英長寿SFドラマ『ドクター・フー』で10代目ドクターを演じたデヴィッド・テナントが実在の連続殺人鬼に扮する英ITVのミニシリーズ『Des(原題)』が、大きな反響を記録している。英Digital Spyが報じた。
全3話となる『Des』でデヴィッドが演じるのは、1970年代後半から1980年代前半にかけてロンドンで少年や若い男性たち十数人を殺害し、"Des(デス)"と呼ばれたスコットランド人の連続殺人鬼デニス・ニルセン。
本国イギリスで9月14日(月)に放送された第1話の平均視聴者数は540万人を記録。この数字は、ITVでのシリーズ初回としては2019年の犯罪ドラマ『Cleaning Up』に次ぐ数字で、ピーク時には590万人をマークしている。
『Des』は、ニルセンに取材して書き上げられたブライアン・マスターズによる伝記「死体と暮らすひとりの部屋――ある連続殺人者の深層」(草思社)を下敷きにしたシリーズ。独身で一人暮らしのニルセンは、バーなどで知り合った男性を自宅のアパートに連れ込んで殺しては、その死体をバラバラにして鍋で煮た後に排水溝に流して始末していた。アパートの排水管が詰まり、その中にあった人肉と骨のかけらを警官が調査するまで、彼が連続殺人鬼であることには誰も気づかなかったという。
ドラマでは、ニルセンのような殺人鬼と連絡を取るようになった著者の個人的かつライターとしての体験、衝撃的な事件が社会に与えた影響、被害者の遺族たちが描かれる。その内容に多くの視聴者が衝撃を受けているようで、SNSでは「2話観たけど、おそらく『Des』はITVが今世紀に生み出した最高のドラマだと言わざるを得ない」といった称賛の声が寄せられている。
その他にも「今のところ、『Des』はTVで最高のドラマだ。デヴィッド・テナントは並外れていて、(彼の演技には)芯から震えがくる」と、デヴィッドの演技を絶賛する声も上がっている。
ニルセンの伝記を執筆したマスターズ役は、王室ドラマ『ザ・クラウン』のシーズン3でハロルド・ウィルソン首相を演じたジェイソン・ワトキンス。刑事のピーター・ジェイ役には、ファンタジードラマ『グッド・オーメンズ』でデヴィッドと共演したダニエル・メイズがキャスティングされている。
歴史ドラマ『ガンパウダー』などで俳優として活動してきたルーク・ニールが脚本を執筆。監督を務めるのは、犯罪捜査ドラマ『ブロードチャーチ ~殺意の町~』でもデヴィッドと組んだルイス・アーノルド。主演のデヴィッドは、アーノルドやニールとともに製作総指揮にも名を連ねる。
デヴィッドが名演を見せる『Des』が日本で放送・配信されるかは未定だが、近いうちに上陸することを期待したい。(海外ドラマNAVI)
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『Des』(Digital SpyのTwitterより)