今年5月に67歳でこの世を去った名優レイ・リオッタ。生前出演した最後のTVシリーズ『ブラック・バード』で共演したタロン・エガートンが「ヒーローだった」と思い出を語ったと米Indie Wireが伝えている。
最後のドラマ作品、現場での思い出…
5月26日、『Dangerous Waters(原題)』撮影のために訪れていたドミニカ共和国で亡くなった『フィールド・オブ・ドリームス』『グッドフェローズ』の名優レイ。彼が生前に撮影を終えていた作品の一つにApple TV+のリミテッドシリーズ『ブラック・バード』がある。7月8日(金)より配信が開始したばかりの本作は、実在の事件に着想を得たドラマで、主人公は高校のアメフトスター選手だったジミー。警官の父をもつジミーは仮釈放なし10年の実刑判決を受けるが、精神異常の犯罪者が集められた刑務所でシリアルキラーのラリーから自白を聴きだせば、釈放の可能性があると持ち掛けられ…というストーリーで、ジミー役をタロンが、ジミーの父親役をレイが演じた。
タロンは番宣の一環でトーク番組『Jimmy Kimmel Live!(原題)』に出演し、レイとの共演について明かした。「俳優は変わり者の集まりだし、変なこともする。だから彼に任せようと思ってスペースを取っていたら、部屋の反対側から目が合ったような感じで、立ち上がって、弱そうな感じで僕の方に歩いてきたんだ。彼は病気という設定だったんだけど、ただ僕を抱きしめて、そのまましばらくそうしていた。少し変な感じだったけど、とても良いものだった」と舞台裏での思い出をシェア。さらに「僕にとって彼はヒーローのようだった。この脚本を読んだときすごく感動したし、中心には機能不全の親子関係がある」と続けた。
「もう一度だけ会えたら…」
「僕たちは本当に偉大な俳優を失った。この作中でもレイは最高だよ。一緒に働くことが大好きでたまらなかった」と振り返るタロン。『ロケットマン』や『キングスマン』などに出演し次世代を担うタロンのみならず、『グッドフェローズ』の仕事仲間マーティン・スコセッシも、彼の死を強く惜しんでいる。「僕たちはもう一度一緒に仕事をする予定がたくさんあった。でもいつもタイミングがあわなかったり、企画に納得いかなかったり。今はそれを後悔している」とThe Guardianのエッセイで明かしたスコセッシ。「一緒にした仕事が僕にとってどれだけ意味のあるものか伝えるために、もう一度だけ彼に会えたらと思う。でもきっと彼は分かっているだろうし、そう願う」
後世に語り継がれるであろうレイにとって最後のTVシリーズ出演作となった『ブラック・バード』はApple TV+にて独占配信中。
(海外ドラマNAVI)
Photo:コピーライト:『ブラック・バード』7月8日(金)よりApple TV+にて独占配信