9月19日(木)からNHK BSプレミアムで放送スタートとなる『ワンス・アポン・ア・タイム』。本作を一足お先に視聴したNAVIの名物ライターの皆さんから、こんな感想が寄せられました。ドラマを見る前に読むもよし、観てから改めて読むもよし。自分と近い感想を探すもよし・・・。ぜひお楽しみください!
平口雅世
★絶妙アイデアで童話世界と現代がコネクトするファンタジックミステリー
「グリム童話集」初版発行から200年の2012年前後、相次いで制作されたファンタジー物。そのひとつが満を持して日本上陸!幻想世界が十八番の親会社を持つABCが日曜夜枠で放送し、早々とスピンオフにもGOを出したファンタジードラマ。面白くないワケがない。
(それなりに)人生経験を積み、(ある程度)酸いも甘いもかみ分けたオトナだからこそジワジワくるポイントが満載。子供の頃に読んでもらった絵本や、物心ついて読んだ和訳本――。今ではぼんやりと覚えているだけのおとぎ話が、改めて深い意味を持ってくる。うっすらナゾだった童話のディテールや登場人物の行動の意味まで判明(?)することも。確かに後付け的なモノもあるし、そもそもグリム兄弟やアンデルセンらがどこまで想定していたかはわからないが、彼らが観たら「その手があったか!」と歯ぎしりしたかもしれない。
また、あちこちにヒントが散りばめられているから「このキャラ、あの物語のアイツなのでは!?」的な予想も楽しめる。しかもそれが当たった時の嬉しさ♪それに、オープニングタイトルの背景が毎回違うのも必見。その後に続く本編の内容を想像しつつチェックしてほしい。
オー・ソレミヨ
★魅惑のパラレルワールドとロバート・カーライル
ドラマ『ワンス・アポン・ア・タイム』が面白いのは、誰もが知るおとぎ話『白雪姫』のハッピーエンドに不穏な空気が流れるところから始まる続編を描いているだけではなく、そのおとぎ話のキャラたちが別の人格として生きる現代の世界を並行して描いている点です。そのパラレルワールドが切り替わるタイミングや時間配分のバランスが絶妙で、それぞれ先の読めない物語が相乗効果となり、続きがみたくてたまらなくなるのです。白雪姫にとどまらず、ピノキオや赤ずきん、眠りの森の美女など、他のおとぎ話のキャラたちが加わっていくのも楽しい。そして、両方の物語の鍵を握るキャラを名優ロバート・カーライルが怪演していることも、このドラマのスリル感を増幅。なんでもクリエイターは、カーライルを想定してこの役を描いたのだとか。不気味キャラにハマっている彼の演技をみるのがまたギルティープレジャーなのです。
パエリア・サングリア
★スリリングな大人のおとぎ話が、視る者をハッピーエンドへと誘う
白雪姫やプリンス・チャーミング(日本でいうところの白馬の王子様)ら、おとぎの国の住人たちが、魔女の呪いで記憶を奪われ、ハッピーエンドが失われた世界に閉じ込められてしまう。その失われた世界がこの現実世界であるという設定も皮肉がきいていて面白いが、さらに痛快なのはこのドラマの脚本・演出。『LOST』『フェリシティの青春』などの傑作ドラマを手がけた脚本家たちが練り上げた物語は、謎が謎を呼ぶミステリーの中にめくるめく冒険活劇を盛り込んだ、まさに 『LOST』in おとぎの国。 ファンタジー好きならピノキオや赤ずきん、フック船長らの活躍に大興奮だろうし、そうでない人は 『LOST』ばりのスリリングな展開に胸が踊るだろう。愛・嫉妬・欲望という誰もが共感できる素材を、ファンタジーという名のクレープでくるみ、サスペンスのスパイスをぴりりと効かせた、大人のための「おとぎ話」。あなたも、彼らと一緒にハッピーエンドを探してみませんか?
びねくにこ
★おとぎ話も現実も、ハッピーエンドは必ず訪れると信じたい!
おとぎの国の登場人物が勢揃いの『ワンス・アポン・ア・タイム』。エマとヘンリーの親子コンビが、魔女の呪いで現代にやってきたキャラクターたちをハッピーエンドへと導こうと奮闘するメインストーリーと、新バージョンのおとぎ話で綴られるサイドストーリーが同時に楽しめる作品です。誰もが夢見るハッピーエンド。従来のおとぎ話同様、この作品の根底にある「幸せへの希望」は、観ている人にも夢や目標を持ち続けることの大切さを教えてくれます。
そして、登場人物のファッションにも注目!童話のキャラクターは、現代にいてもちゃんとおとぎ話の要素を取り入れた装いを楽しんでいます。白雪姫はやりすぎないロマンチックガーリー、魔女は黒のスーツに真っ赤な口紅、おてんば赤ずきんはやんちゃロックなファッションなど。好きなキャラの現代風ファッションを参考にオシャレするのもアリ!
尾崎英二郎
★あの名作童話の主人公たちが現代に生きている!! 『LOST』の遺伝子を受け継ぐ、珠玉のファンタジー・ドラマ
「よくこんなドラマを思いつくものだ!」
白雪姫、魔女、ピノキオ、フック船長、ジーニー、
もしも、あの姫や悪漢が現代に住んでいたら!?
おとぎ話の時代の記憶を忘れて...。
驚きの設定で大人の視聴者を釘付けにするのは、
A・ホロウィッツとE・キッツィス。彼らは『フェリシティの青春』『LOST』の脚本家時代から、本作の企画を温めていた。
J.J.エイブラムズの影響を受けた申し子のクリエーターたちだと言っていい。
これまで語られなかった可憐な主人公や邪悪な敵役たちの裏に隠された秘密を、『LOST』ばりの回想シーンと現代とを交錯させ、スリルたっぷりに描く。
画期的なのは、ディズニー傘下のテレビ局であるABCが、イメージ管理に厳しいディズニーの世界でも人気の高い純真な寓話の人物たちにも、大胆な解釈の描写を許していること。
クリエーターたちの溢れる創造力に、心を奪われてしまう作品だ。
編集部ミーハー
★"昔むかし"から、女子の強さとたくましさが運命を切りひらくんです!!
おとぎ話の世界と現代が交互に描かれる、奇想天外な物語。よーく見ると、登場する女子たちはあの子もこの子もなにげに強い!負けない!へこたれない! 頼もしい王子さまや怪しいルンペルシュティルツキンらが、ときに彼女たちを助け、もしくはヒントをくれるんですが、実際にこぶし握り締めて運命に立ち向かうのはいつも女子。そんな世の真理(!)を感じさせてくれる本作。幸せになりたい!と思う女子は、ぜひ『ワンス~』で生きる力を体感してください。そして男子諸君! 一見たくましい女子たちも心の奥では「素敵な男性に守ってもらいたい」って(たぶん)思っているので、ビビらずに一緒に『ワンス』を観てください。女子の心のつかみ方がわかるかもしれませんよ!
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『ワンス・アポン・ア・タイム』 NHK BSプレミアム
2013年9月19日(木)23:15からスタート!
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Photo:(c)ABC Studios