『クリミナル・マインド』のケイト・キャラハン役や『ゴースト ~天国からのささやき』のメリンダ・ゴードン役、『9-1-1:LA救命最前線』のマディ・ケンドール役で知られるジェニファー・ラヴ・ヒューイットが、自身の母の死をめぐるトラウマ的な体験について語った。米Entertainment Weeklyが伝えている。
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【降板理由】『クリミナル・マインド』を去ったキャスト8人
米CBSで2005年から放送スタートした犯罪捜査ドラマ『クリミナル・マインド FBI行動分析課』。本国アメリカでは今年2月に幕を閉じた本作が、ついに日本でもシリーズ最終話を迎える。全15シーズン&全324話の長寿ドラマシリーズ、現BAUメンバーは8人だがこれまで彼らを含め16人の捜査官が、幾度となく異常犯罪者をプロファ…
10時間あまりのフライトを終えてみたら…
女優のみならず、監督・プロデューサーなどとしても活躍しているジェニファー。自伝「Inheriting Magic(原題)」に続いて、12月14日には監督、製作総指揮を務め、夫ブライアン・ハリセイ(『クライアント・リスト』)と共演した映画『The Holiday Junkie(原題)』がリリースされる。
これらの本と映画は、2012年6月12日にガンの合併症で亡くなったジェニファーの母パトリシア・メイを偲んで作られたもの。ロサンゼルスの本屋で開かれたイベントで母の死を振り返り、自分よりも先にマスコミがその死を知っていたことについて口を開いた。
「本の中には書かなかったけれど、実際には私よりも先にマスコミが母の亡くなったことを知っていたの」と語るジェニファー。母親が亡くなった時、彼女はモナコ公国で開かれたモンテカルロ・テレビ祭から飛行機で帰国している最中だったという。「(モナコからの)帰りのフライトは本当に長くて、10時間半くらいかかった。だから私の乗った飛行機が着く頃には(報道を通して母の死を)みんなが知っていたのよ。あれは私にとってすごく変なことだった」と振り返る。
ショッキングな形で愛する母の死を知ったジェニファー。しかし、子役の頃から活躍していた彼女は、仕方ないと考えるようになったという。「でも後になって、“もともと私の人生についてはいつだって何だって知られていたようなものだし”って思えるようになったの。私が誰かと破局した時だって、(周りは)“彼は前から浮気していたでしょ”って感じの反応で、それを聞いた私は“本当に? じゃあなんで教えてくれなかったのよ”と思ったわ」
母の死から12年が経って、ようやく大切な思い出について語る準備ができたとジェニファーは説明する。「私が傷ついたり、嫌なことがあったりすると、母はクリスマス用のライトを点けてくれた。そうすることで気分が盛り上がるって信じていたの」と母との思い出を語る彼女は、『The Holiday Junkie』で初めて母不在のクリスマスを迎えることになった女性を演じている。
「幸せな人だけでなく、悲しい思いをしている人のためにもなるような映画にしたかったの。ホリデーシーズンにおける楽しさ・悲しさの双方を描きたかった。だって現実ではどちらの要素もあるものだから。私はホリデーが好きだけど、母がいないクリスマスは本当に辛い。ついつい落ち込むし、時にはそれが長引くこともある。でもそれでいいと思う。クリスマスを楽しめていないということではなくて、心に穴が開いているだけで、そういうのって起こることだもの」
監督なども務めたジェニファーは、この作品を現場のみんなの今は亡き愛する人たちに捧げたものになるよう、キャストやスタッフが大切な故人の写真を貼れるボードを用意して、自分たちがこの映画を作る目的をいつでも思い出せるような工夫をしたのだとか。
「私一人だけの体験のように感じさせたくなかった。みんなのものにしたかったの。だから、スタッフをはじめとしたみんなが最後に“父や祖母に捧げることができたような気がする”とか“彼らが一緒にここにいてくれたように感じた”という風になって本当に良かった」と話すジェニファー。辛い体験を乗り越えた彼女だからこそ、同じような思いをしている人に寄り添える作品作りができるのだろう。
『クリミナル・マインド』シーズン1~17はDisney+(ディズニープラス)にて配信中。(海外ドラマNAVI)