「アメリカの歴史を知ることができる」映画監督の井筒和幸氏、『ROOTS/ルーツ』への思いを語る

黒人奴隷の歴史を描き、ピューリッツァー賞を受賞したアレックス・ヘイリーの自伝的長編小説が1977年にドラマ化され、日本でも圧倒的な視聴者数を獲得した伝説のドラマ『ROOTS/ルーツ』。そのリメイク版として、40年の時を経て新たな視点で描かれた本作が世界から今再び注目を集めている。日本でもいよいよ8月22日(月)23:00より、ヒストリーチャンネルにて4話連続で日本独占初放送が始まるが、それを記念して、8月15日に都内で第1話プレミア試写会が開催され、映画監督の井筒和幸氏が登壇、当時の『ROOTS/ルーツ』放送時の記憶と共に、本作についての魅力を語った。

「僕はオリジナル版が放送された頃は22、3歳で、ピンク映画を作っていた。この業界に入りたてで、奴隷のように働いていたんですよ。何とか一般の映画の方に早く飛び出したいと思っていた時期でした。普通じゃなくて、特別な人間になっていきたいと思って必死に働いていましたね」と、当時の自身の人生背景を語った井筒監督。また、作り手側の視点からも、今回の新『ROOTS/ルーツ』については、「なかなかいい顔の俳優をキャスティングしたなと。本作はもうテレビドラマの領域ではない。1話にかける制作費も相当なバジェットでしょう。壮大なシリーズですよ」と熱く語った。

さらに、「今回の第1話は、奴隷貿易がどういうことになっていたのか、そういうことが非常に克明に描かれています。世界中の若い世代の子どもにもちゃんとわかるようにね。同じ黒人種でも部族間での対立関係などは、旧バージョンでは触れていなかった。今回は、武器を得るために白人に媚びる部族、そしてマンディンカ族のように自由のために戦う部族がいて、とにかく凄まじい。そしてアメリカという国を知るにはとてもいい作品だと思う」と絶賛した。

新『ROOTS/ルーツ』は、今年5月アメリカでの放送を終え、ミニシリーズ部門では全米過去3年間で第1位の視聴率を獲得。先日発表された第68回エミー賞・リミテッドシリーズ/テレビムービー部門にもノミネートされている。キャスト陣も豪華な映画・海外ドラマのスターが名を連ねており、ジョナサン・リース・マイヤーズ、フォレスト・ウィテカー、アンナ・パキン、マシュー・グード、ローレンス・フィッシュバーンらが出演する。

新『ROOTS/ルーツ』は、スカパー!をはじめ、ヒストリーチャンネルにて、8月22日(月)~25日(木)23:00より4夜連続放送となる。(海外ドラマNAVI)

Photo:井筒和幸氏
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