【ネタバレ】初めてちゃんと対話するリックとミショーン!『ウォーキング・デッド:ザ・ワンズ・フー・リブ』第4話レビュー

U-NEXTにて日米同時配信中の大ヒットサバイバルドラマ『ウォーキング・デッド』の新たなスピンオフ『ウォーキング・デッド:ザ・ワンズ・フー・リブ』。第4話「私たちの生き方」では、リックとミショーンが再会して以来、初めてお互いの思いについて語り合った。(※本記事は第4話「私たちの生き方」のネタバレを含みますのでご注意ください)

今回はリックとミショーンの対話のみ!

今回のエピソードは、アクションも多少あるが、一話を通してリックとミショーンの対話がじっくりと描かれた。第3話「葛藤」のラストで嵐の中、ともに乗っていたヘリコプターからリックを掴みまさかの飛び降りを実行したミショーン。そんな二人は湖に落ちた後で岸へと辿り着き、近くのビルにある一室でひと時を過ごす。そこで、少しメロドラマを感じさせる男女の口論が始まる。二人で故郷に戻りたい、子ども“たち”に会いたいというミショーン。それに対し、CRM(市民共同体軍)がどれほど恐ろしいか君は分かっていない、逃げられないというリック。まるで洗脳されているかのようなリックに、勇敢だった頃の面影を感じないミショーンは苛立ちをぶつけ、二人はそれぞれの過去について正直に話す。そんな経緯を聞いて、それでもお互いのためにともに生き延びていたことを悟る。

ウォーキング・デッド:ザ・ワンズ・フー・リブ

リックを演じるアンドリュー・リンカーンが見せる覇気のない、虚ろな目は、ミショーンを演じるダナイ・グリラのギラギラした目と正反対で、そんな対称的な二人の演技は一話を通して素晴らしいと感じた。特にアンドリューは、セリフが長いシーンも多かったが、おっとり話す中でも感情がすべてに乗っており、かつて勇敢だったが今は“生きる屍”のようになった苦しみを繊細に表現していたように思う。

ウォーキング・デッド:ザ・ワンズ・フー・リブ

ミショーンはこのタイミングで、それまで内緒にしていたリックとの子ども、RJのことも伝える。切り札に取っておいたのだろうが、自分の息子の存在を知り動揺を隠せないリック。それを知らされても煮えきらない彼に愛想を尽かし、武装して部屋を出たミショーンが、廊下でいっとき、リックが追いかけてくるのを待つシーンがある。部屋の中ではドアを前に追いかけるべきか否かを悩むリックの姿があり、「これは定番の、ギリギリで部屋を出て追いかけるやつか!?」と典型的な恋愛ドラマを見ているかのような気にはなったが、たまにはこういうのもアリだろう。結局やはり“お決まり”の展開のようにミショーンを追いかけたリック。そこへ現れたCRMのヘリの爆撃により崩壊していくビルとその中で襲ってくるウォーカーから、合流した二人は協力して逃げ出すことに。

ウォーキング・デッド:ザ・ワンズ・フー・リブ

仲直りした二人の逃避行が始まる

力を合わせて爆撃とウォーカーの攻撃を乗り越え、お互いの大切さを改めて感じた二人は、どこにそんな余裕が?と思いつつも、ベッドで親密になる。ミショーンと愛し合うリックの一瞬戸惑う表情に、“生きる屍”だったこの数年の生き様がうまく描かれていたと感じた。その後、「俺に似てるなら(RJは)ハンサムだな」というようなジョークまで飛ばし、急に心に余裕が出てきたように見えた。

ウォーキング・デッド:ザ・ワンズ・フー・リブ

ウォーキング・デッド:ザ・ワンズ・フー・リブ

絆を取り戻したリックとミショーンは改めて胸の内をさらけ出し、一緒に家に戻って家族を守る道を見つけることを決める。ビルの外で運良く車を見つけた二人。マニュアルは運転できないというイケてない(失礼!)リックに、ちょっと母性をくすぐられたようなミショーン。「私が運転する」と言いつつイチャイチャしながら座席を代わるところは、仲直りしたティーンネイジャーのようだった。崩壊するビルを背後に「これで帰れる!」とまるでボニー&クライドのように笑顔で車を加速させる二人。だがきっとまた新たな困難が待ち受けているはず…。今回は、リックの回想で出てくるカールを別にするとほかのキャラクターは誰も出て来ず、本当に二人の俳優たちが演技でぶつかり合うヒューマンドラマだった。

(Erina Austen)

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