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最も高値で落札されたデヴィッド・リンチの遺品とは?トップ10発表

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デヴィッド・リンチ

『エレファント・マン』『砂の惑星』『ツイン・ピークス』『マルホランド・ドライブ』といった映画やドラマで独自の世界を作り上げた鬼才デヴィッド・リンチ。今年初めに亡くなった彼の遺品の数々がオークションにかけられた。その中で特に高値で取引されたアイテムのトップ10を、米Deadlineが伝えている。

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リンチ監督は今年1月16日に逝去(享年78)。長年の喫煙習慣により肺気腫を患っていたことで、本来なら軽い病でも彼にとっては命取りになり得ることから、外に出て監督業を行うことは難しいとして、晩年は創作活動が控えめだった。今月18日(水)、故人が所有していた約450もの品々が、死からおよそ5ヵ月経ったタイミングで競売にかけられた。ビバリーヒルズの会場だけでなくオンラインを通して世界中のコレクターやファンが参加する中、最も高い金額で落札された10品は以下の通り。

デヴィッド・リンチの遺品オークション 高額落札トップ10

1位:『Ronnie Rocket(原題)』の未完の脚本(19万5000ドル≒約2830万円)

デヴィッド・リンチ

リンチの手掛けた作品に関するものが多数出品される中、最も高い金額をつけたのが『Ronnie Rocket: The Absurd Mystery of the Strange Forces of Existence(原題)』というタイトルのついた未完の映画脚本。書き終わっていない同作の脚本は全部で11冊あり、その一部には1988年、1991年、2012年と日付が記されている。表紙に描かれた意味深な絵柄も含めて、どんな内容なのか気になるところだ。

1位:『ロスト・ハイウェイ』の脚本(19万5000ドル≒約2830万円)

デヴィッド・リンチ

1997年の映画『ロスト・ハイウェイ』の脚本も、同じく最高値で落札された。1995年11月17日と記された115ページに及ぶ脚本は、1995年11月21日、12月7日、1996年1月3日という3回にわたって改訂されている。表紙の右上にコーヒー好きのリンチがつけたと思われるコーヒーの染みがあったり、表紙をめくった次のページにリンチによるタイプ打ちの声明が記されているところがマニア心をくすぐったようだ。

ちなみに、声明の内容はこちら。

「21世紀のノワール・ホラー映画。
 並行するアイデンティティの危機へのグラフィックな探求。
 時間が危険なほど制御不能となった世界。
 失われたハイウェイを疾走する恐怖の旅。

 デヴィッド・リンチ 1995年6月」

3位:『マルホランド・ドライブ』の脚本(10万4000ドル≒約1510万円)

デヴィッド・リンチ

同額でトップに輝いた2つの脚本に続いたのは、2001年の映画『マルホランド・ドライブ』の脚本(全部で3冊)。そのうち、1998年12月23日の日付が記され、手書きで「Mary」と書かれた96ページの脚本には、いくつもの注釈が書き込まれており、編集を担当するメアリー・スウィーニーの脚本と思われる。残る2冊(いずれも92ページ)はシリアルナンバー(0000000160、0000000161)付きで、そのうちの一つには1999年1月14日の日付で「この脚本の完全性を守ることを非常に重要視しています。この脚本を誰にも読ませないでください――あなた専用のものです」というメモ用紙が添付されている。

4位:『ツイン・ピークス』の脚本(9万1000ドル≒約1320万円)

デヴィッド・リンチ

米ABCで1990年から2シーズンにわたって続き、その後に映画とリブート版が作られるほどカルト的人気を博したミステリードラマ『ツイン・ピークス』の脚本もランクイン。

1988年1月23日という日付が記された第2稿(全部で2冊。いずれも101ページ)で、最終的に登場しなかった「ジョヴァンナ・パッカード」というキャラクターもここには書かれている。この役柄はもともとイザベラ・ロッセリーニのために考案されたが、彼女は撮影開始前にプロジェクトから降板していた。また、このうち一冊はタイトル確定前に使われていた仮題の一つ、「Northwest Passage」がもともとタイピングされ、それを消して「ツイン・ピークス」と手で書かれているところもポイントのようだ。

