ジェームズ・キャメロン&キャストが来日!『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』記者会見

ジェームズ・キャメロンが13年間心血を注いだシリーズ最新作『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』がいよいよ12月16日(金)に全世界同時公開される。公開に先駆け、本作のワールドツアーの一環として監督・キャストが揃って来日。12月10日(土)には、都内にて来日記者会見が行われた。

ウォーター・フロント来日記者会見

12月10日(土)、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の舞台となる海にちなみ、水族館マクセル アクアパーク品川にて、記者会見が行われた。来日したのは、ジェームズ・キャメロン監督、そして主演を務めるサム・ワーシントン(ジェイク・サリー役)とゾーイ・サルダナ(ネイティリ役)、シガーニー・ウィーヴァー(キリ役)、スティーヴン・ラング(クオリッチ役)ら豪華キャスト、そしてプロデューサーのジョン・ランドー。

10年以上ぶりの来日となったキャメロン監督は、「日本とは長い恋愛関係のようなもので、1980年代半ばからずっと日本に来ています。日本の文化が大好きです。これまでの映画も日本のファンに受け入れてもらってきたので、本作も気に入っていただけると嬉しいです」と挨拶。

また、イルカたちによるオープニングステージを見て「とても素晴らしいです。私はイルカたちが大好きなんですよ。とても知性的で社会性があって、人とつながることができる。僕も(イルカに)乗りたいんですけどいいですか?」とユーモアを見せた。

シガーニーは、「とってもエキサイティングなショーでした。もしかすると、私が生涯見たショーの中でも一番だったかもしれません」、スティーヴンは「世界各地を回って東京に来たわけですが、これほど私の顔に笑顔になったのは、このイルカたちのショーが初めてだと思います」と、キャスト陣からも絶賛の声が上がった。

キャメロン監督が『アバター』シリーズの構想を明かす!

その後、会見ではメディアからの質疑応答を実施。ワールドプレミア以降、絶賛の声が広がっていることに関して、キャメロン監督は製作過程での思いを明かした。

「私たちはこの作品の製作に5年間ほど時間をかけました。実際作っている中で、本作が人々にどんな影響・インパクトを与えるかというのはわからない状態なんですね。観た人に感情的に訴えかけるような、感動するような作品になるよう願いますし、この美しい世界を楽しんでいただきたいです」

ジェームズ・キャメロン監督

ジェームズ・キャメロン監督

さらに、『アバター5』まで製作が発表されている本シリーズの今後の構想についても、以下のように語った。

「続編製作を踏まえて、新しい技術を準備してきました。アバター』は5作目までの構想がある大きなプロジェクトなので、事前にいろんなことをデザイン・設定しました。世界観、キャラクター、クリーチャーたち、文化など……。パンドラがどんな世界なのか、海、砂漠、山、北極のような景色もすべて準備をして取り組んでいるので、今後の準備は特にする必要がないんです。

これはあくまで第1章。より大きな物語が繋がってきます。私の横にいる素晴らしいキャストも続編に出演していきます。13年はかかりませんが、2年ずつくらいかけて新作お届けできればと願っています」

夫婦になったジェイクとネイティリは…

前作『アバター』で恋に落ち、本作では夫婦となり子どもも設けているジェイクとネイティリを演じる、サムとゾーイには、本作の「家族」という要素は世界観やストーリーにどのような深みを加えたか? という質問が。

サムは、「2人のラブストーリーのさらにその先ということで、今回は子どもたちも加わります。若いキャストが加わったことで、彼らの目を通したストーリーを皆さんに体験してもらうことができるかと思います」と回答。

サム・ワーシントン(ジェイク・サリー役)

サム・ワーシントン(ジェイク・サリー役)

プライベートでも家族をもったゾーイは、ネイティリと自身の共通点もあったそう。

「ジェイクとネイティリが家族を持つことで今回、パンドラが危機的な状況に陥ってしまいます。家族それぞれが個人的にも、チームとしても苦境が訪れます。ネイティリと同じく私自身、母親になる前は怖いもの知らずなところがあったんです。しかし、実際に母親になって、恐れ・恐怖というものを感じるようになりました。自分自身よりも愛する子どもたちを失ってしまったらどうしよう。彼らに何かがあったらどうしようというようなことを常に考えてしまう。サリー家の子どもたちは本当に愛らしいのですが、頭を悩ませる原因にもなるんです」

ゾーイ・サルダナ(ネイティリ役)

ゾーイ・サルダナ(ネイティリ役)

