スティーヴン・キングのホラー小説「キャリー」を、『』や『』で知られるマイク・フラナガンがドラマ化。Prime Videoにて配信開始された今作は、過去の映画化作品とは一線を画す独自のアプローチで、少女キャリーと母マーガレットの壮絶な関係性を描き出す。一新されたキャラクター造形や過酷な物語の裏側について、母マーガレットを演じたサマンサ・スローヤンと、主人公キャリーを演じたサマー・H・ハウエルがインタビューで語っている。
以下、本作のネタバレを含みますのでご注意ください。
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名作ホラーが描く新たな母娘の悲劇
物語の舞台となるメイン州チェンバレンは、冒頭から悲劇の渦中にある。学校と街の半分を焼き尽くした惨劇を振り返り、スー・スネルは「私たちはただ、最善を尽くそうとしていた普通の子供だった」と回想する。
今作では冒頭から大きなアレンジが加えられている。父親ラルフ・ホワイトの工事現場事故死により、孤立状態にあった母マーガレットと娘キャリーは社会へ連れ出されることになる。警察が踏み込んだ際、押し入れに隠れていた二人の姿から、キャリーの悲劇的な運命が動き出す。
ケースワーカーから「3人のカルト」と形容されたホワイト家には、電話もインターネットもない。だが法律上、夫を失ったマーガレットは働きに出る必要が生じ、キャリーもまた学校へ通うことを余儀なくされる。こうして、現代にアップデートされた新たな惨劇が幕を開ける。
愛から始まる新たな母娘関係と、潜む危険

1976年のブライアン・デ・パルマ監督作『キャリー』と同様、キャリーとマーガレットは不気味な共同生活を送っている。しかし今作では、二人は家の外にある世界に対して何の準備もできておらず、想像を超える衝突に巻き込まれていく。
さらに、二人の関係性自体も過去の『キャリー』作品とは一線を画す。パイパー・ローリーがアカデミー賞にノミネートされた映画版の恐怖に満ちたマーガレットに対し、今作のマーガレットには、より温かみのある人間性が吹き込まれている。ショーランナー、脚本、監督を務めるフラナガンは、二人の関係をこれまでとは異なるアプローチで描いている。
マーガレット役のサマンサ・スローヤンは、今回の役作りについて次のように語っている。
「マイクは彼女のためにあの脚本を書きました。彼は今回の『キャリー』を違ったものにしたいと考え、まずは愛し合う母娘の関係からスタートさせようとしたのです。だからこそ、彼女が娘を裏切る瞬間や頼りにならない瞬間が、より胸を打つものになります。キャリーは母親がそばにいてくれると信じているのに、一番必要な時に突き放されてしまうのですから」
さらに、サマンサは伝説的なローリーの演技からも影響を受けたという。
「ローリーの演技から要素を取り入れることに対して、マイクはとても自由にしてくれました。ローリーのマーガレットは本当に恐ろしい存在で、その恐怖感を失いたくありませんでした。マーガレットがキャリーにとって危険な存在であり、脅威であるという側面を消さないように留意しました。単に愛だけの関係にするのではなく、恐怖が表出する瞬間もしっかり残すようにしたのです」
一方、新世代のキャリーを演じるサマー・H・ハウエルにとっても、フラナガンが施した現代的なアレンジは魅力的な挑戦だった。
「キャリーは外の世界に出て、人と出会い、様々な経験をすることを心から楽しみにしています。ずっと家に閉じ込められていた彼女の純粋な好奇心や開放感を表現するのは、とても刺激的でした。すべてが狂い始めるまでは、感謝と寛容な心を持った少女として演じたかったのです」
惨劇は「キャリーだけ」の問題ではない
学校に通い始めたキャリーは、タイピングや読書、学習を楽しむが、初日からアクティブシューター(無差別乱射)の避難訓練に巻き込まれる。訓練であることを理解できないキャリーは激しい恐怖に陥り、そのショックで潜在的なテレキネシス(念動力)パワーが覚醒。壁の薄型テレビが落下する事態を引き起こす。
激怒したマーガレットは校長室へ乗り込み、「二度と娘にこのような訓練を受けさせない」と激しい抗議を展開する。しかし母が校長を問い詰めている最中、キャリーは体育の授業後のシャワー室で初めての生理を迎える。母親から身体の変化について何も教わっていなかった彼女は、自分が死にかけていると思い込み、パニックに陥ってしまう。
キャリーが絶望の淵に立たされる中、離れた場所にいる見知らぬ少女が、キャリーの痛みを感受していた。その少女の手には、なぜか血が滲み出ている。
インタビューのシーンに戻ると、スー・スネルは静かに語る。「誰もがキャリーについて尋ねるけれど、あそこにいた他の人々のことには誰も触れない。一度も見かけたことがない見知らぬ人たちのことを。みんな正しく問いかけていない。だって、あれは単にキャリーだけの問題ではなかったのだから」
『キャリー』はPrime Videoで全8話独占配信中。(海外ドラマNAVI)






