1月10日(金)に待望の劇場版が全国公開される『ダウントン・アビー』。さらに劇場版公開を記念して、BS10 スターチャンネルで1月22日(水)から全シーズンのレギュラー放送もスタートと、英国貴族たちの世界の表と裏を描いて話題を呼んだ名作ドラマが再び盛り上がりを見せています。今回は、ドラマ版を途中で離脱した人や、劇場版公開前にドラマ版を振り返りたいという人たちに向けて、主要キャラクターの全シーズンを通した出来事から物語を振り返ろうという企画。【貴族編】に続くこの記事では、彼らの生活を支える使用人たちをご紹介します!
目次
チャールズ・カーソン
少年時代に第6代グランサム伯爵から副下僕として雇われており、バイオレットとロバートに忠誠を誓う執事。メアリーを娘以上の存在として見守っている。
舞台で芸人として踊っていた過去を恥じていたため、芸人時代の相棒グリッグに脅されるが、ロバートに助けてもらう(シーズン1)。メアリーにマシューへの気持ちを明かすように忠告する。リチャードからメアリーと住む予定の邸宅に執事として招かれるが、リチャードの不遜な態度に断りを入れる(シーズン2)。かつてメイドだったエセルが元娼婦だったために品格を疑う。下僕ジミーに対するトーマスの行動を知り、ベイツ復帰と共にトーマスをクビにしようとする。メイドのエドナがトムをかどわかしたことを知り、彼女をクビにする(シーズン3)。トムの願いで、失意のメアリーに対してマシューの意志を継ぐように説得する。かつてアリスという女性をグリッグに奪われたと勘違いしていたため、病気となった彼を見捨てるが、ヒューズの助けで仲直りする(シーズン4)。戦没者慰霊碑の建設で村人から建設委員長に推薦されてロバートと対立するが、彼の思いを受け入れて引き下がる。ヒューズとホテルを共同運営したいと考える過程で彼女への思いに気付き、彼女に結婚を申し込む(シーズン5)。ヒューズと結婚式を挙げるが、料理やベッドメイクのことで彼女ともめてしまう。手の震えの病気から執事を辞めようとするが、ロバートの考えでトーマスを後任として相談役となる決意をする(シーズン6)。
エルシー・ヒューズ
家政婦長として女性使用人たちを取りまとめる。公明正大で優しく穏やかだが意思も強く、周りからの信頼も厚い。
脚の悪いベイツが矯正器具の痛みをこらえながら仕事をしていたため、説得して器具を捨てさせる。村祭りで昔の恋人バーンズと再会して結婚を申し込まれるが断る(シーズン1)。メイドのエセルがブライアント少佐と不義の関係を持ってしまい、クビにするが、少佐の子供を産んだ彼女を捨て置けずに面倒を見る(シーズン2)。胸のしこりに気づくが良性だったと分かり安堵する。トムをかどわかしたエドナをクビにし、トムを励ます(シーズン3)。病気のグリッグの面倒をイザベルと共に見て、彼とカーソンを仲直りさせる。ダウントンに侍女として戻ったエドナが再びトムに言い寄るのを防ぎ、彼女を追い出す。ギリンガム卿の従者グリーンに暴行されたアンナを慰め、グリーンが死んだ件にベイツが関わる証拠となりそうな切符について秘密にする(シーズン4)。カーソンからホテルの共同経営を持ちかけられるが、妹の介護代でお金がないために断る。カーソンからホテルのために買った家をヒューズとの共同名義にしたことを明かされて結婚を申し込まれ、悩みながらもプロポーズを受け入れる(シーズン5)。カーソンとの披露宴を屋敷で行いたいというメアリーからの申し出を断り、自分らしい披露宴を開く。料理が苦手なためにカーソンから理不尽な文句を言われるが、パットモアと一計を案じて切り抜ける。引退を決意するカーソンを支える(シーズン6)。
ジョン・ベイツ
ボーア戦争時代にロバートの従卒だった経緯で、戦争で脚をけがしながらも伯爵付従者として雇われる。人に話せない過去が多いこともあり、感情をあまり表に出さない。
