一足先に全米で公開され、映画史上歴代5番目の超特大ヒットスタートでオープニング週末を切り、『スター・ウォーズ』シリーズ全作品を凌ぐ数字で、見事全米興収ランキングV5を達成したマーベル・スタジオ最新作 『ブラックパンサー』。世界中で人気を誇るこの作品で、特にファンを虜にしたキャラクターがヴィランのエリック・キルモンガーだ。
キルモンガーは元アメリカの秘密工作員で、ワカンダの秘密を知る謎の男。この国の王となり、ヴィブラニウムのとてつもないパワーを手に入れることができれば、世界を力で支配できると考え、ワカンダへの潜入を企てるキャラクターだ。
この設定だけを見ると、よくあるヴィランのようにも感じるかもしれないが、ストーリーの中でも最も重要といってもいいキーマンなのだ。キルモンガーのキャラクター性には、いまだに世界中で報道される人種差別問題の影響が少なくない。カリフォルニア州オークランドで生まれたという黒人の彼も、それに苦しんできたキャラクターなのだ。そして、彼の周りにいる黒人の友だちも例外ではない。
そんなキルモンガーが知っているのは、アフリカにあるというワカンダという国の存在。他国には一切素性を明かすことなく、ワカンダにだけあるといわれるヴィブラニウムという特殊な力を持った希少鉱物を使って、独自の発展を遂げており、他国を寄せ付けないほど突出した技術を誇っている。
アメリカで苦しい生活を強いられている黒人たちがいる一方で、独自に発展を遂げ未来的ともいえる生活を送るワカンダの国民たち。その両者の間にある溝こそ本作のテーマともいえよう。そのストーリーテラーのような存在がキルモンガーなのだ。
このキルモンガーを演じたマイケル・B・ジョーダン(『クリード チャンプを継ぐ男』)は、「キルモンガーの強さは、彼が物事を深く考える人だという点だ。計算し、自分の全ての動きを確認するんだ。彼はそれらをすでにやっているんだ。自分が望む場所に相手を導く。彼は相手に、自分が決断を下していると思わせるけど、相手はキルモンガーがやって欲しいことをしているんだ」とこのキャラクターについて語っている。
しかし、キルモンガーはそのキャラクター性だけが魅力ではない。おしゃれな着こなしや、クールなコスチューム、そして端正な表情にも人気が集まっており、SNSではキルモンガーの絵を投稿するユーザーが続出。さらに、「キルモンガーに一目惚れしました」など、キルモンガーに魅了されるユーザーが続出しているようだ。
そんなヴィランも見ものな『ブラックパンサー』は大ヒット公開中。(海外ドラマNAVI)
Photo:『ブラックパンサー』
©Marvel Studios 2017