『クレイマー、クレイマー』と『レインマン』で2度アカデミー賞主演男優賞を受賞するなど数々の作品で名演を披露してきたダスティン・ホフマン。来月83歳となる彼が、約30年ぶりにブロードウェイの舞台に立つことが明らかになった。米Deadlineが報じている。
ダスティンが出演するこの演目は、2021年の公演が予定されている『わが町』。 演出は、渡辺謙が2015年に主演したリバイバル版ブロードウェイミュージカル『王様と私』を演出したバートレット・シャーが務める。シャーはそのほかにも『アラバマ物語』『マイ・フェア・レディ』『屋根の上のバイオリン弾き』『マディソン郡の橋』『南太平洋』などを手掛けており、これまでにトニー賞に9回ノミネートされ1回受賞している。
ソーントン・ワイルダーの戯曲で、ピューリッツァー賞受賞作品である『わが町』は、進行役として舞台監督が登場し、彼を軸に展開されていく。1901年から1913年までを描いた3幕構成で、第1幕では舞台監督が町の説明をし、医師のギブス家と新聞編集長のウェブ家を中心とした町の一日を描く「日常生活」が語られる。第2幕は、第1幕の3年後、ギブス家の長男ジョージとウェブ家の長女エミリーの結婚式の一日を描く「恋愛と結婚」。第3幕は第2幕の6年後に移り、産褥によって死んだエミリーが、その前に亡くなっていた姑のギブス夫人ほか死んだ町の住民と墓場で会話する「死」が綴られる。1938年に初演され、2002年にリバイバル版が上演されていた。ダスティンは進行役の舞台監督を演じることになるようだ。彼と映画『ハッカビーズ』『マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)』でも組んだスコット・ルーディンが製作を担当する。
ダスティンのブロードウェイ出演は1989年の『ヴェニスの商人』以来で、彼はこの時シャイロック役でトニー賞主演男優賞にノミネートされたが、受賞は逃していた。舞台では『セールスマンの死』にも出演している。映画俳優としては主演でなく脇に回ることも増え、15世紀のフィレンツェを舞台にした『メディチ』などドラマにも出演。2014年の映画『カルテット! 人生のオペラハウス』では監督を務めている。
新型コロナウイルス(COVID-19)感染の懸念から閉鎖されているブロードウェイは、2021年1月まで引き続き閉鎖されることが先日発表された。それにより2020年中に始まる予定だった演目は全てスケジュール変更を余儀なくされており、再開は早くて2021年春だと言われている。(海外ドラマNAVI)
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ダスティン・ホフマン
(C)Maurice Clements