従者として突然雇われたため、トーマスやオブライエンから嫌がらせを受ける。トーマスからワイン泥棒の濡れ衣を着せられるが、アンナの助けで切り抜け、彼女からの愛の告白に対して結婚していることを明かす(シーズン1)。妻ヴェラに遺産を渡せば離婚できると、アンナに結婚を申し込む。だが、ヴェラがメアリーの醜聞を盾に離婚を拒む。メアリーを守るためにダウントンを去るが、ロバートからの願いで再び従者となる。ヴェラの浮気で離婚をできると考えるが、彼女が死んだためにアンナと結婚式を挙げる。しかし、ヴェラ殺害容疑で有罪となる(シーズン2)。アンナの助けでヴェラがベイツを犯人にするために仕組んだ自殺だと分かり、釈放される。オブライエンの企みで下僕ジミーとのトラブルに困るトーマスを助ける(シーズン3)。苦境のモールズリーを援助する。アンナを暴行した犯人を捜してグリーンへと辿り着き、彼が死んだことでアンナから疑われる(シーズン4)。警察からグリーン殺害容疑で尋問されるが、実は無実だった。逆にアンナが疑われたことで自分が犯人だと偽証しようとするが、彼女の疑いも晴れる(シーズン5)。アンナとの間に長らく子供ができなかったが、メアリーの助けもあり、ついにアンナが妊娠して無事に出産し、彼女と幸せを分かち合う(シーズン6)。
アンナ・スミス
心優しいメイド長。脚の不自由なベイツを気に掛ける。継父から姉妹ともに暴行されそうになったために家を出てメイドになった過去を持つ。
脚のせいで失態を犯して泣くベイツを励ます。メアリーの寝室で腹上死したパムークの死体をメアリー、コーラと一緒に彼の部屋へ移す。パットモアの目の病気を手術するためにロンドンに付き添い、ベイツの母から彼の前科の真相を知る(シーズン1)。ダウントンを去ったベイツと村のパブで再会し、彼の妻ヴェラとの離婚について聞く。ダウントンに戻った彼と付き合い始めて結婚を遂げる。ヴェラ殺害の容疑で収監されたベイツに面会して励ます(シーズン2)。ヴェラの友人バートレット夫人から話を聞くなどして、ベイツの無実の証拠を手に入れる。メアリーの侍女となり、釈放されたベイツを迎える(シーズン3)。ローズから村のダンス会の付き添いを頼まれ、彼女と庭師サムとのトラブルに巻き込まれる。ギリンガム卿の従者グリーンから暴行を受け、ベイツから離れて屋敷に住むが、彼が報復のためにグリーンを殺したのではと不安に駆られる(シーズン4)。メアリーの代わりに避妊具を買ったことで、ベイツから誤解を受けてしまう。グリーンの死に関してアンナの目撃証言があったと逮捕されるが、証拠不十分のため釈放される(シーズン5)。グリーン殺害の犯人が自首し、容疑が晴れる。ベイツとの間に子供を何度も流産していたが、メアリーの勧めで治療を受けて妊娠。大晦日に無事に出産し、ベイツと喜びを分かち合う(シーズン6)。
トーマス・バロー
自己中心的な第一下僕。同性愛者として人から認めらずに苦悩しているが、メアリーの子供たち世代には懐かれている。
従者となったベイツへの嫉妬から彼に嫌がらせを行う。ワイン泥棒の罪をベイツに着せようとデイジーを利用するが失敗し、衛生兵に志願する(シーズン1)。戦場でわざとけがを負い、帰国して療養所で働く。闇市を開くが、だまされて大損してしまう。スペイン風邪による人手不足のために再び下僕として雇われ、手柄を得るためにロバートの愛犬を隠して自ら発見する(シーズン2)。収監されたベイツの代わりに従者となる。新しい下僕ジミーにしつこくアプローチをしたことで警察沙汰になるが、クリケット大会で活躍し、ロバートから副執事として残ることを認められる(シーズン3)。バクスターをダウントンに推薦して伯爵夫人付侍女として雇わせ、周りをスパイさせようとする。トムが女教師バンティングを夜の屋敷に連れ込んだのを目撃し、ロバートに告げ口する(シーズン4)。火事を発見してイーディスを助ける。同性愛の性質を治すための怪しい治療法で病気になるがバクスターに救われる。ローズの結婚式の手伝いで呼ばれた下僕アンディがバイオレットの侍女デンカーに騙されているのを助ける(シーズン5)。ダウントンの人員削減をきっかけに転職活動を始め、アンディを友人として助けようとする。人生に絶望して自殺を図るが、バクスターたちに助けられる。新天地での使用人の仕事に不満を感じ、カーソンの後任になってほしいというロバートからの申し出に喜ぶ(シーズン6)。
