人気犯罪捜査ドラマ『X-ファイル』でフォックス・モルダーを演じたデヴィッド・ドゥカヴニーが、初期の製作段階における知られざる矛盾について明かしている。
-

『X-ファイル』デヴィッド・ドゥカヴニー出演の新作ミステリー『マリス ~悪意のワナ~』とは?写真が到着
1990年代に社会現象を巻き起こした大ヒットSFドラマ『X- …
デヴィッド・ドゥカヴニーが明かす「火の恐怖」の矛盾点
デヴィッドは、自身のポッドキャスト番組『Fail Better with David Duchovny(原題)』に『BONES -骨は語る-』のエミリー・デシャネルをゲストとして迎え、『X-ファイル』シーズン1第12話「炎」の撮影裏話を披露。このエピソードでは、モルダーが連続放火犯を追跡する中で、彼が抱える火に対する恐怖が描かれた。
デヴィッドはこの時のことを鮮明に覚えている。
「エピソードの途中で、ふとこんなことを考えたのを覚えている。確か、あのエピソードを書いたクリス・カーターのところに行って、“パイロット版でモルダーとスカリーが、建物が燃えるのを見ていたじゃないですか? モルダーはかなり平気そうでしたよ。彼は火を気にしていなかったんですよ”と言ったんだ」
パイロット版と本編エピソードにおける、モルダーの「火への反応」の食い違いに気づき、クリエイターのクリス・カーターへ直接疑問を呈したことを明かしている。
キャラクターへの情熱が生んだ「監督との衝突」
さらにデヴィッドは、『X-ファイル』の知識がほとんどないエピソード監督たちが、モルダーについて口出しすることに「大嫌い」だったという、当時の現場でのフラストレーションを語る。
「監督たちが現場に来ると、最高の脚本があると知るんだ。『X-ファイル』もそうだった。“これは最高の脚本だ!”ってね。そう言っているのに台無しにしようとしていた。彼らは危険な存在で危なっかしかった」
デヴィッドにとって、モルダーというキャラクターは既に確立された存在であり、監督たちの一時的な解釈によって揺さぶられることに強い抵抗感があったようだ。
「よく、“こんなモルダーは初めて見た”と言われて、僕は“ああ、10回くらいは見たことあるよ。10回くらいはモルダーがこんな風になるのをね”って答えてたよ」と、デヴィッドは回想する。彼が、どれほどモルダーというキャラクターを深く理解し、その一貫性を守ろうと努力していたかが窺えるエピソードだ。
このデヴィッドの体験談を聞いたエミリーも、『BONES』で演じたブレナンがヘビを怖がるエピソードを撮影した際、「シーズン1ではボーンズはヘビを平気で扱っていたのに」と感じたという、同様のジレンマを語っている。
デヴィッドは、これこそがテレビ俳優の責務であると指摘する。「テレビ俳優は自分のキャラクターのキュレーターのような存在でなければならない」
彼は、一人のキャラクターを何年にもわたって演じ続ける俳優こそが、そのキャラクターの最も深い理解者であり、その一貫性や整合性を守る「管理者(キュレーター)」でなければならないという強い信念を持っている。デヴィッドの告白は、長寿番組において、主演俳優がキャラクターの魂を守るために、製作側と密に議論を重ねていたという、エンタメの裏側を垣間見せる貴重な証言といえるだろう。
デヴィッドといえば、11月14日(金)よりAmazon Prime Video(プライムビデオ)で『マリス ~悪意のワナ~』が配信開始となる。『X-ファイル』は、Disney+(ディズニープラス)とParamount+(パラプラ)で配信中。(海外ドラマNAVI)
参考元:TV Insider


![X-ファイル シーズン1(SEASONS ブルーレイ・ボックス) [Blu-ray]](https://m.media-amazon.com/images/I/51Bp3chqcML._SL500_.jpg)
