『ブラインドスポット タトゥーの女』サリヴァン・ステイプルトンに直撃インタビュー!ファイナルを迎えて思いを語る

記憶を失った身元不明の女性の全身に刻まれたタトゥーを手掛かりに、FBIの捜査チームが数々の犯罪を暴いていく米NBCのアクション・サスペンスドラマ『ブラインドスポット タトゥーの女』。そのファイナルとなるシーズン5が、いよいよWOWOWプライムにて2021年1月28日(木)より放送される。今回、ジェイミー・アレクサンダーが演じる謎のタトゥーの女性ジェーン・ドウの相棒となるカート・ウェラーFBI捜査官役のサリヴァン・ステイプルトンを直撃! 全米におけるシーズン5放送終了後の心境、本作や役柄について、ステイホームの様子などを語ってもらった。

――全米でファイナルエピソードが放送されてラストを迎えましたが、今の心境を教えてください。

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脚本家の皆さんが納得いくまで書き上げることができたのは幸いだったと思う。視聴率が落ちるとすぐに打ち切りになるのがテレビだから、なかなかないことだね。テレビシリーズが打ち切りになるのは、キャストだけでなく、一生懸命に取り組んでいた脚本家やスタッフにとってもつらいことだから。伏線を回収できないまま終わる作品も多いけれど、このシリーズでは幸いそういうことはなかった。そういう意味ではNBCとワーナー・ブラザースに感謝している。

そして、『ブラインドスポット』はちょうどシリーズ通算100話目のエピソードでラストを迎えることができた。最終シーズンは通常の半分のエピソード数だったけど、その分、脚本家の皆さんはラストに向けてしっかりと書きこむことができたんじゃないかな。

――タイムズ・スクエアに置かれたボストンバッグの中から全身タトゥーに覆われた女性が登場するというシーズン1のオープニングで視聴者に大きな印象を与えたシリーズでしたが、自身のキャリアにとって本作はどのような作品でしたか?

自分のキャリアにどう影響したかに関しては、まだなんとも言えないけど、このシリーズがまた次の仕事に繋がったら嬉しい。(『ブラインドスポット』への出演も)『ストライクバック:極秘ミッション』を終えたあとに出演依頼があって、オーストラリアへ帰国していたんだけど、またアメリカへ飛ぶことになって、とても嬉しかったよ。

それにパイロット・エピソードの脚本が素晴らしかった。このシリーズはキャストもスタッフも含め素晴らしい方たちばかりで、彼らとの友情を育めた5年間は僕のなかでは特別な時代として位置付けられるだろうね。そしてこれだけ成功を収めたシリーズに参加できたことをとても嬉しく思う。最近は8〜10エピソードをイッキ見するような作品が多いけれど、1シーズンが22エピソードで構成されるこのようなシリーズに出演できたのは良かったね。その分、撮影スケジュールは大変だったけど(笑) キャラクター描写、ストーリー展開、豪華なゲスト出演を含め、素晴らしいシリーズだったよ。

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――カートは、頼もしくて優しくて有能でハンサムな、とても魅力的なキャラクターだと思います。長い間カートを演じてきて、彼は自身にとってどんな存在になりましたか?

カートというキャラクターを自分なりに創造し、かつ5年間ニューヨークで働けたのは、オーストラリア出身の僕としてはとても嬉しいことで、その上、素晴らしい共演陣とスタッフに恵まれたから、終わりにするのは寂しいものだね。それに収入もなくなるわけだから残念だよ(笑) だからこの記事を読んでくれている人で、俳優に仕事をオファーしたい人がいたら教えてね!(笑)

カートは、犯罪者を追うタフな警察官というありきたりなキャラクターではなく、とても多面的に描かれていたので、演じがいがあり、様々な心理や感情を表現することができたよ。

――カートはとても複雑なキャラクターですが、役を演じるにあたって、何か特別なことはしましたか?