ベリル・パットモア
口汚くうるさいが、料理の腕は自他ともに認められている料理長。キッチンメイドたちの仕事に厳しい反面、世話焼きな面もある。
目の病気で失態をしてしまい、ロバートの勧めでロンドンの病院で手術をする(シーズン1)。自立を考えるシビルに料理の仕方を教える。甥のアーチーが戦争で敵前逃亡の罪により射殺されたと知ってショックを受ける。村の負傷兵たちに屋敷の食料を配給する。デイジーと、出兵する下僕ウィリアムと彼の父メイソンの仲をとりもつ(シーズン2)。イザベルの屋敷で働くダウントンの元メイド・エセルに料理を教える。仕入れ先のタクトンに口説かれて喜ぶが、ヒューズから彼が他の女性にも手を出していることを忠告される(シーズン3)。多忙で倒れたため、料理人を目指す下僕アルフレッドが代わりに料理を作る。アルフレッド、デイジー、キッチンメイドのアイビーの三角関係に頭を悩ますが、デイジーの決断を喜ぶ(シーズン4)。勉強に興味を持ったデイジーのために家庭教師としてバンティングを招く。アーチーが戦没者から外されてショックを受けるが、ロバートによって特別な碑石が建てられて喜ぶ。遺産を相続したことからホテル経営のための家を購入する(シーズン5)。ヒューズの結婚式の衣装の世話を焼こうとするが、トラブルの原因を作ってしまう。開業したホテルが醜聞に巻き込まれるが、ロバートたちが来訪して宣伝することで悪評を振り払う。領地の農場に引っ越したメイソンといい仲になる(シーズン6)。
デイジー・ロビンソン
若き台所担当メイド。勘違いからすぐ行動してしまう恋多き少女で、片思いも多いが、逆に言い寄られると突き放してしまう。
メアリーたちがパムークの死体を運んでいるのを目撃し、イーディスに話してしまう。憧れていたトーマスに利用され、ベイツがワイン泥棒だと嘘の証言をしてしまう(シーズン1)。出兵する下僕ウィリアムに告白され、その気もないのに婚約してしまう。重症で帰国した彼から結婚を求められ、同情心から結婚式を挙げるが、すぐに彼が亡くなる。嘘の結婚を恥じらいつつも立ち直り、彼の父メイソンと交流を深める(シーズン2)。料理長助手に昇進。新しい下僕のアルフレッドに好意を寄せるが、彼はキッチンメイドのアイビーが好きだと知り、アイビーに敵意を持つ(シーズン3)。料理人としてダウントンを去ることになったアルフレッドがアイビーへの未練から再び屋敷に顔を出すものの、友達として別れを告げる。ローズの社交界デビューで訪れたマーサとハロルド、その従者イーサンに料理を褒められる。イーサンからアメリカで料理長の座をオファーされるが、アイビーに譲る(シーズン4)。学校を12歳で辞めたことを後悔して勉強を始めるが、のめり込みすぎて社会主義者的な考えを持ってしまう(シーズン5)。自分のせいで小作人をクビになったメイソンを、コーラに相談してダウントンの小作人にしてもらう。新下僕のアンディから好意を寄せられ、当初は興味がないと言いつつも心変わりしていく(シーズン6)。
ジョセフ・モールズリー
マシュー付執事兼従者だったが、彼の死で職を失ってからは苦労が絶えない。要領は悪いが、性格が良いために周りの人たちから好かれている。
ダウントンに招かれたマシューの世話をしようとするが、上流階級の生活を嫌う彼から頼りにされない(シーズン1)。ベイツが去って傷つくアンナに付き合いたいと打ち明けるが断られてしまう。主人のマシューが出兵して暇なため、人手不足のダウントンで働き始める。カーソンが病気で倒れて代役を務めるが、ワインの試飲で酔ってしまい失態を犯す(シーズン2)。トーマスとオブライエンの対立に巻き込まれ、トーマスの企みで彼女が辞めるとコーラに伝えてしまう(シーズン3)。マシューの死で失業して困っているところをベイツらに助けてもらう。