『ウォーキング・デッド』シリーズの天才子役ケイリー・フレミングにインタビュー!初主演作『ブルー きみは大丈夫』を語る

子供のとき、おままごとや一人遊びの時に作り出した空想の友達が、もしも大人になった今でも、そばであなたを見守ってくれているとしたら…。ハリウッドの新進気鋭クリエイター、ジョン・クラシンスキーが贈る最新作は、そんな独創的な発想から生まれた、孤独な少女と、子供にしか見えない“もふもふ”ブルーの物語『ブルー きみは大丈夫』は、6月14日(金)に日本公開。

この度、主人公の少女ビーを演じたケイリー・フレミングのインタビューが解禁! 作品の魅力や共演者ライアン・レイノルズとの裏話などを語った。

映画『ブルー きみは大丈夫』概要&あらすじ

音を出してはいけない世界で暮らす家族を描いた、シチュエーション・スリラーの傑作『クワイエット・プレイス』を生んだジョン・クラシンスキーが、最新作で選んだ題材は、“想像力豊かな子供にだけ見える不思議な存在”。

作品の中心キャラクターは、パープルブルーで大きなもふもふ“ブルー”。ブルーが友達だった子供は大人になり、彼の事を忘れてしまい、もうすぐ存在が消えてしまう運命にある。そんなブルーが出会ったのは、彼のような存在が見える少女ビー(ケイリー・フレミング)。ライアン・レイノルズ演じる、大人だけどブルーが見える、ビーの隣人の助けも借り、消えゆく“空想の友達”たちを助けようとする。果たして、少女ビーは、ブルーたちを助けてあげることはできるのか? ブルーと少女ビーたちに、どんな奇跡が待ち受けているのか?

『デッドプール』シリーズや、『フリー・ガイ』(21)をはじめ、キレキレのユーモア溢れるキャラで世界中を虜にしてきたライアン・レイノルズと、『ウォーキング・デッド』シリーズのジュディス役で注目を集めた天才子役ケイリー・フレミングが主演した本作。

監督は『ジ・オフィス』『ジャック・ライアン』などに出演する一方、『クワイエット・プレイス』シリーズで今までにない新たなジャンルを切り開きクリエイターとしても活躍するジョン・クラシンスキーが担当。スティーヴ・カレル、マット・デイモンやエミリー・ブラントをはじめ豪華な俳優陣が、声優として集結。

【STORY】
幼い頃に母親を亡くした12歳の少女ビー(ケイリー・フレミング)は、ある日、おばあちゃんの家で、“子供にしか見えない不思議なもふもふ”ブルーと出会う。ブルーが友達だった子供はもう大人になって彼の事を忘れてしまい、居場所が無くなったブルーは、もうすぐ消えてしまう運命に。少女は、大人だけどブルーが見える隣人の男(ライアン・レイノルズ)の力を借り、ブルーの新しいパートナーになってくれる子供を探すのだった。

ケイリー・フレミング<インタビュー>

ライアン・レイノルズとの思い出

——あなたが演じるビーと、ライアン・レイノルズ演じるカルの関係について教えてください。彼女はどんな人物で、どうして二人は出会うのでしょう?

ビーは、悲しいことを経験していて、その気持ちと折り合いをつけないといけない女の子です。自分にみんなの空想の友達が見える力があることに気付くのですが、彼女の他に空想の友達が見えるのはカルだけ。そこで二人の間に不思議な友情が芽生え、この作品では、空想の友達に新しい子供たちを引き合わせるための大冒険にでかけます。(空想の友達と)元々ペアだった子供たちは大きくなってしまったから。二人は最高のチームです。

——何が二人を良いチームにしているのでしょう?
最終的には、二人は似た者同士なのだと思うのですが、同時に全く違うんです。ライアンの役は、もちろんすごくウィットに富んでいます。だってライアンですから。でも根底では、二人の求めていることは同じで、空想の友達たちを助けたいんです。

——空想の友達(IF)とは何でしょう?
空想の友達、想像上の存在です。想像上(Imaginary)の友達(Friends)だから、「IF」です。基本的には私たちの心の写し鏡です。それぞれが違うし、その人にカスタマイズされた存在なの。子供たちは、自分が求めるものから彼らを創造します。ジョンがすごく上手く説明してくれたんですが、彼が言うには、もし学校で虐められていたら、その子の空想の友達は大きくて、守ってくれたりハグしてくれるものになるのかもね、とか。その子その子の頭の中を投影しているから、すごく特別な存在だと思います。だから(作品の)空想の友達は、既に特別なのに、さらに10倍特別です。大きな紫のモンスターを嫌うなんて出来ません!

