米SyfyのSFドラマ『エクスパンス -巨獣めざめる-』がシーズン3をもって打ち切りになることが決まってから、わずか2週間ほどで米Amazonに救済され、シーズン4の制作が決まったことは、すでにお伝えした通り。迅速な救済劇はいかにして実現したのか? 米Amazon Studiosの代表であるジェニファー・ソークの談話を、米Deadlineが伝えている。
打ち切りが決まった5月半ば、ファンはさっそく救済嘆願運動を立ち上げた。オンラインでの嘆願に加えて、「#SAVE THE EXPANSE(エクスパンスを救え)」というバナーを引いた軽飛行機が、救済主として有力視されるAmazonの社屋周辺を飛び回るようになったことも話題に。ソークはこの時のことを、「飛行機が辺りを飛び回り、私のもとにケーキが配達されたりと、いろんなことが起きていました」と振り返っている。
番組救済に向けた動きはそれだけにとどまらなかったようで、「私がその意見に価値をおいている頭脳明晰な人たちが、"『エクスパンス』を見た? 素晴らしい番組だよ"と連絡してくるようになりました。それで私も見てみたんですが、たしかにとてもよくできている。どうして誰も見ていないんだろうと不思議でした」とソークは語る。
そして、ちょうど同じ頃、Amazonの創業者でCEOのジェフ・ベゾスも、『ゲーム・オブ・スローンズ』の原作者ジョージ・R・R・マーティンや、巨大掲示板サイトCraigslistの創業者クレイグ・ニューマークといった人物からのメールを受け取り、『エクスパンス』を救済すべきだと進言されていたという。
そこでソークが調べたところ、アメリカ国内の権利関係はクリアするのがかなり容易であることが分かった。契約が確定したところで、ロサンゼルスにて開催された国際宇宙開発会議に参加していたベゾスは、『エクスパンス』の継続を直ちにステージで発表。会場には『エクスパンス』の制作陣や出演者たちも同席しており、彼らを祝福する大歓声が沸き起こった。
軽飛行機を飛ばすほどのファンの熱意に加え、ジョージ・R・R・マーティンといった著名な人物のアドバイスも、Amazonによる救済を後押ししていたようだ。
『エクスパンス -巨獣めざめる-』は、ジェイムズ・S・A・コーリイのベストセラーSF小説「巨獣めざめる」をドラマ化したシリーズで、小惑星帯に人類が進出した200年後の未来を舞台にしている。日本ではNetflixにてシーズン1~2が配信中。(海外ドラマNAVI)
Photo:『エクスパンス -巨獣めざめる-』
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