日本の封建時代を舞台に描く大作ドラマ『SHOGUN 将軍』で戸田鞠子役を演じ、世界中から注目されているアンナ・サワイが、日本と欧米の違いについて語っている。
アンナ・サワイ、日本では「“はい”と答えるのが一番大人びたこと」
ニュージーランド出身の日系人で、日本で5人組女性ダンスボーカルグループ「FAKY」のメンバーとして活動していたこともあるアンナは日本語と英語を流暢に操り、両国の文化への理解が深い。そんな国際人であるアンナが、米The Hollywood Reporterによるニコール・キッドマンやジョディ・フォスター、ブリー・ラーソンといった人気俳優との座談会に参加した。
過去にポップシンガーとして活動していたことがあるブリーに対して、「ティーンエイジャーの頃に、良くないと思ったことに対して“NO”という勇気を持っていましたか?」との質問が投げかけられ、「はっきりと“YES”と“NO”と答えることに慣れていました」と返したブリーの答えに、アンナが次のように反応した。
「私も日本で、しばらく(ポップススターとして)仕事をしたことがあったのだけど、彼らに『“はい”と答えるのが一番大人びたことだ。常に“はい”と言って、自分が求めることを言ってはいけない。私たちは長い間、この仕事をしてきたんだから、私たちのことを信用しなさい』と言われました。自分がしたいことを言うことに慣れ始めたのは、ここ数年のことです。チームに“何がしたい?”と訊かれて、“私?”と答えることが凄く新鮮です」
またアンナは、『SHOGUN 将軍』で日本人女性が、白人男性に性的に扱われるのではないかと心配していたとの話題になった時、シーズン1でジョン・ブラックソーン/按針が温泉に浸かっている時に鞠子が登場するシーンに言及した。
そのシーンをオーディションで演じなければならなかったアンナは、「この作品も同じなのかな」と思いながら、製作側が期待しているであろう鞠子像を演じてテープに収録したという。ところが製作チームから連絡はなく、その後にショーランナーと話をしたアンナは、温泉のシーンが性的なものではなく、会話のみにしたいとの説明を受け、再び収録したオーディションテープでは、按針と鞠子が対等の関係にあるよう演じたとのこと。
アンナは、「彼らは私を気に入ってくれました。出演が決まったとき、“よし、これは私たちが見たことのないタイプの女性だ。日本の女性がこれを見たときに、きっと自分自身を反映するだろう”と思いました。そして最終的に入浴シーンでは、ブラックソーンが温泉に入っていて、私のキャラクターはただ座って外を眺めていました。肉体的に何もなかったので、さらに親密さが増し、ついに私たちが本物の日本人女性を描写できるようになり、私はラッキーでした」と語った。
『SHOGUN 将軍』では女性の在り方だけでなく、歴史的背景や衣装、舞台美術、アクションシーンに至るまで徹底的に“リアル”を追求し、絶賛されている。
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Photo:KATIE YU/FX