3月末よりNetflixにて配信が始まったミステリーファンタジー『ベイカー街探偵団』。本作は、ビクトリア朝のロンドンを舞台に、ワトソン&ホームズの依頼を受けた浮浪児たちが超常的犯罪の解決に挑む。シャーロック・ホームズが活躍する世界で超常現象をテーマにするのは珍しい気もするが、これらはホームズの生みの親であるアーサー・コナン・ドイルの超常現象に関する調査に基づいているのだという。米Screen Rantが伝えた。
シャーロック・ホームズは観察可能な世界に基づいた論理的かつ説明的な人物だったが、彼の著者はスピリチュアリズムに大きな関心を持っていることでも知られていた。「シャーロック・ホームズ」シリーズの著者として名高いドイルだが、実は超自然的なホラー小説も多数執筆しているのだ。
1887年、ドイルは自分自身をスピリチュアリストと宣言し、交霊会や霊媒、ポルターガイスト、テラパシーなどの調査に着手した。心霊現象研究協会に参加し、会員と協力して超常現象の調査を行って、いくつかの本を書いている。様々な超常現象を調査したドイルはそれらが本物だと主張していたが、中には実際真実でないものも含まれていたという。有名な話が、1920年に従姉妹同士の二人の少女が撮影した妖精の写真の真偽を巡った騒動「コティングリー妖精事件」。心霊主義に傾倒していたドイルは妖精が実在すると主張してその写真を使用していたが、結果的に60年以上たった1983年に写真を撮影した当事者が捏造を認めている。
数々の超常現象や超能力者たちの力を調べていたドイル自身が、実際に超常現象を経験したことがあるかは知る由もないことだが、『ベイカー街探偵団』の超自然的な要素はアーサー・コナン・ドイルへのオマージュであり、彼が残した遺産とも言えるだろう。
Netflixオリジナルシリーズ『ベイカー街探偵団』はNetflixにて配信中。(海外ドラマNAVI)
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Photo:
『ベイカー街探偵団』©Matt Squire