初放送から25周年を迎えた『フレンズ』、あのサブキャラにインタビュー!

放送開始されてから早いもので25年が経つ『フレンズ』。1994年から2004年まで10シーズンにわたって続いた大人気シットコムは、NYに暮らす20代の6人組が、友達との会話で何十年にもわたり使えそうな数え切れないほどのジョークや引用できる台詞を生み出し、自分がグループのメンバーであるかのように感じさせてくれた。

確かに6人組は素晴らしかったが、間違いなく今までで最も人気があるシットコムに登場したサブキャラクターたちはどうだろうか? 彼らも同様に、毎週ファンが『フレンズ』にチャンネルを合わせる行為に貢献していたことは間違いない。米エンタメ情報サイトEntertainment Weeklyが、9月7日(土)から10月6日(日)までNYで開催されている『フレンズ』のポップアップイベントで、カフェ「セントラル・パーク」のオレンジ色のソファに腰をかけ、脇役だけれども欠かせないキャラクターを演じた二人にインタビュー。マシュー・ペリーが演じたチャンドラー・ビングと引っ付いたり離れたりを繰り返した恋人ジャニスを演じたマギー・ウィーラーと、風変りなカフェのマネージャー、ガンターに扮したジェームズ・マイケル・タイラーを迎え、お気に入りのエピソードから金色のパンツ、ガンターの名字やキャッチフレーズまであらゆることについて語っているので紹介しよう。

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――それぞれ、どのように『フレンズ』で役を獲得したのですか?

マギー:当時、私のファックスに『フレンズ』のオーディションについて連絡が来たの。2ページにわたるシーンは、コーヒーショップでジャネットがチャンドラーに、アニメシリーズ『空飛ぶロッキーくん』のキャラクターがプリントされたソックスを買ったと伝える場面だった。ページのトップには"早口のニューヨーカー"と書かれていて、私はNYで育ったから、自分の人生で出会った数多くの人からキャラクターを作り出したの。一人じゃなくてたくさんの人を組み合わせたのよ。何が起こったかというと、初めてのオーディションで番組のクリエイターが私の演技の途中でソファの奥に後ずさりしたから、「ああ、このキャラクターの役作りが間違っていたかな」と思った。でも、またオーディションに呼ばれて、もう一度演じて仕事を貰えたの。本当に1エピソードだけで何の約束もなかったし、再び出演できるという考えもなかったわ。でも、製作チームがジャニスを気に入ってくれて、脚本家が夜中にスランプに陥った時にジャニスが筋書きを良い意味でブチ壊して、主要キャラクターを引き立てる役になった。「ジャニスを登場させよう!」っていう感じで、本当に上手くいったわ。

ジェームズ:私が初出演するエピソードの前夜に、実験として友達が私の髪の毛を脱色することにしたんだ。次の日にエキストラとして撮影に行ったら、製作チームに「カフェの男」って呼ばれて、実際にカフェで働いてたからカウンターの後ろに配置された。私は演技の修士号を持つバリスタで、無料で食事ができるし生活費の足しになるからエキストラをしていた。なかなか良かったよ。初日に撮影セットに行ったときは、みんながお互いを長い間知ってるように見えたけど、そうじゃなくてまだ第2話の撮影だったんだ。プロデューサーが脱色したブロンドヘアを気に入ってくれたから、その色を10年も維持しなくちゃならなかったよ。良くも悪くもね。おかげで今はあまり髪の毛が残ってないけど、これは遺伝だってことにしておこう。

――どんなキャラクターか、役の背景を教えてもらえましたか?

ジェームズ:キャラクターの背景については何も教えてくれなかったよ。最初の台詞は「そうだ」だった。たしか出演しはじめて1年半経った頃、撮影の1週間前くらいに製作チームに「君の名前はガンターだ」って言われたんだと思う。それまでは単なるカフェの男だったけど名前がガンターになって、言葉を発するまではクレジットもされてなかったんだ。

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――ガンターの名字を知っていましたか? それが"セントラル・パーク"でないことは知っていますが(笑)

ジェームズ:いいや。製作チームは名字を決めてなかったよ。

――自分で名字を決めようとは思わなかったんですか?