14歳の少女を演じたシガーニー

前作ではグレース博士を演じたシガーニーは、今回はナヴィの姿での登場。グレースの子どもでナヴィの少女キリを演じたことについて、「私だけではなく、すべての俳優がパフォーマンスキャプチャーでどんな役でも演じられるようになりました。本作では、私も先ほどゾーイが言った頭痛の種の一人なわけです」と話した。

シガーニー・ウィーヴァー(キリ役)

シガーニー・ウィーヴァー(キリ役)

撮影環境については、「私たちは黒い衣裳を来てマーカーを付けて演技をするわけですが、ストーリーは非常に俳優中心のもの。私たちはキャラクターとしてのエッセンスを演じればよかったんです」と、語り、さらに、14歳の少女を演じるための役作りについても明かした。

「ジム(キャメロン監督)に誘われて14歳の頃を思い出しながらやりました。撮影まで3~4年準備期間があったので、14歳の子を観察し、学校の授業にも参加して彼女たちの声の幅を研究しました。子どもっぽい声もあれば、案外大人らしい声色を使うときもあるんだな、なんて発見もありましたね。現場は楽しくて仕方なかったです。キリは優しくて情熱的、そして自然とのつながりを持っています。チャレンジングではありましたが、監督をはじめ皆さん、そして子どもたちのキャストも私を受け入れてくれて、本当に家族というものを感じました」

クオリッチ大佐は「ダークさの象徴」

前作ではマイルズ・クオリッチ大佐を演じたスティーヴンも、本作ではナヴィの姿で再登場。自身の役について聞かれ、「(シガーニー演じる)キリは素晴らしい、柔らかい光を放つ役ですね。そして、もっとすごく強烈な光を放っているのが、ネイティリやサリー。そういった光を目立たせるためには、非常にダークな存在が必要。まさに私が演じるクオリッチ役は、その暗さを象徴しています」と、自身のカムバックの重要性を説明。

スティーヴン・ラング(クオリッチ役)

スティーヴン・ラング(クオリッチ役)

さらに「暗闇があるからこそ、光が輝き、また光によって、暗闇もさまざまな面を見せる。ですから本作、そして続くシリーズの中で、光と闇がどう作用していくのかを楽しんでいただきたいと思います」と、今後の展開を期待してほしいと締めた。

和気あいあいとしたスペシャルなコーナーも

続く、監督・キャストにYES/NOの札をあげてもらう質問コーナーでは、和やかな雰囲気で進行。「今回、水中での訓練が大変だったと聞いています。正直、この撮影中に役を降りたいと思った人は?」という質問には全員NOの札を上げた。

NOの札を上げるキャストたち

これまでも海にまつわる作品を数多く製作し海を愛する監督は、「子どもの頃から海が大好きで、スキューバダイビングを17歳から始めて何千時間も海の中で過ごしています。ただ、実際の海の美しさ、すばらしさから時として一度離れてありがたさを知ることは大切なことです。ファンタジーやSF作品を通して、自分たちの持つ海の美しさを考えてもらいたいですし、本作ではそれが伝わるのではないかと思っています。作品では、どこにあるかわらない惑星の話ではなく、私たちの地球の大切さについて語っています。私たちがもっと地球を気にかけていかなくてはならないのです」と作品の持つメッセージ性についても語った。

キャメロン監督がファンに質問に直接回答

映画を心待ちにしている会場のファンからは、「私は"I see you."という名セリフが大好きです。"see"には"近くで見える"という意味と"認識、理解する"という意味があるようなのですが、キャメロン監督は、この"I see you."にどういう意味を込めているのでしょうか?」と鋭い質問が。

キャメロン監督はとても良い質問と絶賛しつつ、「この言葉は、私たちのつながりを表しています。お互いに共感できる存在であること、作品の中では種族間とのつながりも表現していますね。シンプルな使い方では、"あなたがいる=おはよう"的な意味合いもあるし、深く使うと"理解をする"という意味もあります。前作でネイティリがトルークマクトに乗って現れたジェイクに使う時は、"今まで理解できていなかったが理解した"という意味になる。さらに深くすると、"I love you."という意味にもなります。愛、理解、尊敬、認識するという意味も持っているんです。人間は人生の中でコミュニティの中で認識してほしい、理解してほしい、そして何かをしたい、何かになりたいという気持ちがあります。このコンセプトを映画の中でも描いてるんです」と丁寧に回答。

長年のシリーズファンも大満足となった本記者会見。『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』は、今週12月16日(金)に全国劇場公開。(海外ドラマNAVI)

Photo:配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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