『ER』ヴァネッサ・マルケスが警察の誤射で死亡した事件、和解へ

米NBCで1994年から2009年まで放送されていた医療ドラマの金字塔『ER 緊急救命室』。本作に3シーズンにわたり出演していた女優のヴァネッサ・マルケスが2018年、警察によって射殺された事件が訴訟となっていたが、このほど和解という結末を迎えたことがわかった。米Deadlineなどが報じている。

『ER』のシーズン1から3までの計27話で看護師ウェンディ・ゴールドマンとして出演していたヴァネッサは、2018年8月30日に米カリフォルニア州サウスパサデナの自宅で警察に撃たれて命を落とした。享年49。

事件のあった当日、通報を受けた警官が到着すると、ヴァネッサが発作を起こしていたという。彼女は以前より健康面で問題を抱えていることを公表していたが、この時も精神的に不安定な状態で、駆けつけた隊員や警官が1時間半以上にわたり治療を受けるように勧めたが、ヴァネッサが銃を向けたため、警官が発砲。その後、病院で死亡が確認された。だが、ヴァネッサが向けた銃はBBガンだったという。

事件の2日後、同市のマネージャー、ステファニー・デウルフは、「私たちは、警官が悲劇的な状況下で適切に行動したと信じています。この調査の間、警官をサポートし、彼らとともにいます。警官が、精神疾患の専門家と一緒に、このような結果になる前に平和的に解決するためあらゆる試みを行ったことを信じています。事件についての判断が出る前の今、市民の皆様には事実確認がされるまで冷静にお待ちいただくようお願いします」とのコメントを発表していた。

だが2020年、ヴァネッサの母親デリア・マケルフレッシュは、代理人である弁護士を通してサウスパサデナ市を相手に不法死亡訴訟を提起。そして今月22日(月)、45万ドル(約4700万円)の和解金で合意したとのこと。和解の費用は同市の訴訟リスク用の預金から賄われると、Los Angeles Timesが報じている。

同市長ダイアナ・マフムード氏は「どんな命も失われることは悲劇です。しかし私は今、当事者らが長引く訴訟によるコストを削減するため、45万ドルという金額で和解に達したことを報告します」と声明を発表。母親のデリアは、パサデナ市、警察署長、そして複数の警官に対して、警察の戦術の悪さと過剰反応が致命的な銃撃につながったと主張していた。

ヴァネッサは『ER』以外にも、『メルローズ・プレス』や1999年に放送されたコメディ『Malcolm & Eddie(原題)』といったドラマに出演していた。(海外ドラマNAVI)

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Photo:『ER 緊急救命室』TM & (c) Warner Bros. Entertainment Inc.