
Netflixの人気ドラマ『ハウス・オブ・カード 野望の階段』で冷酷な大統領フランク・アンダーウッドを演じたケヴィン・スペイシーが、約5年ぶりに同役を再演した。
フランク・アンダーウッド、まさかのPR動画で復活
復活の場は意外にも政治ドラマではなく、米コメディアン、ティム・ディロンのNetflix新作スタンドアップ・スペシャル『I’m Your Mother(原題)』のプロモーション動画だった。
My new special is out on Netflix right now. Give it a watch. pic.twitter.com/pkGGXEGIqT
— Tim Dillon (@TimJDillon) April 15, 2025
このプロモーション動画でケヴィンは、かつてのキャラクターそのままにティムに向かってこう語りかける。「ポッドキャスターどもは、自分たちが王国を引き継いだとでも思っているようだな。耳元で囁き、選挙を操り、真実をねじ曲げて…。だが、お前らはただのピエロだ」
驚いたティムが「フランク・アンダーウッド?死んだはずでは?」と問うと、ケヴィンは冷たく皮肉交じりに返す。「俺はジョン・マケインくらいには死んでる」
その後、アンダーウッドはティムのフードデリバリーのレシートや怪しい写真を使って脅迫しようとするが、ティムは余裕の表情でこう言い返す。「全部もうネットに上げたよ。今の時代、脅迫なんてない。“コンテンツ”があるだけさ」
ケヴィンは舌を巻きながらも、「お前は俺好みのクソ野郎だ」と称賛(?)を送るが、最後にはNetflixで配信されると知って、「お前は、下劣で、孤独で、邪悪な小さなゴキブリだ」と吐き捨てるように締めくくる。
なぜ今、フランク・アンダーウッドを再演?
この一見ふざけた映像には、過去の因縁もにじむ。ケヴィンは2017年、若手男性俳優への性的加害疑惑を受け、『ハウス・オブ・カード』を降板。2022年には制作会社MRCから約3,100万ドルの損害賠償を命じられた(2024年に100万ドルへ減額)。
そんなケヴィンが、かつて離れざるを得なかったNetflix関連のコンテンツに“フランクとして”登場するという演出には、少なからず皮肉的な意味が込められているのかもしれない。
『ハウス・オブ・カード 野望の階段』シーズン1〜6は、Netflixにて配信中。(海外ドラマNAVI)
Photo:『ハウス・オブ・カード 野望の階段』© David Giesbrecht/Netflix