リーダーとしてのジューン『ハンドメイズ・テイル』を深掘りする『One Burning Question/どうしても聞いておきたい質問』

Huluプレミア『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』の配信と同時に、キャストや一般のファンをゲストに迎えて同作の考察を行うトークショー『One Burning Question/どうしても聞いておきたい質問』。シーズン4に合わせて、同番組もHuluにて配信中だ。(※本記事はシーズン4第3話までのネタバレを含みますのでご注意ください)

第3話のゲストは、シーズン4の本編第3話の監督も務めたジューン役のエリザベス・モス。

今回は「リーダーとしてのジューン」について話が繰り広げられた。司会のステイシーがジューンはリーダー失格か? という核心に迫る質問を投げかけると、本当に難しい質問だと前置きをしたエリザベス。「彼女はスーパーヒーローでもなければ、反乱軍のリーダーの素質もない」ことを述べ、原作での彼女の描かれ方や毎シーズンこの答えを探し続けていることを明かした。続けて、ローレンスに娘のことを脅され待女の居場所を隠し通すことができなかった場面に触れ、「人間らしい部分が勝ってしまう。本当の彼女は冷酷な反乱軍のリーダーではなく、娘を取り戻したいと願う母親だから」とジューンを気遣う。

彼女は仲間を裏切ったのでは? と尋ねられると、長い間どんな拷問にも耐え、口を割らなかったジューンは「裏切ってない」とし、もし同じ選択をしない母親がいたらジューンは許さないだろうと即答。仲間を守るためならどんなことでもするジューンだが、娘の話を出されてしまったがうえの行動だったことを強調した。

車を降りて逃げ出したシーンにも触れ、「車を降りた時も皆を見捨てる気はなく、待女たちの方を見ていた。打ちひしがれていた皆の様子を見たジューンは、決断を下し車から降りたのよ。彼女は自分のことは考えずに」とリーダーシップを発揮したシーンについて解説。さらに「あのシーンで心がけたのはアイコンタクトを的確に捉えて撮影することだった。それから仲間の待女たちがいかに絶望していたかも伝えたかった」と撮影秘話も明かした。

ステイシーは人々を操ることができるようになったジューンを見て「権力を手に入れて楽しんでいるように見える」との印象を述べ、現在の彼女の行動はどの程度復讐に基づいているのか、復讐心がリーダーの役割を妨げる可能性について尋ねた。ギレアドがジューンをどう変えたのか考える必要があり、彼女の人格をどう変えたのかも重要であると答えたエリザベス。「ジューンには復讐の念が芽生えることになった。それは彼女が残酷な目にあってきたからよ。でも、彼女も誰かを残酷な目に遭わせたし、彼女のせいで何人もの人が亡くなったわ。やむを得ないケースばかりだけど」と今までのジューンの行動を振り返った。

ステイシーは、彼女と同じ岐路に立ち罪なき人の死を振り返ることは大切なことだとし、ジューンについて「判断を誤っても彼女には闘争本能があります。何か動物のような生命力が彼女をここまで生かしてきたように思えます」と印象を語った。

ジューンがどのようなタイプの女性リーダーなのかという質問に対し、「彼女には統率力だけでなく人間味もある。強さと弱さを持ち合わせているの。もしジューンがこの考えを受け入れたならもっと完璧なリーダーになれるかも」と、女性らしさを隠す必要はないという考えを明かした。また「"頑張ることと強いことは違う、その二つは別だ"って誰かがジューンに言ったの。そこからヒントを得たのよ」と自らの作品からネタを盗んだと笑いながら語った。

ジューンはリーダーとして適正なのか? 今回のエリザベスの話を聞き、第4話配信までの間にもう一度『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』のエピソードを見直してみるのはいかがだろうか。『One Burning Question/どうしても聞いておきたい質問』の該当エピソードはHulu にて独占配信中。(海外ドラマNAVI)

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『One Burning Question/どうしても聞いておきたい質問』第3話より
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