ジェームズ:考えたことはあるけどね。すごくシンプルにスミスとかかな。ガンター・スミス。

――もしかして、ガンターが名字とか?

マギー:それって面白いアイディアね! 考えたことなかったわ。いいじゃない。

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――他のキャストの第一印象はどうでしたか?

マギー:シットコムに出演する時は、初日にキャストが全員集まって台本読みをするの。それから休憩してステージに行って、みんなでリハーサルをするから本当に大家族よね。初の撮影での体験は、セットの環境が素晴らしいと感じたから大きな期待と幸福感でいっぱいだった。共同作業だったし、そこにいることに最初からワクワクしていたわ。

ジェームズ:それは興味深い質問だね。だって私が仕事をした他の番組では、「彼らはスターだから、注目されるのは彼らだけで当然だ」って感じだった。だけど、『フレンズ』ではどのキャストも注目されてて、「これは本当に特別だ」とわかったよ。みんながお互いを尊重し合っていて、10年もの間、そして今でも仲が良くて一緒に出かけているからね。

――マギーに質問です。あの特徴のある笑い方と、「オー・マイ・ガッド」のキャッチフレーズの由来は?

マギー:脚本家が「オー・マイ・ガッド」の台詞を書いて、それで決まりだったわ。もちろん私なりの個性を加えて、後は知っての通りよ。最初のエピソードで私が生み出した笑いは、マシュー・ペリーが超おかしくてシーンの途中で私を笑わせたからなの。その時はまだ撮影セットにいなかったし、良い演技をしたいと思ってたから少し心配だった。"ジャニスは笑う必要があるけど大丈夫よ。きっとマシューが笑わせてくれるだろう"って思ってたけど、一応対処できるようにってあの笑いを作り出したの。私たちは常に笑ってたし、いつもシーンの途中でも吹き出しちゃってたわ。

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――お気に入りのエピソードはありますか? 特に楽しかった撮影や、後でファンの反応を見るのが楽しみだった回は?

マギー:番組で撮影した全部のエピソードが大好きだけど、本当に際立った回があったわ。私にとっては、予想外のブラインドデートで、チャンドラーと寝ることになったバレンタインデーのエピソードが最高だった。もちろん、チャンドラーがジャニスにイエメンに引っ越すと嘘をつくエピソードも定番だし、レイチェルが出産するエピソードも忘れ難いわ。あと、ジャニスの登場の仕方で彼女とロスが寝たことがバレるエピソードも大好きよ。いつもジャニスの登場の仕方には驚きがあった。私がステージに上がった時に、それまで観客は私の姿を見ていなかったから最初に登場した時に驚きの効果がある。特定のエピソードでは誰も予想してないの。誰一人としてね。観客は私とチャンドラーの関係が上手くいってないのかもと悟るようになって、それでもジャニスが登場するだろうと思っていたら相手がロスで、その展開は誰にも思い浮かばなかった。幕の背後からステージに入ったから観客には私の姿が見えなくて、ジャニスがドアを開けて、(ジャニスの声で)「ロス、スカーフをタクシーに忘れたわよ!」って言いながら入って行くと、観客から大きな反応が起こったの。あれはロックスターの気分を味わえた瞬間だったわ。

ジェームズ:好きなエピソードは色々あるけど、ロスとレイチェルの関係を確立した「極秘ビデオ公開!」を選ぶことにするよ。ホロ苦くて本当に脚本が見事なエピソードだった。

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――ガンターがレイチェルに「ロスが他の女性と寝た」と伝えたエピソードの後に、何かバッシングはありましたか?

