6月28日(水)より全世界同時配信されるNetflixオリジナル映画『オクジャ/okja』。第70回カンヌ国際映画祭長編コンペティション部門へノミネートされたことでも注目を集めた本作の配信に先駆け、ポン・ジュノ監督(『スノーピアサー』)とミジャ役のアン・ソヒョン(『その怪物』)が来日し、記者会見が行われた。
今作は、多国籍企業に追われる"オクジャ"という謎の巨大生物を、一人の少女が危険を冒しながらも守り抜く姿を描いた心揺さぶる壮大な物語。「私にとって、はじめてのラブストーリーです。かわいらしい少女と従順で大きな動物の愛の物語を作りたいと思いました。でも、彼らの愛を妨げる怖い世の中も登場します」と、本作について愛情いっぱいに語ったポン監督。
2100人以上の候補の中から選ばれた韓国の天才子役として知られるアンは、監督との初めての仕事について、「撮影中に感じたのですが、これほど俳優のことを気遣ってくれる監督はいないと思いました。これから色々な方とご一緒することになると思いますが、監督のような人はいないと思います」と俳優が演じやすいよう、リラックスした雰囲気を作るよう監督が工夫してくれていたことを明かした。また、印象に残っているシーンを聞かれ、「オクジャとミジャが渓谷で魚を食べるシーンで、オクジャが水に落ちるのですが、波の波動を作るために水鉄砲を使って撮影しました。普通の水鉄砲ですが、20回以上も撮影をしたので、どんな魚も死んでしまうなと思って」と答えると、すかさず監督が日本語で「本当にすみません。監督は悪魔です」と冗談交じりにコメント。
先月もNetflixオリジナル映画『ウォー・マシーン:戦争は話術だ!』のプロモーションでブラッド・ピットが来日していたが、世界的なクリエイターがNetflixで作品を製作することについて、「大きな予算が与えられるのにも関わらず、Netflixからは100パーセント創作の自由が与えられ、クリエイティブをコントロールできる環境があります。既存のスタジオではなかなか出来ないことであり、比較するのもおこがましいですが、スコセッシといった巨匠と呼ばれる方々も創作に対する渇望や、干渉されたくないという思いがあるからこそ、Netflixに魅力を感じるのではないでしょうか。監督にとって創作の自由と同じく、劇場のスクリーンで上映されることも等しく重要で、Netflixは劇場上映にも柔軟な対応をとってくれます。『オクジャ』は韓国では100館近く、アメリカやイギリスでは数は多くないものの劇場公開も同時に行われます。監督の立場からすると、スクリーンでの上映という渇望を解消されるので、多くの監督がこの方式に関心を持っていると思います」と、Netflixで作るメリットを明かしてくれた。
Netflixオリジナル映画『オクジャ/okja』は6月28日(水)より全世界同時オンラインストリーミング。(海外ドラマNAVI)
Photo:『オクジャ/okja』来日記者会見に登壇したポン・ジュノ監督とアン・ソヒョン