ダウントンで下僕として雇われることになるが、執事だったプライドが邪魔をして機を逃す。だが、ヒューズの助けで下僕となる。新侍女のバクスターに好意を寄せる(シーズン4)。髪を染めて若作りをしようとするが、周りから不評を買う。過去の秘密からトーマスに脅されるバクスターを支える。ベイツのグリーン殺害容疑をバクスターと一緒に晴らす(シーズン5)。バクスターの過去の事件の元凶ピーターの裁判で証人をすべきだと伝えて彼女を勇気づけ、仲を深める。デイジーの勉強を手伝う過程で自分も学校の試験を受けて合格し、教師として働くことを決意する(シーズン6)。
フィリス・バクスター
シーズン4から登場する伯爵夫人付侍女でトーマスの親戚。彼の推薦によりダウントンで働くようになるが、過去の事件が原因で彼に弱みを握られている。
トーマスから貴族や使用人たちの情報を手に入れるため、皆に取り入るように脅されて従うが、モールズリーがかばう。モールズリーから好意を寄せられ、ローズの社交界デビュー後にビーチで、トーマスからかばってくれる彼の強さに感謝し、より親しくなる(シーズン4)。モールズリーに諭され、前の勤め先で下僕ピーターのいいなりになり、雇い主の宝石を盗んだことで服役していたことをコーラに打ち明けるが、許しを与えられて感謝する。トーマスが同性愛の性質を治すために怪しい治療法に手を出して病気になったことで、彼を病院に連れて行き、トーマスを軽蔑せずに心から心配する。ベイツのグリーン殺害の容疑を晴らすためにモールズリーに手を貸す(シーズン5)。他でも同様の事件を起こしていたピーターを有罪にするために、警察から裁判の証人になることを依頼される。モールズリーに勇気づけられて決意するが、ピーターが罪を認めたので証言せずにすむ。自殺を図ったトーマスを見つけて救い、きっと幸せになれると彼を励ます。本格的に教師を目指すために引っ越すモールズリーに、これからも会えると伝えて喜ばれる(シーズン6)。
アンディ・パーカー
シーズン5から登場する都会育ちの下僕。ローズの結婚式で臨時採用されたが、トーマスの推薦でダウントンでも雇われる。
ロンドンでのローズとアティカスの結婚式に下僕が足りないため、臨時で雇われる。バイオレットの侍女デンカーに騙されて、秘密クラブでのカジノで大損するが、賭けで勝ったトーマスに助けられる。オークションで絵画が高値で売れたことで資金に余裕ができ、トーマスの推薦もあって、ダウントンで下僕として雇われる(シーズン5)。トーマスに友人として気づかわれるが、彼が同性愛者と知っていたので、よそよそしい態度を取ってしまう。自然が好きなため、メイソンの農場の手伝いを申し出る。彼から養豚の参考書を渡されるが、実は読み書きができなかったために困惑してしまう。トーマスが読み書きを教えると申し出たことで、彼に今までの失礼な態度を謝罪する。字が読めないことがデイジーたちにばれてしまうが、学校で教わることになる。デイジーに好意を寄せるが、彼女の態度からその気がないと感じて距離を取ると彼女から距離を縮めてくるので、ギクシャクした関係になってしまう。本音を話し合うことでデイジーとの仲が少し進展し、メイソンの農場に住むことになる(シーズン6)。
以上、【貴族編】と【使用人編】にわたってのキャラクター紹介でしたが、いかがでしたでしょうか? 本企画を利用して、ぜひ映画版や全シーズン・レギュラー放送をより深く楽しんでみてください!
(文/豹坂@櫻井宏充)
Photo:ダウントン・アビー (c) 2010 Carnival Film & Television Limited. All Rights Reserved. ダウントン・アビー シーズン2 (c) 2011 Carnival Film & Television Limited. All Rights Reserved. ダウントン・アビー シーズン4 (c) 2013 Carnival Film & Television Limited. All Rights Reserved.