ジェームズ:そうだね。どうなったか教えてあげるよ。その脚本を読んで思ったんだけど、すでにガンターは役柄として確立されていたし、素晴らしい番組のキャラクターだからね。とてつもなく人気がある番組の超マイナーなキャラクターだし、TV史上で最も嫌われる俳優&キャラクターになると思ったよ。だって、ガンターがそう言ったことでロスとレイチェルが別れて、すべてがブチ壊しになったんだから! でも意外にも、その展開をファンは気に入ってくれてたよ。

――それは正しい行動ですよね。レイチェルは知る必要があるから。

ジェームズ:絶対そうだよね。それって正しいことだ。そうなんだ、ガンターは番組における道徳的な気骨なんだよ。

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――マギーに質問です。ジャネットは、もっとチャンドラーから大切にされるべきだと思いましたか?

マギー:チャンドラーは間違いを犯しただけだと思う。彼女は彼の欠点を見抜いていたから、彼に「あなたは私を愛しているとわかってる。ただ私を愛してると知らないのよ」と言ってたわ。ジャネットは、最後にチャンドラーが自分を選ぶという期待を胸に、苦難の道を歩もうとしてたんじゃないかと思う。

――そうですね。チャンドラーがジャネットに恋している振りをして、彼女は一種のハッピーエンドを迎えましたからね。

マギー:そうね。ジャニスには狡猾さがないから、それを素直に受け入れたの。すごく楽観的よね。

――想い出に残っている舞台裏話や瞬間はありますか?

マギー:私が出演する最後のエピソードで撮影セットから楽屋に戻ると、牡丹の花でいっぱいになっていたの。セットのデコレーターが本当に大きなオレンジ色のガラスの花瓶にいっぱい入った牡丹を買ってくれてたのよ。あまりにも感動してしまったわ。正直なところ、どうやって車に花を載せていいのかわからなかったけど(笑)

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――撮影が終了した後に、セットから何か記念品を持ち帰りましたか?

マギー:クローゼットに、ジャニスが着た金色のパンツを包んで置いてあるわ。その他にもキュートなアイテムをいくつかね。

ジェームズ:ネクタイを何本かと、セントラル・パークのコーヒーカップを貰ったよ。

――今ガンターがどこにいることを望みますか?

ジェームズ:もうガンターはレイチェルのことを忘れた方がいいよね。そしてテリーか誰かから店を買い取って、セントラル・パークのオーナーになってたらいいな、倉庫で寝たりなんかせずにね。どこかにまともなアパートを所有していたりして? 多分ガンターはイーストヴィレッジに住んでいて、わざわざクイーンズから通勤したりする必要もないんだ。

――『フレンズ』の永続的な魅力はどこにあると思いますか?

マギー:このシリーズには魔法のような何かがあると思うの。キャスト同士の驚くべきケミストリーと素晴らしい脚本、友情や恋愛、失恋に成功や失敗、忠誠心といった共感できるテーマといったすべての要素の組み合わせじゃないかしら。

ジェームズ:ノスタルジックな感情だけじゃなく、キャストのケミストリーとストーリー展開かな。ファッションは少し時代遅れになってるかもしれないけど、単純にストーリーが面白くて誰でも経験するようなことだから、ある意味でタイムレスだよね。どのキャラクターも典型的だから、番組の視聴者は「こういう人を知ってる!」とか「フィービーと同じだ!」とかね。

――もしくはガンター(笑)

ジェームズ:またはガンターだ! 変わり者はガンターだね。

番組25周年を記念して世界各地で様々なイベントが催されている。イギリスのファン参加型のイベント"Friendsfest"や、9月下旬には『フレンズ』の選りすぐりの12話がアメリカの一部の劇場で上映され、過去のエピソードに加えて未公開映像や秘蔵インタビューも盛り込まれると報じられてる。日本でもレアアイテム満載のアニーバーサリー仕様ブルーレイBOXが9月18日(水)より発売中で、9月18日(水)から9月24日(火)まであのカウチ&テーブルが銀座ロフト店に登場する企画などが開催中だ。

(翻訳/Nami)

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Photo:『フレンズ』(c)Warner Bros. Entertainment Inc.