『ブレイキング・バッド』のウォルター・ホワイト役で4度エミー賞を受賞し、2015年の映画『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』ではアカデミー賞主演男優賞にノミネートされるなど、演技力には定評のあるブライアン・クランストン。そんな彼が企画・製作したコメディドラマ『The Dangerous Book for Boys(原題)』が米Amazonにて3月30日より配信されているが、当初予定されていた米NBCでの放送からAmazonでの配信に変わった経緯などを赤裸々に語っている。米Deadlineが報じた。
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同作は、イギリス出身の兄弟作家コン&ハル・イグルデンによる同名のノンフィクションのハウツー本にアイデアを得たもの。ドラマ版は、父を亡くした少年ワイアット(『アメリカン・ゴシック ~偽りの一族~』のガブリエル・ベイトマン)とその兄弟たちが、父親パトリック(『シリコンバレー』のクリス・ディアマントポロス)の残した本を発見し、その本を通じて父との繋がりや生き方を学んでいくというストーリーになっている。ブライアンは、この本に惚れ込んだ理由や作品への思いを以下のように語った。
「世の中に希望を与えたかったんだよ。苦労しながらも芯はしっかりしていて、問題を解決しようと家族で頑張る姿を描いてね。イグルデン兄弟は、自分たちの子どもが携帯などのデバイスに夢中で、人生の大切なことを見落としていると思ってこの作品を書いたんだ。携帯で人生経験はできないからね。顔を上げて実際に経験する、それが、彼らがこの本で伝えたかったことなんだ。そしてこれはシリアスなドラマではなく、コメディにするべきだと僕は思った。昔ながらのコメディではないけど、家族の冒険を描いて、笑ったり泣いたり、感動する作品にね。観た人に何かを感じ取ってもらいたい。それが我々製作側のゴールなんだ。実はもともとNBCがこの作品を放送する予定だったんだけど、彼らが「父親は死んでないといけないか?」という質問をしてきたんだよ。父親が死んでいる設定では視聴者から受け入れてもらえないのではないか、ってね。僕はその瞬間、これはネットワーク局では無理だなと思った。世の中には、死別や離婚で父親が居ない、母親が居ない、または祖父母や親戚に育てられているという子どもがたくさんいる。それが普通だし、世の中の当たり前の姿であることを映したい。そういうリアリティのある作品に視聴者は惹かれるはずだ、と言ったんだよ。そんなことがあって、結局Amazonで配信されることになったというわけなんだ」
ブライアンの熱い思いが詰まった『The Dangerous Book for Boys』は米Amazonにて配信中。また、彼が製作・出演のPrime Original(プライム・オリジナル)『フィリップ・K・ディックのエレクトリック・ドリームズ』はAmazonプライム・ビデオにて配信中。(海外ドラマNAVI)
Photo:ブライアン・クランストン
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