『サイドウェイ』で見事なコンビを見せたアレクサンダー・ペイン監督とポール・ジアマッティが再びタッグを組んだ『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』が、6月21日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほかにて全国公開。
本作でひとり息子を失ったメアリーを演じ、本年度アカデミー賞で助演女優賞を受賞したダヴァイン・ジョイ・ランドルフは、『The Idol/ジ・アイドル』などドラマファンにもおなじみなりつつある。そんな彼女が、この注目作『ホールドオーバーズ』について語るインタビュー映像が解禁!
映画『ホールドオーバーズ』
『ホールドオーバーズ』は、『サイドウェイ』と『ファミリー・ツリー』で二度のアカデミー賞脚色賞に輝くアレクサンダー・ペイン監督最新作。日本でリメイクもされた『サイドウェイ』で主演していた名優ポール・ジアマッティとの再タッグは映画ファンの胸を高鳴らせ、ゴールデングローブ賞で主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)を見事受賞。
さらに、本年度のアカデミー賞助演女優賞受賞をはじめ、ゴールデンクローブ賞ほか全58賞(3月5日時点)と全米の映画賞を総なめにしたダヴァイン・ジョイ・ランドルフが、言葉ではなく、表情や仕草で大切なひとり息子を失ったメアリーの孤独を体現し、新人のドミニク・セッサは家族との複雑な関係を繊細に演じて強い印象を残している。ペインの細い糸を織り成すような丁寧な演出と3人の見事な名演が融合し、小さな心のひだの動きが刻まれた、静かなマスターピースとして結晶した。
ダヴァイン・ジョイ・ランドルフとは?
他を寄せ付けない圧倒的な高評価で、本年度アカデミー賞で助演女優賞を受賞したダヴァイン・ジョイ・ランドルフは、2019年、エディ・マーフィの相手役を務めた『ルディ・レイ・ムーア』で注目を集め、映画やTVドラマにひっぱりだこの存在となった。ドラマファンには、ザ・ウィークエンドととリリー=ローズ・デップが共演し、過激な描写で話題になったドラマ『The Idol/ジ・アイドル』で演じたポップスター、ジョスリン(リリー・ローズ・デップ)の守護神とも言うべきマネージャーのデスティニー役で見せた圧倒的な存在感は記憶に新しいところだろう。
オスカー受賞後も、米タイム誌が選んだ「世界で最も影響力のある100人」に宮崎駿監督やソフィア・コッポラ、ジェフリー・ライト、カイリー・ミノーグ、マイケル・J・フォックスなどとともに選出され、ミシェル・ゴンドリー監督待望の新作となる世界的ポップスターファレル・ウィリアムスの伝記映画へのメインキャストとしての出演が発表、5月に開催されたモードの祭典「MET GALA」では見事なデニムドレスを着用した姿が大きな注目を浴び、自身初となるA24作品への出演が決定…とその勢いは止まらない。
ランドルフが本作で演じるのは、全寮制の名門バートン校の料理長を務めるメアリー・ラム。クリスマス休暇を迎え、大半の生徒や教師が家族と過ごすために家に戻る中、彼女はこの学校に留まっていた。それは、かつてこの学校の生徒だった一人息子のカーティスをベトナム戦争で失ったばかりで、息子と最後に過ごしたこの場所に自分がいてあげないと彼が寂しがるからという理由だった。その上で悲しみをただ背負うだけでなく、同じくこの学校に留まることになる古代史の教師ハナム(ポール・ジアマッティ)と勉強はできるが反抗的な生徒アンガス(ドミニク・セッサ)が少しずつお互いを理解し合っていくのを繋ぐ、重要な役どころを担っている。
【インタビュー映像】
このインタビュー映像では、本作でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされ、金融ドラマシリーズ『ビリオンズ』での米連邦検事チャック・ロードスでもおなじみの名優ジアマッティについて、「彼ほどの実力を持つ俳優になると、真剣すぎて堅苦しい人もいる。オンとオフをよどみなく切り替えられることは、彼の実力を物語っていると思う。“アクション”と声がかかる直前に、彼が役に入る瞬間を見るのが大好き」と語りながら、リズミカルに指を鳴らしたりウインクしたりしながら答えていくのが印象的だ。
ペイン監督については、「映画作りは楽じゃない。捉え方次第ではマラソンのように過酷よ。短距離走ではない。だから監督を見ていると、元気が出てやる気が増した。彼ほどのキャリアを持つ人が純粋な情熱を持ち続けている。そんな気持ちを忘れていない人に、大勢の人は心を動かされるのだと思う。そういう人に憧れを抱く」などと熱くコメント。共演者や監督の人となりをよく見ていることが伺える言葉が続く。
また、物語の中心となる3人について「状況が違っていたら理解し合うこともなく、絆が生まれることもなかったかもしれない。だけど、予想もしなかった形で彼らはお互いを支え合うことになる。彼らはそれぞれに大切なものを失い、傷を抱えている。人というのは、どん底を経験した時にこそ心を開くことができる」などと説明。彼女はそれぞれに不器用である3人のことを“黒い羊”(集団に混じれない者)とも分析するが、「心を開いてみれば、相手の本当の姿を知ることができる。救いの手を受け入れるとどうなるか、自分には何かできるかを見せてくれる映画よ」と、映画に込められたメッセージで締めくくった。
ダヴァイン・ジョイ・ランドルフの印象
監督は、メアリーという人物の重層的な人柄を感じさせるために、ランドルフ自身が持つ演技力の高さを高く評価。そのうえで、「ドラマチックな役にはコミカルな演技ができる俳優が似合います。ダヴァインは感情を安っぽく表現せずに、映画を盛り上げるリズム感を持っているのです。そして、メアリーという役を本当に深く理解してくれていました」と語る。
アンガスを演じ、演技派ふたりに引けを取らない鮮烈な印象を残したセッサは、撮影現場でのランドルフについて「ダヴァインには毎日笑わされましたね。彼女は現場で一番声が大きくて、クレイジーな発言をしてた。大声で暴言が聞こえたらそれは彼女だ(笑)それでいて、場の空気を変えるような特別な存在感があるんです」と、彼女の人となりを明かしている。
そんな彼女だが、来月ノミネーション発表となるエミー賞では、オスカー受賞の勢いで『マーダーズ・イン・ビルディング』シーズン3でコメディ部門のゲスト女優賞へのノミネートにも期待がかかっている。各方面でのさらなる飛躍が期待される、いま最も旬な女優の大出世作にぜひ注目してほしい。
【STORY】
1970年冬、ボストン近郊。全寮制の名門バートン校の生徒や教師たちは、誰もが家族の待つ家に帰り、クリスマスと新年を過ごす。しかし、留まらざるを得ない者もいた。生真面目で融通が利かず、生徒からも教師仲間からも嫌われている古代史の教師ハナム。勉強はできるが反抗的で家族に難ありの生徒アンガス。ベトナム戦争でひとり息子カーティスを失ったばかりの料理長メアリー。雪に閉ざされた学校で、反発し合いながらも、孤独な彼らの魂は寄り添い合ってゆく――。
(海外ドラマNAVI)
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