カルト的人気を誇るドラマ『ツイン・ピークス』でFBI捜査官デイル・クーパーを演じたカイル・マクラクランが、キャラクター作りの裏側を明かした。
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デヴィッドのしぐさをちょっと拝借
英ロンドンで6月16日に開催されたBFI「Film on Film Festival」のQ&Aイベントに登壇したカイルは、1990年の初回放送以来初めて、自身でパイロットエピソードを鑑賞。その後のトークで、クーパーという人物像には、監督デヴィッド・リンチ本人の癖や人柄を反映させたと語った。
「FBI捜査官をリサーチしたわけじゃない。自分なりの解釈で作ったんだけど、デヴィッドのしぐさをちょっと拝借したんだ」
リンチが特に情熱を注いでいたものとして、マクラクランは「木、コーヒー、パイ」を挙げる。そうした“日常の小さなもの”への純粋な愛情を、クーパーにも込めたかったのだという。「彼のそういう好奇心や純粋さが好きで、それをキャラクターに反映させたかった。まるで子どもみたいな眼差しで世界を見るんだよ」
カイルにとって、リンチは“キャリアの原点”。1984年の映画『デューン/砂の惑星』で主演に抜擢され、これが映画初出演となった。その後も『ブルーベルベット』(1986年)でタッグを組み、プライベートでも親しい関係を築いてきた。
「彼はいつも僕を信じてくれていた。自信を失っていた時でも、絶対的な信頼を寄せてくれた」
初のスクリーンテストで戸惑い、「無理かもしれない」と諦めかけたカイルに対し、リンチはこう声をかけたという。「“ケイル(Kale)、君ならできる。落ち着いて、自分のタイミングで始めればいい”って言ってくれた。彼の絶対的な信念に救われた」
二人は2017年に『ツイン・ピークス The Return』として再びシリーズに復帰。カイルは同作について「人生でもっとも特別な仕事だった」と語る。「毎朝4時に起きてコーヒーを淹れながら、“今日はデヴィッドと仕事だ”って考えるだけで幸せだったよ。顔に血を塗られても、マッサージされても、“デヴィッド、愛してる”って思ってた(笑)」
最後にカイルは、長年の友人であり恩師でもあったリンチをこう称えた。「彼のような人は他にいないし、これからも現れない。彼の芸術は、映画やテレビに限らず、人の心の深い部分に語りかけてくる。彼は…本当に“魔法”のような存在だったよ」
(海外ドラマNAVI)