2021年のプレミア公開から2025年の完結まで、大きな話題を振りまいた『AND JUST LIKE THAT… / セックス・アンド・ザ・シティ新章』。本作は、世界的な現象を巻き起こしたオリジナル版『セックス・アンド・ザ・シティ』(SATC)の固い絆で結ばれた友人たちを再び集結させた。キャリー役のサラ・ジェシカ・パーカー、シャーロット役のクリスティン・デイヴィス、そしてミランダ役のシンシア・ニクソンの三人は、かつてのアイコンとしての面影を残しつつ、50代という新たなライフステージに立つキャラクターを再演。物語は、彼女たちが直面する恋愛、キャリア、そして避けては通れない公私の課題を浮き彫りにした。しかし、本作への評価は決して芳しいものばかりではなかった。批評家や往年のファンからは厳しい声が相次いだが、その一方で、内容を批判しながらも視聴を止められない「ヘイト・ウォッチング」を楽しむ層が一定数存在したことも、本作を語る上で欠かせない現象といえるだろう。
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製作総指揮が語る「年数が経ってから評価される」可能性
こうした世間の反応に対し、脚本家であり製作総指揮も務めるマイケル・パトリック・キングは、独自の視点を持っている。英The Guardian誌との最新インタビューにおいて、キングは『AND JUST LIKE THAT…』が時間の経過とともにカルト的な人気を博す「エイジ・ウェル(年月を経て評価が高まる)」な作品になる可能性を指摘した。
キングは、自身の過去作である『ザ・カムバック』を引き合いに出し、「もしあの作品から学んだことがあるとすれば、それは人々の認識は年月とともに変わり得るということだ」と語っている。当時の『ザ・カムバック』は、当初こそ「失敗作」というレッテルを貼られたものの、時代が作品の先見性に追いつくにつれて、その重要性が再評価された経緯がある。キングは『AND JUST LIKE THAT…』にも同様の運命を期待しているのだ。
「キャラクターの凍結」というファン心理との対峙
本作がオリジナル版『SATC』と同じDNAを継承している点は疑いようがない。しかし、描かれるテーマは確実に進化している。かつて社会は、35歳の女性に向かって「結婚すべきだ」と説いた。対して『AND JUST LIKE THAT…』の舞台となる現代社会は、55歳の女性に向かって「チュールスカートを履くべきではない」と説く。こうした「個人対社会」という構図を描くことに、常にクリエイターとしての興奮を覚えてきたという。
ファンの反発についても冷静に分析している。「驚きだったのは、ファンはキャラクターに変わってほしくないのだと気づいたことだ。彼らは、自分が恋に落ちた当時のまま、凍結されたキャラクターの姿を見たいと願っている」
物語を前進させようとする作り手にとって、これは避けられないジレンマだ。しかし、キングは断言する。「もし真の大惨事が起こるとすれば、それは『AND JUST LIKE THAT…』が無理に『SATC』になろうとした時だろう。たとえ前の方が良かったと叩かれたとしても、一度過去を壊して新しい番組として戻ってくる方が、はるかに健全だ。いいじゃないか、かつての番組(旧作)だって、今もそこにあるのだから」
変化を恐れず、現在の彼女たちのリアルを突きつけた『AND JUST LIKE THAT…』。その真の価値が定まるのは、もう少し先のことになるのかもしれない。
『AND JUST LIKE THAT… / セックス・アンド・ザ・シティ新章』と『ザ・カムバック』はU-NEXTで独占配信中。(海外ドラマNAVI)
参考元:Deadline