まずは、以前に出演していた『ストライクバック:極秘ミッション』で特殊部隊の隊員を演じていたから、そこで経験した武器の取り扱いやタクティカル・トレーニングは『ブラインドスポット』にも活かされている。

それに加えて、カートという男の内面を表現する難しさもあったけど、彼はこの世界をより良いものにするべく犯罪者らと戦う熱血漢という一方で、複雑な家庭環境の中で育っている。カートのそういう繊細なところを表現するのも大切だった。熱血漢を一面的に描くのではつまらないから。弱さも繊細さも哀しみもたずさえた男を演じるのは楽しかったよ。これはひとえに脚本家チームのおかげだね。人物像を掘り下げる良いシーンを書いてくれたと思う。

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――カートと自分自身との共通点はありますか?

5年間、演じてみて感じたのはカートも僕も仕事人間というところだね。かなりきつい撮影スケジュールだったけど、仕事人間だったからちょうどよかったのかもしれない。それと、仕事に投じる集中力と、最善を尽くそうとするところ、家族に誠実であるところも似ているかな。

――新型コロナウイルス感染症(COVID-19)でハリウッドの映像業界も大きな影響を受けていると思いますが、サリヴァンさんはどのような影響を感じていますか?

メルボルンでは今2回目のロックダウン(※インタビューは2020年7月31日に実施)を迎えているんだけど、政府は感染者数を抑えるべくよく取り組んでいる。むしろニューヨークを離れることができてほっとしているかな。日々ニュースを見ていて悲しくなるし、陰謀論者やマスク着用を拒否する活動家らを見ていると怒りがこみ上げてくるけど、今はオーストラリアへ戻ってこられて家族に会うことができてほっとしているよ。今後は、みんなが責任ある行動をとり、感染者数を減らすことができ、仕事に復帰できることを願っている。仕事ができないのは寂しい! オーストラリアに戻ってきて半年が経つけれど、ずっとレゴブロックを作って過ごしていて、レゴのミレニアム・ファルコンとスター・デストロイヤーを作ったんだ(笑) それ以外には壁のペンキ塗りをしたり、断熱材を入れたりしているかな。早く仕事に戻りたいね。

――本作はかなり緊張した場面の多い作品ですが、撮影現場はどうでしたか?

とても楽しい撮影現場だったよ。 おっしゃるように緊張した場面が多いシリーズだったから、スタッフの方々とはよく冗談を言い合ったね。ジョン・ローマーというハグが苦手なカメラ・オペレーターがいたんだけど、彼は抱きしめられると体が強張るんだ。だからジョンにからかわれると、僕はハグで逆襲したよ(笑) すごく嫌がられた(笑)

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あとは、僕らが車を運転するシーンなどは、前方の牽引車に引っ張られているから実際に運転していないけど、ニューヨークをドライブしているかのような気分を味わえたのは楽しかったね。タイムズ・スクエアでの撮影はファンの皆さんもすぐ近くにいたから、一緒に写真を撮るなどして交流したんだけど、僕らの仕事が人に影響を与え、人を幸せにしていることを実感できて、俳優業をやっていることの意義を噛みしめることができた。世界中の人々が自粛生活を強いられている今、尚更そのように感じられる。世界中の人が自宅で映画とテレビを見ているわけだから。

――シーズン4のラストは衝撃的な展開でしたが、シーズン5の見どころを教えてください。

シーズン5で果たしてカートが生き残っているかどうかは見てのお楽しみだね(笑) 新シーズンではキャラクターみんなが、もはやオフィスにはいなくて、もっぱら逃走中なんだ。シーズン4のフィナーレを飾った爆撃は見事に命中したので、誰が生き残ったかシーズン5を見ないと分からない。チームのみんなは一旦離散しなければならず、身の回りにあるリソースをうまく使ってやりくりしなければならない。慣れない環境の中、とてつもなく危険な状況に追い込まれるので、そこが一つの見どころになるだろうね。最終的に全てがうまくおさまるかどうかは見てのお楽しみだよ。

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『ブラインドスポット5 タトゥーの女』は、WOWOWプライムにて2021年1月28日(木)23:00より日本初放送。また、ファイナルとなるシーズン5の日本放送前に再びチェックしておきたい『ブラインドスポット』<フォース・シーズン>は、DVD発売&レンタル中、デジタル配信中。

(取材・文/豹坂@櫻井宏充)

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Photo:『ブラインドスポットタトゥーの女』(c) Warner Bros. Entertainment Inc.