ディズニー、売上激減も動画配信サービスは5年目標を8ヵ月で達成!

世界中でテーマパークを展開するウォルト・ディズニー・カンパニーは、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で大きな打撃を受けたものの、動画配信サービスのDisney+(ディズニープラス)の成績は当初の予想よりもはるかに好調なことが分かった。米Deadlineが報じている。

新型コロナウイルスの影響でテーマパークの閉鎖や観光客の激減、劇場閉鎖を味わった結果、およそ50億ドル(約5250億円)の損失を記録したディズニー。しかし、CEOのボブ・チャペックは8月4日(火)に行われた業績発表で、全世界におけるDisney+加入者数は現時点で6050万人に上ると発表。北米で2019年11月12日にスタートした同サービスは、2019年第4四半期に米国で最もダウンロードされたアプリだとも報告されていた。

Disney+の会員数は今年5月初めの時点では5450万人だったが、6月終わりに5750万人に増加。そしてここ数日で6000万人を超えたと言われる。以前、同社は投資家たちに2024年までに6000万から9000万人の加入者数に到達すると話していたが、サービス開始から8ヵ月でその目標数値に到達したことになる。

Disney+の急成長に大きく貢献したのは、大ヒットブロードウェイミュージカル『ハミルトン』の映画版だ。7月に配信された同作は新規加入者を数多く獲得。当初は2021年秋に映画館で公開されるはずだったが、その後、劇場でなくDisney+でお披露目されることが決まっていた。

『ハミルトン』の成功を受けて、何度も公開延期が続いていた実写版『ムーラン』を9月24日(木)よりDisney+で有料配信することが発表された(同サービスが上陸していない国では劇場で公開予定)。つまり、『ムーラン』を観ようと思ったら、月額視聴料に加えて、米国ではレンタル料金の29.99ドル(約3150円)がさらにかかることになる。今回の措置はいわば「お試し」であり、設定価格をユーザーがどう受け取るかを今後の参考にするという。

新型コロナウイルスで大きな痛手をこうむったディズニーだが、その中でDisney+は予想以上の明るいニュースをもたらしているようだ。ほかの大手動画配信サービスに比べてはるかにターゲットを絞っているが、あっという間にストリーミング業界の競争に入り込んできた。ただ、それでも会員数は全世界で約1億9300万人の加入者を抱えるNetflixの3分の1にも満たないのが現状だ。

先月トム・ハンクス主演映画『グレイハウンド』が劇場でなく Apple TV+でお披露目されていたが、『ムーラン』のDisney+におけるレンタル配信がどのような結果をもたらすのか、注視したい。(海外ドラマNAVI)

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