ニューヨークのタイムズ・スクエアに置かれた、持ち主不明の巨大なボストンバッグ。「FBIを呼べ」という不穏なタグの付けられたそのバッグから出てきたのは、全身をタトゥーで覆われた全裸の女性だった...。衝撃的なオープニングで幕を開ける『ブラインドスポット』は、全米視聴率ナンバー1を記録したサスペンス・アクション超大作だ。
発見された女性は薬物を投与された影響で記憶を失っており、身元不明の女性を意味する"ジェーン・ドウ"と呼ばれることに。彼女の背中に名前のあったことで呼ばれたFBI捜査官カート・ウェラーは、女性が何者なのか、自分とどんな関わりがあるのか、体中のタトゥーが意味するものは何なのかを、仲間とともに調べていくが、そこには巨大な陰謀が隠されていた...。
「盲点」「死角」を意味する『ブラインドスポット』には見逃せないポイントがいくつも存在する。それを一つずつ紐解いていこう。
【1】製作総指揮は天才グレッグ・バーランティ!
製作総指揮を手掛けたのは、現在大ヒット中のDCドラマ(『ARROW / アロー』『THE FLASH / フラッシュ』『SUPERGIRL / スーパーガール』『レジェンド・オブ・トゥモロー』)をはじめ、『ドーソンズ・クリーク』『ブラザーズ&シスターズ』『ポリティカル・アニマルズ』『リバーデイル』『エバーウッド 遥かなるコロラド』など数々のドラマを手掛けてきたグレッグ・バーランティ。扱う作品が軒並みファン、批評家、同業者から高く評価されており、エミー賞や監督協会賞のノミネート歴を誇る、"次代のJ・J・エイブラムス"と目される存在だ。
そんな天才クリエイターによるヴィジョンを見事に映像化させたのは、約70億円という巨額の製作費。これが全米NBCネットワークのドラマ部門史上最高額という事実からも、同局の期待の高さと、クオリティの確かさは見て取れるだろう。NBCネットワークといえば、アクション満載の『ブラックリスト』や『シカゴ・ファイア』、特殊効果を多用した『GRIMM / グリム』や『タイムレス』なども手掛けているが、本作の毎回全く異なる事件を追うというバリエーションの豊かさ、作り込みの細かさは特筆ものだ。大都市ニューヨークというロケーションがもたらす効果も大きい。
【2】観やすい一話完結&シリーズ通しての大きな謎と、二度美味しい!
ウェラー率いる捜査チームは毎回、ジェーンの数あるタトゥーの一つを紐解き、そこに秘められた手がかりから、FBIがそれまで把握していなかった犯罪行為を暴いていく。タトゥーが実に様々な犯罪を取り扱っているため、メンバーは各エピソードでバイオテロ、ドローン攻撃、ネット犯罪、人身売買、二重スパイ、冤罪といった全く異なるケースを追うことに。そんな一話完結の観やすさと多様な事件がもたらす新鮮さもポイントの一つ。さらにはジェーンの正体と、彼女の背後に垣間見える巨大組織の存在という、話数を追うごとに徐々に明らかになっていく大きな謎も用意されており、観進めていく楽しさも十分だ。
なお、毎回新たな知られざる犯罪者を追う、謎の人間とFBI捜査官という構図は、前述した『ブラックリスト』を彷彿とさせるものがある。ウェラーを指定したのが(記憶を失う前の)ジェーンだというのも共通点だ。そしてレッドとリズのように、ジェーンとウェラーも一筋縄ではいかない関係にあり、その行方からも目が離せない。
【3】ジェーン・ドウ=女性版ジェイソン・ボーン!
記憶を失った正体不明の凄腕エージェントという主人公は、大ヒット映画シリーズで知られるジェイソン・ボーンと重なるキャラクター像だ。自分が一体何者なのかは分からなくても、様々な国の言語を操り、接近戦に優れ、銃の狙いは正確、電子機械の扱いにも長けるという特殊能力は身に染みついており、そんな自分に戸惑いを覚えつつも、巨大な組織が相手でも果敢に過去を探っていく。現代の求める強烈なヒーロー像が女性であるというのは本作の斬新なポイントだ。
また、ストーリーが進んでいくと、ジェーンの記憶を消したのはなんとジェーン本人だったということが明かされる。同じく全身にタトゥーが刻まれた、10分ごとに記憶が消えてしまう男を主人公にした映画『メメント』のように、謎の答えと思われたものが新たな謎を呼ぶミステリーの連鎖も見ごたえがある。
ジェーンを演じるのは、『マイティ・ソー』シリーズで女神のシフ、『カイルXY』では超人のジェシーを演じていたジェイミー・アレクサンダー。すでに人間を超えた存在を何度も演じてきた彼女は、175cmの長身と、スラリとしながらも鍛え上げられた肉体、その印象的な瞳で、今回も常人ではないキャラクターに説得力を与えている。
【4】事件だけでなく、イケメンも多種多様!
チームが扱う事件同様、イケメンが種類に富んでいるのもドラマファンにはたまらない! 頼れるチームリーダーで男も惚れるタフガイのウェラー、その右腕でいつもスーツを着こなしクールなリード、セラピストで人当たりの優しいボーデン、分析官パターソンの恋人で謎解きが得意な知性派デヴィッド、記憶を失う前のジェーンとただならぬ関係にあったらしい謎多き男オスカーなど、十人十色。彼らが仕事に励む姿も惚れ惚れとするが、その恋愛模様も描かれるのでお楽しみに!
【5】家族ドラマ、ラブストーリー、友情の要素も!
主な要素はサスペンスとアクションだが、ウェラーと妹、父親による家族ドラマや、ウェラーやジェーンのラブストーリー、チーム内の友情といったストーリーもしっかりと描かれている。これらが「取って付けた感」になっていないのは、各キャラクターが丁寧に作り込まれているから。例えば、正体不明のジェーンが捜査チームに加わることでメンバーが受ける印象一つを取っても、それぞれのリアクションは千差万別で、かつ現実味がある。そのリアルな人間描写は観る者の共感を呼ぶに違いない。
まるでジェーンのタトゥーのように奥深く、次々と浮かび上がる謎に惹きつけられてしまう『ブラインドスポット』。敏腕プロデューサーが新たに放つ、危険でミステリアスな世界をぜひ味わってほしい。
■『ブラインドスポット<ファースト・シーズン>』商品情報
4月26日(水)ブルーレイ&DVD発売/デジタルセル・レンタル配信開始
コンプリート・ボックス:ブルーレイ...16,200円+税、DVD...14,300円+税
4月26日(水)DVD Vol.1~12 レンタル開始
発売・販売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
公式サイトはこちら
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『ブラインドスポット<ファースト・シーズン>』
© 2017 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
グレッグ・バーランティ
(C)Kazuki Hirata/HollywoodNewsWire.net