4位:デヴィッド・リンチの椅子(9万1000ドル≒約1320万円)

デヴィッド・リンチ

前項の『ツイン・ピークス』脚本と同じ値がついたのは、リンチ監督が撮影中に使っていた椅子。フレームは木製で、座面と背もたれは赤い革で構成。背もたれの部分に彼の名前が記されている。

6位:『ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間』の脚本(7万8000ドル≒約1130万円)

デヴィッド・リンチ

4位につけた『ツイン・ピークス』の脚本に続き、その映画版(1992年)の脚本もトップ10入り。ショットリスト脚本を収めた黒いバインダー1冊のほか、「Fire Walk with Me: Teresa Banks and the Last Seven Days of Laura Palmer」という仮タイトルの機密扱いのプレリリース版草案(1991年7月3日付。117ページ)、機密扱いの草案(1991年8月8日付。126ページ)、脚本の一部(シーン20~302の様々な場面を含む)、未開封のDVDなどがセットになっている。

7位:『ワイルド・アット・ハート』の脚本(5万8500ドル≒約850万円)

デヴィッド・リンチ

1990年の映画『ワイルド・アット・ハート』の脚本(全部で3冊)。3冊とも1989年8月2日付の改訂初稿で、そのうち1冊は下線が引かれ、大型の3穴バインダーに収められている。残る2冊は追加プロダクション用脚本。

8位:リンチ手製のお香立て(5万2000ドル≒約750万円)

デヴィッド・リンチ

トップ10入りしたものの中で一番の変わり種と言えるのが、アーティストとして様々なものに取り組んだリンチが自らデザイン・制作したキューブ型のお香立て。特に注目すべきはこれが1974年製と、1976年のリンチの長編デビュー映画『イレイザーヘッド』よりも前に作られていることだろう。

正四角形のそれぞれの側面に異なるアーチや出入口が施されており、底面には緑色のフェルトが貼られている。なお、底に貼られたラベルの作者名が「デヴィッド・K・リンチ」と、ミドルネームであるキース(Keith)のイニシャル入りなのも、ファンには見逃せないのかもしれない。

8位:『イレイザーヘッド』の35mmフィルム(5万2000ドル≒約750万円)

デヴィッド・リンチ

落札金額がお香立てと同じだったのは、1976年の長編デビュー映画『イレイザーヘッド』の35mmフィルム。リンチ本人が所有していたこのフィルムは、2004年にラスベガスの映画祭で同作が上映された際に使われたもので、各リールの外層にはその際に映画祭スタッフがチェックしたことを示す黒マーカーの手書きメモも記されている。

10位:『ツイン・ピークス The Return』の小道具(4万5500ドル≒約660万円)

デヴィッド・リンチ

10位に滑り込んだのは、『ツイン・ピークス』のリブート版となる2017年の『ツイン・ピークス:ザ・リターン』に登場する小道具、核爆発の瞬間を捉えた額縁入りの白黒写真だ。

第7話でリンチ演じるFBI副長官ゴードン・コールのオフィスに飾られていたこの写真は、続く第8話で綴られる作品の核心に向けた伏線となっており、重要な意味合いを持つ。

オークションの総売上はおよそ425万ドル(約6億1600万円)。前述した作品のほかにも『砂の惑星』『インランド・エンパイア』などのリンチ作品に関する制作資料や小道具、記念品が多数含まれ、彼の未完成プロジェクトに関する貴重な品々も擁していたという。さらには鬼才の私生活が垣間見える機会でもあり、彼の楽器から録音機材、美術作品、家具、インテリア、コーヒーマシン、自宅の木工室で使用していた工具に至るまで、様々な私物も出品されていた。

『ツイン・ピークス』シリーズはAmazon Prime Video(アマゾンプライム)にて配信中。(海外ドラマNAVI)


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参考元:米Deadline

Photo:Julien's Auction

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海外ドラマNAVI編集部

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