——印象に残る、撮影セットでライアンと笑った場面などがあれば教えてください。
どうやって笑わないでいられたのか分からないくらいです。作品で私が真顔でいるシーンを見つけたら、ほぼ不可能なことをやってのけていると思ってください。そのテイクだけ、笑わないで出来たんだ、と。空想の友達のインタビューシーン(ビー、カル、ルイスが、ペアになれそうな子供を探すために、空想の友達をオーディションしていく)が一番好きです。人生で一番笑いました。何か飲んだら、鼻から吹き出していたかも。椅子から崩れ落ちそうでした。それもこれも、ライアンが隣に座っていたからです。私は笑い過ぎて死にそうなのに、彼は役のままで素に戻らないんです。プロですね。私は、違うみたいです。

——作品で一番好きな空想の友達は誰ですか?その理由は?
私が一番好きなのはテディベアのルイスです(故ルイス・ゴセット・ジュニア)。彼の物語は、本当にほっこりします。作品での描かれ方も。温かくて、キュートで、もふもふのテディベアです。ブルー(スティーヴ・カレル)がみんなの一番になるのは目に見えていますよね。身長2.5mの紫のモンスター。ハグされたら最高だろうな。それと、キース。キースは透明(目に見えないん)です。最高なヤツです。

撮影の舞台裏は?「毎日が楽しかった」

——ジョンによると、撮影スケジュールとクレジットは、あなたが一番目であるべきだとライアンが主張したとのことですが、それについてはどう思いましたか?
信じられない、と思いました。私は、これまで主役なんて演じたことがないのですが、初めて(の主役)が、このキャストとスタッフで本当に幸運だったと思います。ライアンとジョンが隣にいて、二人が導いてくれたので乗り切れたんだと思います。主役は大きな役割です。でも二人は同じ経験をしているから、気持ちを分かってくれるんです。彼らがいてくれて私はラッキーでした。

——セットでのジョンとライアンはどんな感じでしたか?
二人ともとっても優しくて、面白いんです。そして、みんなそう言いますが、本当に努力家です。二人の仕事姿を見てほしいです。ジョンは監督して演じて脚本も書いているので「それって一体どうやっているの?」と思いますし、ライアンも作品の製作をやりつつ、主役をやっているだけでなく、二人とも家族もいるんです。どうしたらあんなに軽やかに全部できるのか分かりませんが、やっているんです。

——あなたとライアンの、空想の友達との芝居のために、ジョンがセットでパペットを操っていました。それについてはどうでしたか?
正直、あれはどちらかというとジョンが楽しかったんじゃないかな。特にコスモという、影に目玉があるだけでトレンチコートと帽子(中折れハット?)姿のキャラクターがいるんですが、ジョンはコスモでライアンを驚かせて楽しんでいました。私は大笑いしながらそれを見ていました。セットは毎日が楽しかったです。スタッフがいつも大笑いしていました。

——ジョンはコスモでどうやってライアンを驚かせていたのでしょう?
パペットによってジョンは動き方を変えていました。ブルーだったらゆっくり、のし、のし、という感じで、コスモはドタバタといった具合に。コスモはとてもおもしろいし、距離が近すぎるんです。作品ではライアンに取りついてしまうんですが、ジョンはそれを演じるのをすごく楽しんでいました。

——ジョンの妻であるエミリー・ブラントは公式に、あなたは彼女が見た中で最高の女優だと評していました。どう思いましたか?
エミリーは本当に優しくて、才能に溢れているので、彼女に褒めてもらえるなんてとても光栄です。エミリーは何度かセットに来てくれました。色々と抱えていてとても忙しいはずなのに、私たちをすごく応援してくれて…もちろん、ジョンをすごく応援していました。彼女が来る度に気分があがりました。ハグして、撮影に臨む、それだけでその日は良い1日でした。

『ウォーキング・デッド』『ロキ』と比較

——他にも独特な世界(ユニバース)を持つ作品に出演しています。スター・ウォーズやMCUシリーズなどと比べて、ジョン・クラシンスキー・ユニバースはどうでしたか?

