『HEROES/ヒーローズ』が打ち切りになった理由

マーベルやDCユニバースが映画・ドラマ界を席巻する前となる2006年より、米NBCにて4シーズンにわたって放送された『HEROES/ヒーローズ』。ユニークな設定で大きな人気を博した本シリーズは、なぜ4シーズンで打ち切りになってしまったのだろうか?

 

視聴者数が半分以下に…

『HEROES/ヒーローズ』は、時空を操作したり、空を飛んだりするスーパーパワーを手にした普通の人々が団結し、超能力を持つ連続殺人犯サイラーと対決するというストーリー。

Screen Rantによると、シーズン1は平均視聴者数1380万人を叩き出す大ヒットを放ったが、2007年にスタートした全米脚本家組合のストライキが影響し、全24話になる予定だったシーズン2が全11話に減少。大幅にエピソード数が減ったにもかかわらず、シーズン2では新しいキャラクターが増え、複雑なストーリーラインを押し進めた。

シーズン2はシーズン1と同様の視聴者数を維持できたものの、シーズン2の製作がつまずいたせいでシーズン3のクオリティが低下。それに伴い、シーズン3の視聴者数は760万人まで落ち込み、シーズン4の放送開始時には650万人となり、シーズン1の半分以下に。その数字ではシーズン更新に十分ではないと判断したNBCがキャンセルを決定した。

視聴率が低下した他の理由として、劇中で描かれる大掛かりなアクションシーンと、増え続けるキャストのせいで製作費がかさんだことも挙げられている。番組の継続には予算をカットするしか道はなかったが、そうすると特殊効果などが安っぽくなり、魅力を失った番組から視聴者が離れていく悪循環を止められなくなってしまった。

『HEROES』は、残念ながらシーズン4をもって2010年に幕を閉じたが、ピーター・ペトレリ役を演じたマイロ・ヴィンティミリア(『THIS IS US/ディス・イズ・アス』やサイラー役のザカリー・クイント(リブート映画『スター・トレック』シリーズ)、クレア・ベネット役のヘイデン・パネッティーア(『ナッシュビル カントリーミュージックの聖地』)といったスターを輩出した。

2000年代を代表するドラマシリーズとなった『HEROES』は、放送終了から5年後となる2015年にリブート版『HEROES Reborn/ヒーローズ・リボーン』として復活。このシリーズは本家の5年後、能力者たちが「進化した人間」を意味する通称“イヴォ”と呼ばれ、危険な存在として扱われる世界が舞台に。多くのキャストを一新してスタートを切ったが、本家シーズン1のような魅力をアピールできず、シーズン2には更新されなかった。

ハリウッドでは、過去の人気作品をリメイクまたはリブートする傾向が今も衰えていないため、今年4月には新たなリブート版の製作が決定。オリジナル版の出来事から数年後が舞台になるという。

『HEROES/ヒーローズ』シーズン1~4と『HEROES Reborn/ヒーローズ・リボーン』HuluU-NEXTにて配信中。(海外ドラマNAVI)

Photo:『HEROES/ヒーローズ』©2007 Universal Studios.All Rights Reserved.