1970年代以降の米国を舞台に、FBI行動科学課に勤務する特別捜査官が犯罪心理を分析していくNetflixオリジナルドラマ『マインドハンター』。8月中旬より配信中のシーズン2に、オーストラリア出身の俳優デイモン・ヘリマンが、1960年代後半に無差別殺人事件を引き起こしたカルト指導者のチャールズ・マンソン役で出演している。デイモンはさらに、現在日本でも公開中のクエンティン・タランティーノ監督作でレオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットの初共演も話題を呼んでいる『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(以下『ワンス』)でも、同じくチャールズ・マンソン役で出演している。二つの作品で同一人物を演じるデイモンが、その裏事情を語った。米Entertainment Weeklyが報じている。
Manson speaks: Mindhunter actor on playing the cult leader again in Once Upon a Time in Hollywood https://t.co/Z1ZetWoNwN
-- Entertainment Weekly (@EW) August 19, 2019
デイモンがマンソンとして出演することが先に決まったのは、2018年に製作総指揮を務めるデヴィッド・フィンチャーによって抜擢された『マインドハンター』で、その数カ月後に『ワンス』で同役を演じることになったそうだ。今回のことを受けて、デイモンは以下のように話している。「文句なんてないよ。だって、業界を代表する巨匠二人と仕事ができたんだから。戸惑うよりも幸せに思う気持ちの方が強いね」
さらに、どのような過程で両作への出演が決まったのかも明かした。「『マインドハンター』が『ワンス』より半年くらい先だった。『マインドハンター』では2017年の10月から2018年1月にかけて3度オーディションを受けたよ。マンソンは実在した有名な人物だから、製作側もキャスティングには慎重だったはずだ。もちろん重要な役どころだしね。普通ならドラマの1話にしか登場しないような役は1、2回のオーディションで決まるものだけど、マンソン役だからこそ3回あったんだと思う」
『ワンス』出演の裏にはコネがあったようだ。「『ワンス』に関わっていた友人が二人いたんだ。サム・ワナメイカー役のニコラス・ハモンドと、ジェームズ・ステイシー役のティモシー・オリファントで、ティモシーとは『JUSTIFIED 俺の正義』で共演して以来の友達なんだ。それで、誰をマンソンに起用するかという話の時に彼らが僕の名前を出したんだよ。そしたらクエンティンは『JUSTIFIED』のファンだったらしくオーディションの話が来たんだ。その時はすでに『マインドハンター』でマンソンをやっていたから戸惑ったけど、クエンティンの誘いにノーとは言いたくなかった。それに、まさか自分を同じマンソン役でキャスティングしたりしないだろうと思ってオーディションを受けたら、決まってしまったんだよ」
その結果、二つの作品で同じ役を演じることになったデイモンは、「一つは1969年でもう一つは1980年だから、マンソン自身にも変化がある。声も話し方も見た目も行動も変わっているんだ。それに『マインドハンター』はサスペンスドラマだけど、『ワンス』はいかにもタランティーノの作品で、全然違うものだ」と、同一人物でも全く異なるマンソンを演じていることを説明。
だが、「もう一度別の機会でマンソンを演じたいか?」という質問にはこう答えた。「脚本家の友達から『君に良い役があるんだ。実在する人物でね、刑務所にいてチャールズ・マンソンに会うんだ』と言われて、思わず『ノーー!!』と言ったんだ。そしたら彼が『どうして? 最高だろう。すでに2回も演じているんだから』と言うから、『だからやりたくないんだよ。頭大丈夫か?』って答えたんだ。まあ、絶対やらないとは言えないけどね。コメディ版のマンソンだったらあり得るかもしれないけど、マンソンは十分演じきったからもういいかな」と締めくくった。
『ビバリーヒルズ高校白書』のディラン役で知られるルーク・ペリーの遺作でもある『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は全国公開中。『マインドハンター』はシーズン1~2がNetflixにて配信中。(海外ドラマNAVI)