もなき森の夢語り」ですが、ASAGIさん的聴きどころは?
今回のアルバムは森をコンセプトにしているんです。森そのものだったり、様々な物語の背景に森があったりして。その中でも「Canis lupus」という曲ですがこれはワーウルフの長が主人公になっていて、王の息子がワーウルフ族に育てられるという...以前出したフルアルバム、「VAMPIRE SAGA」の外伝のようになっているんです。ここは是非聴いてほしいですね。
――最後に、ティム・バートン監督の作品に出演したり、そういう話はないんですか?
「ロンドンに遊びにおいで」とは言われています。でも作品に出るのは...恐れ多いですよね。
――ならば、監督が新作の撮影をしている頃にロンドンに遊びに行って...
ああそうか(笑)。「遊びにきたよー」ってそのままどさくさで映画に出演しちゃったりして!(笑)。
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写真の通りのビジュアルなので、どこから話を始めたらよいのか、一瞬ひるみましたが、いざ話しだすとかなり気さくなASAGIさん。現在ライブツアー中なので海外ドラマ観賞はしばらくお休み、といったところですが、ツアー後に観たい作品は?と聴くと「『ヴァンパイア・ダイアリーズ』はチェックしています」ということでした!
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