【ネタバレ】驚きの展開で始まった『窓際のスパイ』シーズン3、原作からの変更点とは?

Apple TV+製作『窓際のスパイ』はミック・ヘロンの人気小説シリーズのドラマ化となる。そのうち「放たれた虎」が原作となるシーズン3について、クリエイターが小説から変更した点を明かしている。

小説で描かれた心理描写に代えて…

『窓際のスパイ』は、MI5(英国情報局保安部)の落ちこぼれエージェントが追いやられる部署、「スラウハウス(泥沼の家)」に所属するリヴァー・カートライトらメンバーと傲慢で悪名高いチームリーダーのジャクソン・ラムが、スパイの世界で危険分子を排除していく様がブラックユーモアを交えながらスリリングに描かれるシリーズ。

2016年に発表された小説シリーズ4作目「放たれた虎」では、ラムの秘書キャサリンが何者かに拉致されてしまう。犯人の脅迫を受けたカートライトは彼女の身の安全と引き換えに、本部へ侵入して厳重に保管された情報を盗み出すことを引き受け、MI5が機密漏洩の危機にさらされる。(※これ以降は、シーズン3第1話の展開に関する情報が含まれますのでご注意ください)

シーズン3第1話「ストレンジ・ゲーム」はトルコのイスタンブールを舞台に幕を開け、ともにスパイで恋人同士のアリソンとショーンが登場。二人は、アリソンが機密ファイルを漏洩しようとしていると諜報機関が疑っていることを知る。その後アリソンはある人物にファイルを届けるが遺体となって発見され、愛する人を亡くしたショーンは打ちひしがれる。

英Radio Timesのインタビューに応えたクリエイター・脚本家のウィル・スミス(俳優のウィス・スミスではない)が、原作とドラマ版の違いについて言及。「できる限り原作に忠実であろうと努めていますし、原作から変更する場合でも、その精神を貫こうとしています。ミックの世界とキャラクターが大好きなので、常に登場人物の精神にこだわってきましたし、今後も変えるつもりはありません」と語った。

とはいえ、シーズン3では原作の描写をビジュアル化するにあたり、変更した点があったという。スミスは、「このシーズンで最大の変更は、ショーン・ドノヴァンが愛する女性の死に対して復讐を求めるところですね。基本的には女性の死を映像として見せることで、小説で描かれていたように彼が(その出来事を)回想するような方法は採りませんでした」と説明し、こう続けている。

「小説では彼の頭の中に入り込むことができるから、それで良いのですが、明らかにテレビではそうはいきません。この男が愛する女性のために復讐の限りを尽くすとしたら、視聴者が彼女について彼から話を聞かされるだけという抽象的な描写だったら、説得力を持たせることはできないでしょう。ですが、二人が分かち合った愛の強さとショーンが経験している悲しみの大きさを目にできれば、彼ののちの行動の説明になるので、視聴者が彼の復讐劇に感情移入できるようになりますからね」

アリソンを演じるのは、『ファンタスティック・ビースト』シリーズのティナ役で知られるキャサリン・ウォーターストン。ショーン役には、『ギャング・オブ・ロンドン』のショペ・ディリスがキャスティングされている。

アリソンの死がスラウハウスのメンバーたちにどう絡んでくるのかは、Apple TV+にて毎週水曜日に配信されるシーズン3の本編でご確認を。(海外ドラマNAVI)

参考元:英Radio Times①英Radio Times②