そうですね、全く違う、と言えます!(笑)私が過去にやった作品と比べられないと思います。『ウォーキング・デッド』はすごくダークで、『ロキ』はスーパーヒーローものだし。そして、この作品はすごく楽しくて心温まる映画です。ジョンのアイディアから生まれた独創的で唯一無二の映画です。私は彼に選んでもらえてすごく幸運だった。それだけです。それはいつも思います。誰を選んでも良かったのに、世界中の人の中から、私を選んでくれた。考えただけでそのことに圧倒されてしまいます。

——ジョンによれば、娘さんたちにこの映画を作ったと。会ったことはありますか?
はい、幸運なことに知り合えました。ジョンは子供向けの映画ではないですが『クワイエット・プレイス』を作った話をしてくれました。彼は自分の子供たちのために何か特別な作品を作りたかったんだと思います。『ブルー』でそれを実現させたんです。あの子たちが見るかと思うとワクワクします。

一番好きなシーン

——作品の大ミュージカル・シーンについて教えてください。撮影はどんな感じでしたか?
ダンスがあるんです。元々、私はそのシーンの出演はありませんでしたが、1歳の時から踊っているので、それは私としてはあり得ない!と。映画で踊るのがずっと夢でした。なので、振付師のマンディ・ムーアに短い振り付けをオフィスで教えてもらって、教わったばかりだから粗削りでしたが、マンディがそれを録画してジョンに見せたんです。彼は私が踊れるのを全く知らなかったんです! 動画を見た後送ってきたテキストが、全部大文字で「えええええ!踊れたの??」って。私は、もちろんでしょ、こちとら1歳から踊ってるっての!って感じでした。それで私も出演できることになり、夢が叶いました。この作品で一番好きなシーン確定です。みんな気に入ってくれると思います。

——シーンでは大勢の空想の友達と踊っています。どうやって撮影したのでしょう?
モーション・キャプチャー・スーツを着たダンサーが10人くらいいて、私たちと一緒に踊ってくれました。空想の友達の中に二人、騎士がいて。(最終カットでは)後ろにいるんですけど、現場に実際にいて、甲冑一式を着たまま踊りました。私と彼らが、巨大なステージで踊っていた、って感じで、すごく緊張しました。でもジョンが「もうやるだけだ。できるよ」と言ってくれて。その後は思い切り楽しめました。緊張は全部抜けて、踊りました。フル甲冑姿の騎士と。すごいでしょ!

監督ジョン・クラシンスキーの印象は?

——ジョン・クラシンスキーからもらったテキストの中で一番良かったのはどんな内容でしたか?
難しいですね。いつも誉めてくれて、すごく優しくて思いやりがある人なんです。でも、作品で使う音楽のライブ録音を少し聞く機会があって。(レコーディング自体は)私は行けなかったんですけど、ジョンが動画を送ってくれたんです。それを聞いて涙があふれてきました。とても美しかった。(作品を)さらに押し上げてくれています。

——そのテキストはどこでもらいましたか?
私がディズニーランドで夕食を食べたり、ジェットコースターに乗ったりしていた時、ジョンは作曲家の人とライブ録音をしていたんです。ディズニーランドにいるだけで天にも昇る気持ちだったのに、テキストが来て、最高な日、確定となりました。

観客も一緒に成長できる作品

——子供の頃、空想の友達はいましたか?
いませんでした。でも作品の中の友達の中だったら、ルイスが一番好きです。とてもキュートで、思慮深くて、賢くて、声が優しい。空想の友達のリーダー的存在です。彼の物語は作品で描かれています。私にとってすごく特別な存在です。

——10年後、この作品を振り返った時、何が一番記憶に残っていると思いますか?
全てが楽しかったです。でも、コニー・アイランドでの撮影は異次元でした。ロケ撮影は天候に左右されるので難易度があがるんですが、この作品のハートの大部分があそこにある、と思っています。多くの特別なシーンがそこで撮影されました。魔法を感じさせるところだったと思います。

——家族で観る人たちが『ブルーに期待してほしいことはありますか?
私は映画を観るとき、自分がどういう気持ちになるかで評価しています。映画を観た後は、いい気分になりたいし、感動したいし、元気になりたいんです。皆さんが劇場を出る頃には、入った時とは違う気分になっていて欲しいです。作品から学んで欲しいですし、子供の頃の想像力に立ち戻ってみたりして欲しいです。作品が心にきらめきを与えてくれて、何より、出る頃には笑顔になっていて欲しい。それ以上はありません。この作品の素晴らしいところは、観客がビーと一緒に成長できて、彼女と空想の友達と共に旅できること。作品の冒頭での気持ちと、エンディングの気持ちは全く違うはずです。

大きくてもふもふ、一生懸命だけどいつも空回り気味、不憫可愛いブルーの活躍?にも目が離せない。大人になって忘れてしまった“大切なもの”が、あなたにもきっとあったはず。かつて子供だったすべての人に贈る夢と感動の物語『ブルー きみは大丈夫』は、6月14日(金)に公開。公式HP

(海外ドラマNAVI)

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