キックスターターで製作資金を調達した初のメジャー映画として注目を集めていた『ヴェロニカ・マーズ』が、3月13日にアメリカで公開された。劇場公開とVOD(ビデオ・オン・デマンド)を同時に踏み切るという異例の公開となったため、上映映画館は限られていた。しかし、それにも関わらず、公開週には興行収入トップ10にランクインし順調な滑り出しを見せた。そこで気になるのが、続編の可能性だ。
脚本・監督のロブ・トーマスは、米EWに彼が最終的に目指すのは、あくまでもファンを喜ばせることだと語りながらも、「『ヴェロニカ・マーズ』が映画館で興行収入をあげて、さらに公開週に1千億万ものコピーが売れてほしいか?」とトーマスは自分に問いかける。そして「もちろんだとも。それに興行的にある程度の成功をおさめれば、ワーナーと続編の話をするのもラクになる。当然だ」と心境を語った。
ヒットさせなければ次はない...というのは映画の宿命だ。しかし元々、『ヴェロニカ・マーズ』は広く万人ウケするドラマといよりも、熱狂的なファンに支えられたシリーズだった。米CWで放送していた時も、他のドラマに比べて数字は芳しくなかったが(そのため打ち切りとなってしまった)、一途なファンがついていた。だからこそ、シリーズ終了から7年近くたっても続編が実現した。単純に数字だけでは測れないパワーがある。
本シリーズのファンにより映画化が実現した本作。ファンが出資者のため、トーマスを始め、出演者たちは「ファンのために」を合い言葉にして、ヴェロニカ・ワールドを再構築したという。そのためオリジナル・シリーズから応援してくれるファンの期待に応える演出もしっかり詰め込まれているようだ。本作はいわば、オリジナル・シリーズがクリフハンガーで終了したため、続きが気になるファンで盛り上がった復帰作だ。だからこそ、興行収入以上にファンの「もっと観たい!」という希望が続編へとつながるカギになるのではないだろうか。
トーマスは、英Radio Times.comのインタビューで「映画が成功すれば、主演のクリスティン・ベルがやりたいと言うかぎり、僕はこの作品を作り続けたい。続編を作りたいとは思ってるよ」とトーマスは前向きに語っている。(海外ドラマNAVI)
Photo:『ヴェロニカ・マーズ [ザ・ムービー] 』ブルーレイ&DVDセット
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