イギリスのコメディ番組などで知られる英コメディアンのサイモン・ブロドキンが、汚職問題の渦中に揺れるゼップ・ブラッター会長を皮肉るため、スイスのチューリッヒで行われた国際サッカー連盟(FIFA)の記者会見に乱入し、米ドルを模した大量の偽札を投げつける騒動を起こした。英Mail Onlineほかが報じている。
スタンダップ・コメディアンでもあるサイモンは、グレーのスーツ姿にメディアパスをつけて、ブラッター会長のいる壇上へ。胸には、北朝鮮のエンブレム。会長のもとへ歩み寄ると、「2026年の北朝鮮分です」と大量の札束を目の前へ置いた。
どうやらサイモンは北朝鮮の特使というキャラで、お金を積みますから2026年のワールドカップ開催は北朝鮮でよろしくお願いしますと直談判をした...という設定だったようだ。
すぐにセキュリティが駆けつけ、サイモンは退出をさせられたのだが、去り際にもう一方の手に持っていた札束を会長へと投げつけた。その結果、「札束が降り注ぐなか動揺した表情のブラッター会長」というセンセーショナルな瞬間がキャッチされ、さらに強烈なインパクトを残している。
なおも手加減(?)しないサイモンは、一連の出来事をツイッターでも発信。「FIFAでゼップ・ブラッターと会い、2026年のワールドカップを北朝鮮で開催するよう確約してもらって興奮しているよ」とつぶやいている。
サイモンはこれまでにも、サッカーイングランド代表チームに紛れて、飛行機に一緒に乗り込もうとしたり、音楽オーディション番組『X ファクター』のライブや、音楽フェスのグラストンベリー・フェスティバルでラップ歌手のカニエ・ウェストのステージに乱入したりと、セキュリティにつまみ出された数多くの"前科"を持つ。
今回の騒動では、汚職疑惑がありながら現職に居座る会長への痛烈な皮肉だったようだが、これが影響したのか元々の予定だったのか、直後の会見でブラッター会長は、来年2月の会長選挙には立候補しないと明言している。英コメディアンの乱入劇、恐るべし。(海外ドラマNAVI)
Photo:札束が降り注ぐなか動揺した表情のブラッター会長
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